天国の恋
ジャンルテレビドラマ
原作中島丈博
企画横田誠(東海テレビ)
脚本中島丈博
演出皆川智之
『天国の恋』(てんごくのこい)は、東海テレビ制作によるフジテレビ系列の昼の帯ドラマ枠にて、2013年10月28日から12月27日まで毎週月曜 - 金曜13:30 - 14:00(JST)に放送された日本のテレビドラマ。全45回。 脚本は中島丈博が「エロスと死」をテーマに書き下ろし。「自由に魂をきらめかせて生きたいというアラフォー女性の憧れの姿を描きたかった」とのこと[2]。神保悟志、毬谷友子、石田純一、松田賢二の4名は先に役者を決め、その役者をイメージしながら台本を書く「当て書き」をしている。キャスティングは『赤い糸の女』(2012年放送)から石田純一と毬谷友子、『牡丹と薔薇』(2004年放送)から神保悟志、大河内奈々子、川上麻衣子、北原佐和子、『新・愛の嵐』(2002年放送)の石原良純、『偽りの花園』(2006年放送)から松田賢二と山口いづみ、『麗わしき鬼』(2007年放送)『明日の光をつかめ』(2011年ほか3回放送)から山下容莉枝、『さくら心中』(2011年放送)から小野真弓、『はるちゃん』(1996年ほか6回放送)から中原果南など、過去の話題作に出演していた人物が揃っている。これはこの作品を2014年で50周年を迎える東海テレビ昼ドラの集大成にしたいと考えた東海テレビの服部宣之プロデューサーがキャスティングしたものである[3]。 しかし、中島丈博は、『天国の恋』と同時進行でCSでの『牡丹と薔薇』の再放送を見ているが、比較すると『牡丹と薔薇』の方が丁寧に作られている。この10年でドラマの制作環境が大幅に変わり、最近は演技者を大切にしてないのではないか。目先の能率主義に囚われずに丁寧に見応えのあるものを作って欲しい、と苦言を呈している。[4] 埴生斎役の床嶋佳子はオムニバスの『天使の代理人』を除けばこの枠での初主演となる。オープニング動画は海老原邦英役の石田純一が監督した。床嶋佳子の相手役はジャニーズ事務所所属の内博貴と高田翔。ジャニーズ事務所所属のタレントのこの枠への出演は1997年放送の『砂の城』に出演した佐藤アツヒロ以来16年ぶりとなる[5]。 物語は時系列ごとに進行せず、現代の物語中に過去の日記を読んだり、過去を振り返るシーンが出てくる際に過去の物語が描かれる。 毎日放送後に東海テレビ昼ドラ公式Twitterにて当日の名台詞を募集し、翌日の放送内にデータ放送にて発表され、1週ごとに公式サイトに掲載される。なお、第1話の「俺とラブしてくれませんか?」は当日のTwitterのトレンドにあがった。 オープニング動画及び公式サイトは第1話から第21話まではタイトルが水色で書かれ、サイトも水色を基調としたデザインであったが、第22話からはオープニング動画及び公式サイトのタイトル文字とデザインは黄色に変更された。 キャッチコピーは、「溺れる。」 古本屋を経営する埴生郷治と妻・斎は14歳の娘・美亜がいるものの冷え切った仮面夫婦だった。斎はある日、官能小説を万引きしようとした青年志田元春を捕まえ損ね、元春の股間を触ってしまう。後日、元春の免許証を返しに行った際、元春に口説かれ忘れていた自らの「女」の部分が蘇り、元春と関係を持つ。実家に戻った斎は葬儀の司会業に就き、実母・浅妻徳美の家で暮らしている元春と交際を続けた。高校の同級生・美波フォーブスから、斎の初恋の男性・国友聡が死去していたことと、葬儀社の社長・薦田時夫の長男・薦田潮が聡と瓜二つだと聞かされた矢先、潮と斎は出会い惹かれあい、斎の中の「女」という感情は更に高鳴る。