天外魔境ZERO
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天外魔境ZEROジャンルロールプレイングゲーム
対応機種スーパーファミコン
開発元ハドソンレッドカンパニー
発売元ハドソン
ディレクター広井王子(企画・監修)
竹部隆司(監督)
シナリオ荒井弘二
プログラマー青山光(メインプログラム)
音楽笹川敏幸
田中公平(天神・水貴のテーマ)
田中あや(ゲーム内のカラオケ楽曲)
美術辻野寅次郎(絵師)
久保久(美術監督)
シリーズ天外魔境シリーズ
人数1人
2人(マ・ジン VS マネキング)
メディア40Mbitロムカセット
発売日1995年12月22日
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『天外魔境ZERO』(てんがいまきょうゼロ)は、1995年12月22日ハドソンより発売されたスーパーファミコンゲームソフトである。ジャンルはRPG

企画・監修はシリーズの発案者広井王子。監督は『天外魔境 風雲カブキ伝』(以下カブキ伝)に引き続き竹部隆司。メインプログラムは『スーパーボンバーマン3』を手掛けた青山光。脚本は『カブキ伝』に引き続き荒井弘二。絵師(キャラクターデザイン)はシリーズ作品を多く手掛ける辻野寅次郎。美術監督は『カブキ伝』に引き続き久保久。音楽は本作が初の作曲活動となるハドソンのサウンドプロデューサー笹川敏幸。挿入曲(天神・水貴のテーマ)は『カブキ伝』を手掛けた田中公平
概要

天外魔境シリーズ』唯一のスーパーファミコン作品。広井王子は現場の開発スタッフ内において、自分達の子供が『ドラゴンクエストシリーズ』『ファイナルファンタジーシリーズ』をプレイしているものの、自分達が手がけた天外魔境シリーズはプレイしていない事を悔やむ声が聞こえ始めた為、スーパーファミコンでの発売を決めたと語っている[1]

特殊チップの内蔵によって容量を圧縮処理し、鮮明なグラフィックやアニメーション演出を可能としている。本作最大の特徴はPLG(パーソナル・ライブ・ゲーム)システムと呼ばれる、現実世界の時間によってゲーム内のイベントが変化するシステムである。これはカートリッジにカレンダー・時計を内蔵すること(リアルタイムクロック)によって実現したもので、本システムの採用は、「ハデな事をしよう」という広井の発想への、開発スタッフの「ゲームの中で犬が飼いたい」という意見から着想を得ている[1]。このシステムが発表された時、当時の新聞は「ユーザーによってカセットの時間設定や誕生日が違うためソフトの貸し借りや中古市場へ流出する可能性が低いと見ている」と分析した[2]

舞台はタイトルの「ZERO」が示す通り、従来作よりも遥か古代のジパングとなっており、物語として直接的な関連性はほとんどない。ストーリーは日本神話をモデルとしたものとなっている。また、天外魔境シリーズでは唯一、声優が設定されていない。

本作のロムカセットの容量は40Mbitだが、上述の特殊チップによる容量圧縮により、データ量としては72Mbit程のファイルサイズに相当することから、広告などでは「72Mbit相当」と記載され、大々的な宣伝がなされた。
テレビ番組との連動

本作はPLGSを活用して、関東ローカルで放送されたフジテレビ系の深夜番組『冒冒グラフ』との連動企画が行われた。

番組内のエンディングにおいて今田耕司が発する意味不明の一言がヒントとなっており、放映日にゲーム中で発言内容に従った行動を行うと隠しイベントなどを見ることができた。

今田が隠れキャラクターとしてゲーム中に登場するのも、この連動のためである。
システム
巻物
一般のRPGでいう呪文魔法に該当するもの。単体巻物と合体巻物の2種類がある。単体巻物は従来の呪文や魔法と同じように使用するが、合体巻物は「風」「水」「雷」「火」の4種類の巻物がそれぞれ2巻で1セットとなっており、それらを「風風」「風水」「水風」などのように組み合わせる事によって攻撃を行なう。入手方法は各国の仙人から譲り受けるものと、仲間がパーティに加わる時点で持参するものがある。
奥義
各キャラクター固有の技。体力(HP)を消費するものと技(MP)を消費するものがある。習得方法はキャラクターによって異なる。基本的に、ヒガンは仙人と勝負をし、その勝負に勝利すると、スバルは各国に一つずつある宝箱を開けることによって、テンジン(みずき)はレベルアップをすることによって、それぞれ習得する。ただし、最初から各キャラクターが習得しているもの、ヒガンの奥義である「竜神斬り」のようにシラヌイから習得するもの、スバルの奥義である「極楽チョウ」のように火熊国の火熊神社の卵屋のイベントよって習得するものなど、上記に該当しないものも少なくない。また、ヒガンは剣術、スバルは召喚マもの、テンジンは術、みずきは地獄技というように、各キャラクターが習得する奥義には、各キャラクターが装備している武器や各キャラクターの生い立ちに由来している。
卵屋
卵を買ってリアルタイムにペットを飼育することが出来る。購入した卵によって孵るペットも異なり、定期的に餌を与えないと死んでしまう。最長飼育記録がベストスリーまで記録される。
出会い茶屋
各国の出会い茶屋にいる女性と話し、彼女らの頼みを聞いたり、土産や家を買ってあげたりする事で関係を発展させ、レアアイテムを手に入れる事ができる。
ふたたび
ゲームを一度クリアすると、クリアした時点でのステータスのまま物語を開始する事ができる。
戦闘
味方が全員「戦闘不能」か「石化」になるとゲームオーバーとなり、記録したところからのやり直しとなる。「戦闘不能」は戦闘が終われば体力1で復活するが、「石化」は戦闘が終わっても継続するので道具などで回復するしかない。
PLGS

