天地明察
[Wikipedia|▼Menu]

天地明察
著者
冲方丁
発行日2009年11月30日
発行元角川書店
ジャンル時代小説
日本
言語日本語
形態四六判
ページ数480
公式サイト天地明察
www.kadokawa.co.jp
コードISBN 978-4-04-874013-5
ISBN 978-4-04-100318-3文庫判〈上〉)
ISBN 978-4-04-100292-6(文庫判〈下〉)

ウィキポータル 文学

[ ウィキデータ項目を編集 ]

テンプレートを表示

『天地明察』(てんちめいさつ)は、冲方丁による日本時代小説。『野性時代』(角川書店)にて、2009年1月号から7月号まで連載、2009年11月30日角川書店より刊行された。江戸時代前期の囲碁棋士天文暦学者の安井算哲(渋川春海)の生涯を描く。第31回吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞受賞作。第143回直木三十五賞候補作。

2012年に映画化された。
受賞歴

第31回
吉川英治文学新人賞[1]

2010年本屋大賞[1]

第7回北東文芸賞[2]

第4回舟橋聖一文学賞[3]

第4回大学読書人大賞

書誌情報

天地明察(2009年11月30日、
角川書店ISBN 978-4-04-874013-5

天地明察(上)(2012年5月18日、角川文庫ISBN 978-4-04-100318-3

天地明察(下)(2012年5月18日、角川文庫ISBN 978-4-04-100292-6

漫画

槇えびし作画で『月刊アフタヌーン』にて2011年6月号から2015年12月号まで連載された。
書誌情報(漫画)

冲方丁(原作)・槇えびし
(作画) 『天地明察』 講談社アフタヌーンKC〉、全9巻

2011年9月23日発行、ISBN 978-4-06-310778-4

2012年3月23日発行、ISBN 978-4-06-387814-1

2012年8月23日発行、ISBN 978-4-06-387836-3

2013年3月22日発行、ISBN 978-4-06-387874-5

2013年9月20日発行、ISBN 978-4-06-387920-9

2014年3月20日発行、ISBN 978-4-06-387966-7

2014年10月23日発行、ISBN 978-4-06-388002-1

2015年5月22日発行、ISBN 978-4-06-388057-1

2015年12月22日発行、ISBN 978-4-06-388105-9

映画

天地明察
Tenchi: The Samurai Astronomer
監督
滝田洋二郎
脚本加藤正人
滝田洋二郎
原作冲方丁
出演者岡田准一
宮崎あおい
佐藤隆太
市川猿之助
横山裕
笹野高史
岸部一徳
渡辺大
白井晃
市川染五郎
中井貴一
松本幸四郎
音楽久石譲
撮影浜田毅
編集上野聡一
製作会社『天地明察』製作委員会
配給角川映画/松竹
公開 2012年9月15日
上映時間141分
製作国 日本
言語日本語
興行収入9億1000万円[4]
テンプレートを表示

監督は滝田洋二郎で、2012年9月15日公開。主演はV6岡田准一。岡田は以前ラジオ番組で冲方と対談したことがあり、そのときに原作を読んでいた。

映画の内容は、山崎闇斎が、改暦作業に渋川春海の後見として積極的な役割を果たし、反対派の襲撃を受けて死亡するなど、原作・史実と異なる点があり、このことはエンディングロールのあとで断られている。

吉岡里帆は当時京都市在住の一般の高校生だったが、本作にエキストラで参加したことをきっかけに女優の道を進むこととなった[5]
映画版あらすじ

まだコペルニクス地動説が知られていなかった時代の日本に、天体の運行を観察し日本独自の正しい暦を作り出そうと試みた一人の男がいた。

時は江戸。4代将軍徳川家綱の治世。一介の棋士(囲碁)ながら会津藩主にして将軍後見役保科正之に目を掛けられる安井算哲(後の渋川春海)は天文・数学にも深い興味を示す好奇心旺盛な男。上覧碁(将軍の前で碁を打つ)を翌日に控えた算哲は会津江戸藩邸の屋根に登り星を眺めていた。親しい会津藩士安藤有益から金王八幡宮に新たな和算の設問が奉納されたと聞いた算哲は居ても立ってもいられず、翌日早朝に参詣する。そこで早速問題に取りかかろうとするのを掃除をしていたえんという若い女性に見咎められる。登城の刻限が迫り、算哲は急いで神社を飛び出すが大事な棋譜を忘れてしまう。算哲が慌てて取りに戻ると棋譜に気づいたえんが持っていた。ふと設問の書かれた絵馬に目をやると算哲が解こうとした設問には全て答えが記され、新たな設問が奉納されていた。このとき算哲は、えんの目の前で一瞥しただけで解いた人物、関孝和の事を知る。

遅刻して登城した算哲は対戦相手となる旧知の本因坊道策から真剣碁を持ちかけられる。かねてから将軍に碁の本当の面白さを伝えたいと考えていた二人はそれぞれの師からあらかじめ指示されていた打ち筋を外れ、算哲は初手天元(碁盤の中央)という奇手を打つ。このことで立ち会いの幕臣たちは色めき立つが家綱は面白いと承知。道策と算哲の真剣な対局に家綱は身を乗り出して観戦していたが蝕(日蝕。古来凶兆の前触れとして忌まれた)が発生したとの報告が入り、城中の儀式は全て取りやめとなり、算哲と道策の勝負も水入りとなってしまう。それぞれの師にこっぴどく叱られる二人だったが、算哲は正之に呼び出される。正之は初手天元の真意を尋ねた後、「半月後から日本各地で北極星の位置を確認せよ」(北極出地)という命令を与える。その遂行に当たって刀を下賜される。つまりは武士として職務に当たれという命令であり、これは幕府の正式な事業であった。

関孝和に会いたいと考えた算哲は手がかりとなる村瀬塾という和算塾を訪ねるが、そこでえんと思いがけぬ再会を果たす。塾長・村瀬義益の妹だというえん。義益が関の書いた本を見せると算哲は食事も忘れて夢中になる。算哲は関に挑戦するため関の難問を解いた上、自身の設問を掲げる。算哲は関から解答があったら預かって欲しいとえんに頼む。算哲とえんは互いにほのかな恋心を抱くのだった。一方、道策は師の制裁で公開の場での対局を禁じられていた。算哲が公務を果たした暁には封じ手とした上覧碁の続きを対局することを約束する。

北極出地の一行は雪の舞い散る中、江戸を出立する。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:52 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef