天_天和通りの快男児
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天 天和通りの快男児
ジャンル
麻雀漫画人情
漫画
作者福本伸行
出版社竹書房
掲載誌近代麻雀ゴールド
レーベル近代麻雀コミックス
発表期間1989年 - 2002年
巻数全18巻
話数全164話
ドラマ
原作福本伸行
監督二宮崇、柴田啓佑、宮脇亮
脚本根本ノンジ政池洋佑宮本正樹
制作テレビ東京The icon
製作「天」製作委員会
配信サイトテレビ東京
配信期間2018年10月4日 - 12月20日
話数全12話+配信限定1話
ドラマ:天 赤木しげる葬式編
「アカギと7人の男たち」
原作福本伸行
監督二宮崇
脚本宮本正樹
音楽諸橋邦行
制作テレビ東京、The icon
製作「天 赤木しげる葬式編」製作委員会
放送局テレビ東京
放送期間2019年12月29日 - 同日
話数全1話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画テレビドラマ
ポータル漫画テレビドラマ

『天 天和通りの快男児』(てん てんほーどおりのかいだんじ)は、福本伸行による日本麻雀漫画作品。『近代麻雀ゴールド』(竹書房)にて、1989年から2002年まで連載された。単行本は全18巻。
概要

「理」によって麻雀を打っていた井川ひろゆきが、「理」以外のもので打つ天貴史と出会うことから物語は始まる。

当初麻雀人情ものとして連載がスタートしたが、徐々に麻雀勝負ものへと移行した。この作品により福本伸行は従来の人情物作家から脱皮し新境地を開拓した。このため作者の漫画家としての成長過程をたどることができる作品ともなっている。

本作品から派生した漫画に『アカギ ?闇に降り立った天才?[1](1992年 - 2018年)、『HERO -逆境の闘牌-』(2009年 - 2021年、漫画:前田治郎、福本は協力として参加)、『闇麻のマミヤ[2](2019年 - 2023年[3] ※第一部完[3])、『老境博徒伝SOGA』[4](2023年 - 、原作:森橋ビンゴ、漫画:三好智樹・瀬戸義明、福本は協力として参加)がある。
あらすじ
1巻 - 3巻

麻雀の「理」に対して深い造詣を抱き、大学受験のために雀荘で素人相手に荒稼ぎをしていた受験生、ひろゆきは麻雀の請負業を営む天とサシ馬勝負を行う。天の麻雀下手さも手伝って勝負は終始ひろゆき有利に進むが、南4局で天が明らかにイカサマな天和九蓮宝燈をあがり逆転する。そのことが縁で2人は知り合いとして付き合い始める。

やがてやくざだが義侠な男、沢田と知り合ったひろゆきは代打ちの道を歩き出す。その最初の仕事の地上げ勝負の相手はなんと天だった。勝負は再びイカサマの天和九蓮宝燈を決めた天の勝ちとなるが、実際には天と沢田が自ら全ての面倒の犠牲になることを選択した結果となる(この辺りから、天は実際には麻雀にとても強いことが判明してくる)。

天・中西との勝負で負けたことがきっかけで、元々険悪な仲だった地上げ屋と半荘60回の勝負となったひろゆき・沢田だが、地上げ屋の雇った代打ち、室田に苦戦する。差も広げられ万策尽きたかに思えたその時、天が現れ代打ちを志願する。室田のトリックを見破り、プレッシャーの張り合いに勝利した天は完全に室田を撃破するが、地上げ屋側は切り札として「無敵」と恐れられる赤木を投入する。超人的な才気を武器にする赤木は天を圧倒したが、赤木は1回の半荘の負けを理由に代打ちを辞退する。その後、地上げ屋側は天より格上の代打ちを用意できず、赤木が作った勝ちの貯金を守りきれずに勝負は沢田・ひろゆき・天側の勝利となる。勝負の後、沢田と天はひろゆきに、実力は問題ないが表社会に戻れる人間はそうすべきであると諭す。
東西戦編

2年後、大学に入り表社会に暮らしていたひろゆきだったが、その心は天や赤木のような麻雀勝負を求めていた。やがて大阪で知り合った麻雀打ちの健に「東」の裏プロ達と「西」裏プロ達が雌雄を決する「東西戦」があることを教えてもらう。「東」の頭領が天であることを知ったひろゆきはその決戦メンバーに志願。ヤクザの代理戦争ともいえる莫大な利権が懸かった危険な戦いのため、最初は断られるが、執念で念願を果たし参加する。

「東西戦」は決勝メンバー選出の「ビケ殺し」、「トップ取り」「満貫しばり勝負」を経て「クリア麻雀」そして「二人麻雀」へと移行する(その際行われた特殊ルールを伴う麻雀については後述)。
通夜編

「東西戦」の9年後、麻雀の世界から身を引いてサラリーマンとして暮らしていたひろゆきは、たまたま見た新聞の訃報欄に赤木しげるの名前を見つける。困惑したまま赤木の葬儀、そして通夜に訪れたひろゆき。しかし、赤木はまだ生きていた。なぜこのようなことをするのかと問うひろゆきに、赤木、そして金光の口から衝撃の事実が告げられる。なんと、アルツハイマーにかかった赤木が、自分が自分であることを保てるうちに安楽死によって逝くことを決意し、その直前に「東」のメンバー全員と「西」の原田・僧我と最後の会話をすることを決めたというのだ。そのことを知った者達は、ある者は赤木を引きとめようとし、ある者はその死を見届けようとするのだった。