PLGS(Personal Live Game System)とは、ゲームカートリッジ内に時計・カレンダーを内蔵(リアルタイムクロック)し、ゲーム内のイベントが我々の現実世界の時間と密接に関わるというシステムである。以下に挙げるのはその例。

各地の神社で開かれるお祭り(#お祭り参照)

特定の時間・曜日にしか営業していないお店

特定の時間に限りアイテムの値段が割増・割引されるお店

卵を温める時間によって中から生まれるマもの(召喚獣)が変化する。

プレイヤーの誕生日を祝ってくれる[2]

ただし、ゲーム内での朝・夜の時間変化は存在せず、一部イベントを除いて昼間になっている。また、祝日の設定がハッピーマンデー制度が施行される以前のものとなっており、現在の祝日とは異なっている。日付の設定上限も2014年12月31日まで、誕生日の設定上限が1999年12月31日となっているため、プレイ時期や平成12年以降の誕生日のプレイヤーは影響を受ける。

なお、PLGSは後に『大貝獣物語II』、『天外魔境 第四の黙示録』、『サターンボンバーマン』、『桃太郎道中記』にも採用されている。
お祭り

各国の神社では季節によって様々なお祭りが行なわれる。その他、日曜日には縁日が各国の神社(月替わり)で開かれる。ただし、各国の神獣の封印を解かないと祭りは開催されない。

1月:
正月祭り(孔雀国)

2月:節分祭り(火熊国)

3月:ひな祭り(鶴国)

4月:花見(孔雀国)

5月:こどもの日(亀国)

6月:ゲンブ祭り(亀国)

7月:七夕祭り(犬神国)

8月:七夕祭り[3](鶴国)

9月:月見(犬神国)

10月:鶴見祭り(鶴国)

11月:神無月[3]のため祭りはない

12月:三太祭り(火熊国)

ストーリー

太古のジパングは火熊国、孔雀国、鶴国、亀国、犬神国、竜王国の6つの国に分かれており、それぞれの国は神獣によって守られていた。古代の習わしにより、永遠の火の意志によって選ばれた火の勇者が竜王国の王となり、ジパングを代々束ねていた。

永遠の火によって弟王が竜王国の王に選ばれるが、兄の兄王はそれに反発。600年前に火の一族と戦い地獄門に封印されていたニニギによってそそのかされた兄王は弟王を殺害。地獄門の封印を解き、ニニギを復活させてしまう。復活したニニギは地獄の軍団を従えて瞬く間に神獣を封印し、ジパング全土を支配してしまう。

100日後、火影村の少年・ヒガンは永遠の火の意志によって新たな火の勇者として選ばれ、ニニギを倒しジパングを治めるべく旅立つ。
ジパング
火熊国
神獣・火熊が守護する国。ジパングの西南部に位置する。火熊を祭った火熊神社のほか、火の一族の末裔が住まう火立村、火の妖精に縁のある氷山村といのちの森、火眼の出身地である火影村が存在する。火影村に住む炭仙人のほか、妖水仙人、風の仙人、見像仙人の計4人の仙人が住んでいる。
孔雀国
神獣・孔雀が守護する国。ジパングの西方、火熊国と鶴国の間に位置する。孔雀を祭った孔雀神社のほか、孔雀明王が置かれた福福村、商業が盛んな自由市場、雨寺村などが存在する。鶴国とは陸路で面しており、国境には入口村が置かれている。石仏の谷に住まう石仏仙人のほか、カミナリ仙人、妖雷仙人、ゼンラ仙人、平気仙人、水の仙人の計6人の仙人が住んでいる。


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