天皇の料理番
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天皇の料理番
著者
杉森久英
発行日1979年12月
発行元読売新聞社
ジャンル小説
日本
言語日本語
形態上製本
ページ数357
公式サイト天皇の料理番 集英社文庫
コードJP番号 80009322
JP番号 83015656(文庫判

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『天皇の料理番』(てんのうのりょうりばん)は、1979年に出版された、杉森久英による小説。1978年10月から1979年11月まで週刊読売に連載された[1]2015年までに、3回テレビドラマ化された。

宮内省大膳職司厨長(料理長)を務めた秋山徳蔵の青年期から主厨長になるまでを描いた作品。秋山の実際の経歴をもとにしているが、細部はフィクションであり、実在した秋山との混同を避け、杉森の原作では「秋沢篤蔵」、ドラマ版では「秋山篤蔵」の表記となっている。
書誌情報

単行本:
読売新聞社1979年12月 JP番号 80009322 ISBN 4643727802

文庫本:集英社文庫1982年12月 JP番号 83015656 ISBN 9784087505733

文庫本:集英社文庫、2015年3月20日 (上)ISBN 9784087452938 / (下)ISBN 9784087452945

テレビドラマ
1980年版

天皇の料理番
ジャンル
テレビドラマ
原作杉森久英
脚本鎌田敏夫
演出森崎東
出演者堺正章
檀ふみ
鹿賀丈史
明石家さんま
近藤正臣
ナレーター渥美清
オープニング薩めぐみ「KAZE/NORNMANDIE」
エンディング堺正章「遥かなるレディー・リー」
製作
プロデューサー中山和記
関口静夫
制作TBS
テレパック

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間1980年10月19日 - 1981年3月22日
放送時間日曜20:00 - 20:55
放送枠TBS日曜8時枠の連続ドラマ
放送分55分
回数19
BS-TBS
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1980年10月19日から1981年3月22日まで毎週日曜日20:00 - 20:55にTBS系で放送された。全19話。主演は堺正章[2]

ドラマ版では明治大正昭和と激動の世代を駆け抜けた篤蔵の生涯を、一部フィクションを交えて辿った。ドラマ内の随所で、関東大震災二・二六事件太平洋戦争など実際の映像が放映されるなどドキュメンタリーの要素も含まれた内容となっている。最終回では本編の最後に秋山篤蔵本人のが映し出された。

また、当時大阪を活動の拠点としていた明石家さんまが役者として全国区に進出したことでも話題になり、さんまが東京に活動の場を移すきっかけとなった。ナレーション渥美清が務めた。

日本の連続ドラマとして初めて全話がステレオ放送された作品でもある[3]
あらすじ

明治末期、福井県に修行に出された篤蔵は、少年期から修行や勉強もしない不良な日々を過ごしていた。ある日、香ばしい匂いが篤蔵の鼻をよぎった。軍隊の宿舎の厨房で作られたカツレツの匂いであった。今まで西洋料理を食べたことがなかった篤蔵は軍隊の田辺から食べさせてもらったカツレツの味に感動し、西洋料理の料理人になるために親の反対を押し切って上京する。

東京に着いた篤蔵は、見習い仲間の新太郎や辰吉らと共に料理を学び、様々な苦労を味わった後に最高位の料理人に上り詰め、“天皇の料理番”に就任する。
キャスト

秋山 篤蔵 -
堺正章
福井生まれ。気が強く喧嘩っ早いが優しく宇佐美に教えられた「料理は仲間の協力なくしては出来ず」を信条としているが、天皇の料理人に任命される頃から権力を手にする事に躍起になり、落ち込んでいる辰吉を説教、新太郎の再就職の世話を自身の紹介でゴリ押ししようと考えるなど横柄な性格になっていく。

秋山 トシ子 → 坂口 トシ子 → 秋山 トシ子 - 檀ふみ
篤蔵の妻。隣町の呉服屋の娘で16歳で篤蔵と見合いをして結婚した。カツレツの味が忘れられず自分にも黙って上京した篤蔵を追って華族会館まで来るが、半ば追い返される形になり、篤蔵両親の勧めもあって離縁をして勝五郎と再婚した。その後勝五郎について上京するが勝五郎が田代に騙されたあとはしばらく姿を消したが篤蔵と再会し再び彼と結婚した。かなりハッキリと意見が言えるタイプで、篤蔵が横柄な性格になったときは激しく叱咤した。

高村 新太郎 - 鹿賀丈史(第2話から登場)
華族会館の兄貴分。料理屋を営んでいる親の意向で板前修業として華族会館に勤めている身だが本人は画家を目指しておりシェフは留学資金稼ぎで務めている。夢のためなら手段は選ばない性格で惚れた弱みに漬け込みキミ子にヌードデッサンのモデルを悪げもなしに頼み、三沙子の愛人になり渡仏の資金を援助してもらった。しかしフランスで世界の壁を知り絵を挫折してジゴロになる。帰国後、徴兵され軍事訓練中に右足を失って除隊。自身を鑑み今まで家族や仲間の力を借りながらも全て中途半端に投げ出してきた自分の殻を破るため、独立独歩でフランソワーズと洋食屋を開いた。

平野 辰吉 → 山本 辰吉 - 明石家さんま(第2話から登場)
華族会館の同僚。お調子者で浮かれてしまうと手を洗い忘れる癖があり、宇佐美から体罰を受ける。婿養子としてキミ子の家の小料理屋の後取りになる事が決まるが結婚前にキミ子がヌードを引き受け主人以外の人間に裸を見せ、新太郎に未練を残しながら結婚する事にショックを受け自殺を図るも一命を取り留める。その後も婿養子の肩身の狭さから荒れ始め株屋になるが関東大震災で何もかも嫌になり廃業。最後は自動車修理工として働き始める。

キミ子 - 田中裕子(2 - 10、13 - 最終話)
辰吉の初婚妻。新婚当初からギクシャクした仲で辰吉が株で成功する頃には夫婦仲は冷め切り「今日は帝劇 明日は三越」を地でいく贅沢三昧な日々を過ごすが、夫が坂口がらみのトラブルでヤクザに刺されると本気で夫の身を案ずる。ある日、ささいなケンカで辰吉に叩かれ実家に帰る。親に説得され家に戻るとみつに手を出そうとする現場に遭遇し、離婚は決定的な状況となる。後ほとぼりが冷め、冷静に考えヨリを戻そうと家に戻る途中関東大震災に遭う。

松五郎 - 高城淳一(2 - 10、15 - 16)
キミ子の父。華族会館時代はお客として飲みに来てた辰吉に自分のお店で働くよう勧めるが、辰吉とキミ子が結婚した後は株式仲買所に入りびたったり、店を抵当に入れて株式の資金を作った辰吉を見て婿養子にしたことを後悔する。 後に事業を成功させた辰吉の援助でおでん屋を始め、妻のあきとキミ子の手伝いで切り盛りする。 キミ子が辰吉に叩かれ家を飛び出した時は、もう一度辰吉と話をするようキミ子を説得した。

あき - 野村昭子(2 - 10、15 - 18)
キミ子の母。松五郎と同じく華族会館時代は辰吉に自分のお店で働くようすすめるが、後に後悔する。だが辰吉とキミ子が前述のケンカをし、キミ子が自身のおでん屋で帰ることを渋っていたときは、松五郎と同様もう一度話をするよう説得した。のちに辰吉とキミ子の離縁状を持って、地震後に引っ越した辰吉の家に訪れた。

倉橋 八千代 - 山口いづみ(1 - 9、17)
篤蔵と同郷で田辺と駆け落ち、周一郎の元を経て、篠原の大逆事件に連座して逮捕。釈放後、家族の家に戻るが一家離散し伝で篤蔵の家に落ち着くも料理番就任の際、自分の存在がネックになりトシ子の説得で自ら家を出る。

フランソワーズ - セーラ(10 - 最終話)
篤蔵、新太郎がフランス留学時代に世話になった娼婦。篤蔵が帰国した後も彼が忘れられず着の身着のままで新太郎と日本まで追いかけてくるが既にトシ子と再婚していた事に落胆する。日本でフランス語しか話せず苦慮している中、異国の地で唯一言葉が通じる新太郎と両思いになっていく。新太郎が洋食屋を開いたときは彼と共にお店を切り盛りする。

桐塚 - 柳生博(2 - 5、7、9、16)
文学作家。フランス留学経験があり篤蔵のフランス語講師になる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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