太陰太陽暦
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今日
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旧暦 令和6年 3月29日

(立夏小満まで13日)


CE 2024年 5月7日


AH 1445年 10月28日


JD 2460437.7886227


15:55
[更新]

太陰太陽暦(たいいんたいようれき、: lunisolar calendar)とは、太陰暦を基とするが、太陽の動きも参考にして閏月を入れ、月日を定める暦法)のこと。
概説

紀元前の古代で行われていた暦は、その多くが月の満ち欠けの繰返しで成り立つ「太陰暦」であった。「太陰」とは空にあるのことである。しかし、29日または30日からなる「月」を12回繰り返して「一年」とする「太陰暦」では、一年が約354日であり、太陽暦の一年に比べて約11日短く、3年ごとに約1か月のずれとなる。このずれを放っておくと暦が季節と大きく食い違ってしまう。そこで太陽の運行を参考にしつつ「閏月」(うるうづき)という「月」を挿入し、1年を13か月にすることによって暦と季節のずれを正す方法が図られた。「太陰暦」に基づくが太陽暦の要素も取り入れている暦なので、閏月のない「太陰暦」と区別して「太陰太陽暦」という。ただし太陰太陽暦は「太陽暦」と対比して単に「太陰暦」とも呼ばれている。イスラームに関する事柄で「太陰暦」といえば閏月のない純粋太陰暦(ヒジュラ暦)を指す。日本において「太陰暦」とは、専ら太陰太陽暦のことをいう[1]

古代では天体を観測して閏月をいつ入れるかが決められた。後にメトン周期が発見されると、その原理に基づいて閏月を挿入する時期(置閏法)が決められるようになった。やがて古代ローマにおいてユリウス・カエサルが暦を太陽暦に切り替えた後は、ヨーロッパの多くの地域で太陽暦が用いられ、中世にはそれがグレゴリオ暦となり現在に至っている。

ヨーロッパでは太陽暦が広く用いられるようになった一方で、中国大陸や日本などの東アジアの地域では太陰太陽暦がそのまま公式に使われ続け、閏月を暦に入れるため二十四節気が用いられた。閏月の有無で1年の日数に差が出ることなどから、現在太陰太陽暦を正式に用いている国はないといわれるが[2]、中国をはじめ日本を除くアジア全域では、太陰太陽暦に基づく新年(春節)が現在でも祝われている。日本では明治6年(1873年)から暦を太陽暦(グレゴリオ暦)に切り替え、以後は太陽暦が公式なものとして用いられている。
古代における暦の運用

人が最初に季節を知るための手がかりとしたのは、空の星であったといわれているが、さらに月の満ち欠けも日にちを数える手がかりとして使われ、この月の満ち欠けをもとに世界各地で「太陰暦」という暦が作られるようになった。

天体の月が最も欠けた状態を「朔」(さく)と言い、この「朔」から約15日たつと満月になる。これを「望」(ぼう)という。「望」からまた約15日たつと「朔」となる。この「朔」→「望」→「朔」の約30日間を「一か月」とし、これを12回繰り返すことで「一年」とする。「太陰暦」とは本来このようなものである。「朔」から「朔」へ戻る周期、すなわち「太陰暦」の一か月を「朔望月」という。この朔望月は暦の上では「30日」か「29日」のどちらかになる。そして後世「30日」は「大の月」、「29日」は「小の月」と呼ばれている。一年のうちで「30日」と「29日」になる順番は年ごとに変わる。

しかしこの「太陰暦」をこのまま使うには問題があった。季節が暑くなったり寒くなったりする時期は、地球が太陽を1周する日数(太陽暦の一年)の間で決まる。しかし「太陰暦」の一年は、地球が太陽を1周する日数よりも約11日短い。これをこのまま使えば暦と季節はずれを生じ続け、たとえば暦の上では春のはずが実際の季節はまだ真冬ということになりかねない。そこでこうしたずれを防ぐため、「太陰暦」の1年を13か月にする方法が多く取られた。1年の日数を1か月分増やすことによって、暦を遅らせたのである。そして再び暦と季節がずれを起こせば、また1年を13か月にする。本来の12か月のほかに挿入された「月」のことを「閏月」と呼び、「○月」の次の月を閏月にする場合は、その月のことを「閏○月」と呼ぶ。