安楽死問題についても触れており、麻雀漫画を取り扱う『近代麻雀』シリーズの中でも麻雀を行わない異例の章である。
登場人物
「東」
天 貴史(てん たかし)
声 - 岡田雅夫(PS2版) /
宮崎寛務(ゲーム『麻雀格闘倶楽部Sp』)演 - 岸谷五朗本編の主人公で、無類の勝負強さと強い意思をもつ博徒(代打ち)。義理人情に篤く、何でも感情的に分かち合おうとする好漢だが、かつては人を陥れることで勝ち続けていた過去を持っていた。しかしある時から一転して、弱者の立場にたって行動することとなる。その優しさは時として敵側の人間にも向けられ、相手のメンツを保たせるためにわざと自分にとって不利益になるような行動を取ることもあり、体中に刻まれた傷跡はその名残である。嫁が2人いる。物語序盤では、分かりやすいイカサマの役満で逆転勝利したり、素人に大敗するなど、弱小な打ち手であるかのように見せていた[5]が、その実はかなりの実力者であり、どんな苦境に陥ろうと諦めない「どこまでも切れない分厚い麻雀」を打ち、無敵といわれた天才・赤木しげるに半荘一回のみだが唯一土をつける[6]など、数々の不可能を可能にしていく。東西決戦では東の頭を張り、西の頭である原田と熱戦を繰り広げた。通夜編では、最初こそ賛同していたものの後に気が変わり、最後の面会人として赤木と「生」について論じ合い、必死に翻意をうながす。本作品からの派生作品『アカギ ?闇に降り立った天才?』には未登場だが、『HERO?逆境の闘牌?』には第1話から登場している。
井川 ひろゆき(いがわ ひろゆき)
声 - 堀米幸樹(PS2版)演 -
古川雄輝本編のもう一人の主人公で、理詰めの繊細な麻雀を打つ青年。第一話では受験生として登場し、その後エピソードが進むに従って大学生、社会人へと年齢を重ねた姿が描かれている。あだ名は「ひろ」。最初は小遣い稼ぎ程度の感覚で麻雀を打っていたが、次第により強い相手を求めるようになり、真剣勝負の代打ちの世界に惹き込まれて行く。天と赤木を心から慕い尊敬している。ちなみに、物語開始当初は純粋な雀力では天よりも格上として登場した。非常に聡明で、デジタル式の計算力と観察力の高さは天を始めとした歴戦の勝負師達をも唸らせたが、「理」に頼り、慎重に行動しすぎてしまうきらいがあったために度々裏をかかれて苦戦を強いられる。東西決戦では天や赤木達の支えもあって勝負に対する決意を強め、次第に成長して行く。しかし同時に天や赤木のような天才との違いを知ることで劣等感を抱き、麻雀で生きていくことへの恐れを抱いてしまった。東西戦後はサラリーマンとして生き、停滞した日々を送る。通夜編では赤木と対話し「人生の実」を諭される。本作品からの派生作品『HERO?逆境の闘牌?』では本作終了後、赤木亡き後、天と赤木という二人の「天才」に追いつこうとする彼の姿が描かれている。
赤木 しげる(あかぎ しげる)
声 - 松崎霜樹(PS2版) / 田中秀幸(ゲーム『ポーカーチェイス』) / 萩原聖人(ゲーム『麻雀格闘倶楽部Sp』)演 - 吉田栄作何の後ろ盾もなくただ己の能力のみを頼りに生きてきた伝説の博徒。かつて3年間ほど裏社会の頂点に君臨していたが、立場や名声が自分を束縛するという主義のため、早い段階で引退した。「神域の男」「鬼神」「百年に一人の天才」といわれ、数えきれないほどの伝説を持つ。桁外れの才気に死をも恐れぬ精神と、神域にまで達するといわれる強運・直感を持ち、華やかさと静けさを併せ持つ天衣無縫で大胆不敵な麻雀を打つ。勝負事において無敵といえるが、全盛期と比べるとその運気にわずかに翳りがみられる場面もあった。自由気ままな言動で周囲を振り回す不良中年ぶりは、一般的な価値観からすると「自己中心的でいいかげんな人物」とも言えるが、勝負事に対する姿勢は非常に真摯であり何よりも真剣勝負を好む。初登場時は天の対戦相手の代打ちとして天と激闘を繰り広げるが、続く東西戦では東陣営の仲間に入り最も頼もしい存在となる。また、未熟なひろゆきに対して助言することも多く、師弟のような関係になる。通夜編は進行性のアルツハイマーを患いアルツハイマーで廃人になる前に安楽死[7]することを決意した赤木が中心の章となる。己を大きな生命のサイクルの一環として捉えながら、常識や損得に囚われずただひたすらに「赤木しげるとして」の生き方を貫こうとしたその死生観は多くのファンの語り種となっている。本作品からの派生作品『アカギ ?闇に降り立った天才?』は彼の少年時代から青年時代の話であり、Vシネマ化やアニメ化・テレビドラマ化もされる人気作となった。
浅井 銀次(あさい ぎんじ)
声 - リチャード博美(PS2版)演 -
田中要次かつて「三色銀次」と呼ばれていた新宿に住む東京随一の打ち手。その武器は洗練された限定ガン牌である。タイ語、アラビア語、マレーシア語などの字を理解しており、様々な外国語の文字を理解して自身が覚えられる字の認識数を増やすことで、麻雀牌にあるほんの僅かな汚れや傷をその文字を照合させて覚えることでガンとしている。老齢でありながらもなお衰えない高い認識力と、職人技ともいえる常人の発想を超えたガン付け技術を併せ持つ。


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