潮は斎の異母妹・梢の恋人であったが二人は恋に落ちてゆく。二人の若い男と交際する斎だが、離婚が成立し美亜の母親としての自覚と葛藤から、潮との縁談を断り、梢と結婚するよう約束する。元春は潮と梢の披露宴会場に乱入、ウェディングケーキのナイフが胸に刺さり死亡してしまう。斎はかつて心から愛した養父母、弟、初恋の男性がみな不慮の死を遂げていた過去のトラウマを思い出す。 元春の葬儀から2年後、斎は異母兄・瑞彦の診療所を手伝いながら診療所の2階で美亜と暮らし、エンバーミングの資格取得をしていた。斎と潮は会うこともなく、潮は新婚旅行先で梢に夫婦関係は結ばないと宣言。梢は夫婦のセックスレスを朔子に相談、潮に家をめちゃくちゃにすると宣言。診療所の患者が急死し、斎は初めてエンバーミングを手がける。日菜子は斎一家と過ごすことが増えた瑞彦を斎と近親相姦関係にあると疑い、嫉妬する。梢は潮に睡眠薬を飲ませ、遺骨ペンダントのチェーンを切りつけるが、途端に火花が散り意識を失った梢は入院。同時刻に斎のペンダントもチェーンが切れていた。梢は舅・時夫と肉体関係を持ち密会を続ける。瑞彦のはからいで潮と斎は2年ぶりに再会、魂の愛を誓い合う。梢は時夫の子を妊娠。海老原家が梢の妊娠騒動で大騒ぎとなり、範子が時夫と梢から暴力を振るわれる最中、潮と斎は鏡の中から突風が吹き、ペアのペンダントをかざすと風が止み、互いの顔が見えるという超常現象を体験していた。二人は逢引きがいつでもできると喜ぶ。梢と時夫の暴力に耐えかねた範子は多鶴子と朔子を巻き込み、斎を殺害する計画を…。火葬寸前に潮が斎を救うが、範子が雇った男ともみあいになり脳挫傷を起こした徳美は手術の甲斐なく死亡。範子は逮捕。斎は徳美の葬儀の前に徳美・斎・潮の持つ友也の遺骨が割れていることに気づく、もうペンダントに鏡を通じた密会を起す力はなかった。斎と潮は自らの崇高愛を責める日々が続き、二人は別れる。
概要
あらすじ
キャスト
埴生家
埴生 斎(はにゅう いつき)→海老原 斎(えびはら いつき)〈41→43〉
演 - 床嶋佳子(高校時代:小宮有紗)主人公。邦英と徳美の不倫の末生まれた娘。郷治の妻、美亜の母。弟の友也と共に長沢家に養子に出されるが、長沢夫妻の死後は実父が居る海老原家に引き取られ育つ。久しぶりに異母妹・朔子らと会い、生き生きと暮らす彼らに影響を受け家を出ることを決意するが、美亜から同行を断られる。電話で元春を呼び出し関係を持ったことにより自信をつけ、14年ぶりに日吉にある海老原家に戻る。徳美が美亜を連れ去り口論となった際に、初めて徳美を「お母さん」と呼ぶ。自立のためコモタセレモニーで葬儀専門司会者として勤務。仕事の後、元春に抱かれる日々が続く最中、初恋の男・聡に瓜二つの潮と出会い、恋に落ちてゆく。離婚届を美亜から受け取り提出、海老原姓を名乗る。元春の死後、美亜を引き取り瑞彦が経営する診療所を手伝いながらエンバーミングの資格を取得し、初仕事が順調に終了。遺骨ペンダントのチェーンの同じ位置が潮のものと同時刻に切れたこと、潮夫妻に夫婦関係がないことを知り驚く。2年ぶりに潮と再会。範子の復讐のターゲットとなり生きながら火葬される寸前に潮により救われた。邦英に潮との崇高愛を叱責され、徳美の死に責任を感じ己を責める日々が続く。友也の遺骨ペンダントと徳美が持っていた遺骨を徳美の骨壷に入れ、納骨する。
埴生 郷治(はにゅう ごうじ)
演 - ダンカン斎の夫。早稲田にある古書店の范乎堂店主。斎と出会った大学生の頃のような知的さや演劇熱はみじんも残らぬ万引き犯を捕まえるだけが生きがいの男。離婚したがる斎に娘の美亜を渡す気はない。盗み読みをした斎の日記に記された聡の存在を嫉妬している。