天然痘
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この項目では、症状について説明しています。病原体については「天然痘ウイルス」をご覧ください。
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天然痘

概要
分類および外部参照情報
Patient UK天然痘
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天然痘(てんねんとう、variola, smallpox)は、天然痘ウイルス病原体とする感染症の一つである[1][2]。疱瘡(ほうそう)、痘瘡(とうそう)ともいう。医学界では一般に痘瘡の語が用いられた。疱瘡の語は平安時代、痘瘡の語は室町時代、天然痘の語は1830年大村藩の医師の文書が初出である[3]ヒトに対して非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生ずる。致死率が平均で約20%から50%と非常に高い[注 1][4]。仮に治癒しても瘢痕(一般的にあばたと呼ぶ)を残す。1980年世界保健機関(WHO)により根絶が宣言された。人類史上初にして唯一、根絶に成功した感染症の例である。
臨床像天然痘ウイルス

天然痘ウイルス (Variola virus) は、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属するDNAウイルスである。直径200ナノメートルほどで、数あるウイルス中でも最も大型の部類に入る。天然痘の原型となるウイルスはラクダから人類へと入り、そこで変化を起こして天然痘ウイルスが成立した可能性が高いと考えられている[5]ヒトのみに感染、発病させるが、膿疱内容をウサギ角膜に移植するとパッシェン小体と呼ばれる封入体が形成される。これは天然痘ウイルス本体と考えられる。また、牛痘エムポックスラクダ痘といった近縁種の病気が存在する。エムポックスはしばしば重篤化して人の命を奪うことがあるが、牛痘やラクダ痘などほかの近縁種の病気は人類に感染しても軽い発熱や水疱が出る程度で、非常に軽い症状で済むうえ、できた免疫は天然痘と共通する。この性質を利用して、牛痘をあらかじめ人類に接種する種痘法が確立され、天然痘の撲滅が達成されることとなった。

天然痘は独特の症状と経過をたどり、古い時代の文献からもある程度その存在を確認し得る。

大まかな症状と経過は次のとおりである。

飛沫感染接触感染により感染し、7 - 16日の潜伏期間を経て発症する。

40℃前後の高熱頭痛腰痛などの初期症状がある。

発熱後3 - 4日目に一旦解熱して以降、頭部、顔面を中心に皮膚色と同じまたはやや白色の豆粒状の丘疹が生じ、全身に広がっていく。

7 - 9日目に再度40℃以上の高熱になる。これは発疹が化膿して膿疱となる事によるが、天然痘による病変は体表面だけでなく、呼吸器消化器などの内臓にも同じように現れ、それによる肺の損傷に伴って呼吸困難等を併発、重篤な呼吸不全によって、最悪の場合は死に至る。

2 - 3週目には膿疱は瘢痕を残して治癒に向かう。

治癒後は免疫抗体ができるため、二度とかかることはないとされる。

天然痘ウイルスの感染力は非常に強く、患者のかさぶたが落下したものでも1年以上も感染させる力を持続する。天然痘の予防は種痘が唯一の方法であるが、種痘の有効期間は5年から10年程度である。何度も種痘を受けた者が天然痘に罹患した場合、仮痘(仮性天然痘)と言って、症状がごく軽く瘢痕も残らないものになるが、その場合でも他者に感染させることはある。

前述のとおり、「種痘」というワクチン接種による予防が極めて有効。感染後でも3日以内であればワクチン接種は、発症あるいは重症化の予防に有効であるとされている[6]。また化学療法を中心とする対症治療が確立されている。
歴史
前史

天然痘の正確な起源は不明であるが、最も古い天然痘の記録は紀元前1350年のヒッタイトエジプトの戦争の頃であり、また天然痘で死亡したと確認されている最古の例は紀元前1100年代に没したエジプト王朝のラムセス5世である。彼のミイラには天然痘の痘痕が認められた[7]
イスラム

イスラームの聖典『クルアーン』の「象の章」では、570年頃にエチオピア軍がメッカを襲撃する様子が記述されている。エチオピア軍はメッカの守備隊より軍事力で勝っていたが、アッラーフが鳥の群れ(アバビール)を遣わし、エチオピア兵の頭上に石を落とすと当たった者には疱瘡ができて疫病が蔓延し、撤退したという記述がある。これはエチオピア軍の間で天然痘が蔓延したことが神の奇跡として描かれているという説がある[8]

アル・ラーズィーが著書『天然痘と麻疹の書』(Kitab fi al-judari wa-al-hasbah) において麻疹と天然痘の違いについて言明した[9]
ヨーロッパ

古代ギリシアにおける紀元前430年の「アテナイの疫病」は「アテナイのペスト」とも呼ばれたが、記録に残された症状から天然痘であったと考えられる(他に、麻疹発疹チフス、あるいはこれらの同時流行とする説もある)。

165年から15年間にわたりローマ帝国を襲った「アントニヌスの疫病(アントニヌスのペスト)」も天然痘とされ、少なくとも350万人が死亡した。

その後、12世紀十字軍の遠征によって持ち込まれて以来、流行を繰り返しながら次第に定着し、ほとんどの人が罹患するようになる。

ルネサンス期以降に肖像画が盛んに描かれるようになったが、天然痘の瘢痕を描かないのは暗黙の了解事項であった。

マリー・アントワネットの配偶者として知られているルイ16世の祖父フランスブルボン朝ルイ15世1774年64歳の時に天然痘で亡くなった。
アメリカ天然痘の被害を伝えるアステカの絵(1585年)。パイプによる治療を試みている。


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