世界で最も古くから「太陰暦」を用いていたのは、メソポタミア文明をつくったシュメール人であるが、彼らが暦と季節のずれをどのように正していたのかは明らかではない。紀元前2000年ごろのバビロニアでは太陰太陽暦を用いていたが、暦と季節のずれに対しては当初、適当に日や閏月を足して済ませていた。やがてバビロニア人は、19年のあいだに7回、閏月を暦に入れるとほぼ誤差なく暦を運用できるメトン周期の原理に気付き、これに沿って閏月を暦に入れるようになった。メトン周期とは、地球が太陽の周りを19回めぐる日数(太陽暦の19年)は、月の満ち欠けによる235か月(太陰暦の19年と7か月)の日数とほぼ等しいというものである。「メトン」とはバビロンでこの原理を知りギリシアに持ち帰った天文学者メトンの名に由来する。

このメトン周期の原理は世界各地でも知られるようになり、古代中国でもの時代には天体を観測して暦と季節のずれに注意し、閏月が必要になれば十二月の次にひと月たして13か月にしていたが、春秋時代にはメトン周期の原理に基づいて閏月を暦に置いている。古代ギリシアで使われた暦も、暦法にこのメトン周期の影響を受けたといわれる。

なお新バビロニア王国の暦法はバビロン捕囚中のユダヤ人に受け継がれ、現在のユダヤ暦に引き継がれている。しかしイスラム教が広まった地域では、公式な暦としては純粋太陰暦であるヒジュラ暦が、準公式・非公式な暦としては太陽暦(イラン暦、ルーミー暦など)が用いられるようになり、ユダヤ人社会を除く西アジアで太陰太陽暦が用いられることはなくなっている。
天体観測と暦の修正

「太陰暦」において暦と季節のずれを正すには、空の月以外のものを見なければならないが、それは同じく空にある太陽や星の位置によってであった。人々はまず季節を知る手がかりとして、自らが住む場所で見る星の位置や、その星の見える時期を以って今がいつごろの季節なのかを判断した。さらに太陽も季節の変わり目を知る手がかりとなった。夏は日が長く、冬は日が短いが、一年のうちで最も日の長いのはいつか、最も日の短いのはいつかといったことを、長い年代をかけて見出していったと見られる。それがのちに「夏至」や「冬至」といわれるようになり、また昼と夜の時間が同じになる頃は「春分」や「秋分」と呼ばれている。そして「太陰暦」に起こる暦と季節のずれを正すために、これら天体の観測が利用された。メトン周期の原理も、こうした天体観測を重ねてわかったことである。また太陽と星の観測はやがて二十四節気を生み出し、これが太陰太陽暦に用いられることになる。

書経』の「堯典」には中国神話に登場する伝説の帝・が、四方の神ともいわれる義氏と和氏に対して、日の長さと星の見える時期により、暦を定め国土を治めるよう命じたとされている。その暦に関わる箇所のみを抜き出せば以下の通りである(対訳が続く)[3]。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}

日中、星鳥、以殷仲春
〔中略〕
日永、星火、以正仲夏
〔中略〕
宵中、星虚、以殷仲秋
〔中略〕
日短、星昴、以正仲冬
〔中略〕
朞三百有六旬有六日、以閏月定四時、成歳

昼と夜が同じ長さで、鳥の星が夕暮れの空に見えたら春分とせよ
〔中略〕
日が長く、火の星が空に見えたら夏至とせよ
〔中略〕
夜と昼が同じ長さで、虚の星が見えたら秋分とせよ
〔中略〕
日が短く、昴の星が見えたら冬至とせよ
〔中略〕
一年の日数を三百六十六日とし、閏月を入れて暦が四季と合うように定めよ

これらは日の長短と「鳥」「火」「虚」「昴」という星々を観測することにより、春分・夏至・秋分・冬至それぞれの日を定めるとしている。これらの星の観測は紀元前2000年前後にまでさかのぼるが、「朞三百有六旬有六日」云々のくだりは一年を366日としていることから、後世の知識が入っているとされている。『淮南子』天文訓には二十四気(二十四節気)について、十五日を経て空の星を見ることで、「冬至」をはじめとする二十四気の日がわかるとしている。

古代バビロンとインドの太陰太陽暦は、二十四節気ではなく黄道十二宮によって閏月を暦に入れている。バビロンではセレウコス朝以後(紀元前312年以降)にメトン周期の原理が用いられたが、それより前の暦ではこの黄道十二宮に基づいて太陽の位置を計算し、閏月を暦に置くことがあった。
太陽暦への切替え

古代ローマの暦は当初、春を年初として朔望月に基づく10か月を定め、あとは適当に日数を加えて一年とする運用をしていたが、紀元前8世紀の頃には一年を12か月355日とする太陰太陽暦が用いられるようになった。しかし毎年コンスルが交代する共和政のローマ社会では、政治家や神官が暦を政争の具とし、日にちや閏月の挿入を恣意的に繰り返した。


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