この項目では、鉄道路線について説明しています。
大阪市の主要地方道の「大阪環状線」については「大阪市道大阪環状線」をご覧ください。
テレビドラマの「大阪環状線」については「大阪環状線 ひと駅ごとの愛物語」をご覧ください。
「大阪環状線」を通称に持つ高速道路については「阪神高速1号環状線」をご覧ください。
「城東線」はこの項目へ転送されています。
城東貨物線については「おおさか東線」をご覧ください。
中央西線の計画ルート案については「瀬戸線」をご覧ください。
大阪環状線
大阪環状線を走行する323系電車
(2019年7月23日 大阪城公園駅)
基本情報
国 日本
所在地大阪府
種類普通鉄道(在来線・幹線)
起点天王寺駅[1][2][† 1]
終点新今宮駅[1][2][† 2]
駅数19駅
電報略号シトセ(城東線時代)[3]
ニナセ(西成線時代)[4]
路線記号
開業1895年5月28日(城東線)
1898年4月5日(西成線)
全通1961年4月25日
所有者西日本旅客鉄道
運営者西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)
路線構造環状線
車両基地吹田総合車両所森ノ宮支所
使用車両使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離20.7 km(新今宮駅 - 天王寺駅間1.0 kmは含まない)
軌間1,067 mm(狭軌)
線路数複線
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-P(全線P[5])
最高速度100 km/h[6]
路線図
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大阪環状線(おおさかかんじょうせん、英: Osaka Loop Line)は、大阪府大阪市内の天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅 - 西九条駅 - 新今宮駅間を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(幹線)である。
「大阪環状線」の呼称が指す区間は典拠や目的により、次のように使い分けられている。
国鉄分割民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、国土交通省監修の『鉄道要覧』および、JR西日本が発行している『データで見るJR西日本』[2]では、大阪環状線は天王寺駅 - 新今宮駅間20.7 kmの路線で、新今宮駅 - 天王寺駅間1.0 kmは関西本線であり、今宮駅 - 新今宮駅間1.2 kmは関西本線との重複区間となっている。
『JR 線路名称公告』では、大阪環状線は大阪駅を起点・終点とする21.7 kmの路線であり、今宮駅 - 天王寺駅間2.2 kmは関西本線との重複区間となっている。
運行管理や旅客案内、『JR時刻表』、『JTB時刻表』(2023年3月号)での大阪環状線は、天王寺駅 - 大阪駅 - 天王寺駅となっている。
JRが旅客営業規則第78条第1項第1号に規定され、同第86条第5号の図中の太線区間で示される電車特定区間の「大阪環状線内」は、大阪環状線(大阪駅 - 天王寺駅 - 大阪駅)のほか、桜島線(JRゆめ咲線)全線と関西本線(大和路線)天王寺駅 - JR難波駅間が含まれる。この区間内を相互発着する場合は運賃計算などに関する特例が適用される。
以下、特記がない限りは 1. (運行系統としては3.)に従って記述する。なお、大阪をはじめとする近畿圏においては、当路線を単に「環状線」と呼称する場合も多く、本項でも一部でそのように表記している。 大阪環状線は、大阪市の都心部外周を環状運転している環状線であり、JR西日本のアーバンネットワークの中心路線として機能している。ラインカラーは赤(■)で、大阪のダイナミズムをイメージしている。駅ナンバリングで使われる路線記号はO[7]。当路線で運行された101系・103系・201系電車の車体色はオレンジバーミリオン(■ 朱色1号)で、現用車両の323系電車でもドア横のアクセントカラーや黒とともに帯色で使用されている。ラインカラーを用いた駅名標 多くの駅で各方面へのJR・私鉄各線および都心部を走る大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) の地下鉄各路線と連絡している。また、大阪環状線では線内で環状運転や区間運転を行なっている普通列車以外に、大和路線(関西本線)と阪和線、JRゆめ咲線(桜島線)、JR京都線(東海道本線)といったJR他路線と直通運転している普通列車や快速列車、及び特急列車が走行する。 大阪環状線は、南側の関西本線の一部区間、関西本線と東海道本線を連絡する東側の城東線、安治川の右岸を走る北西側の西成線の一部区間、南西側の関西本線貨物支線の一部区間を、第二次世界大戦後の高度経済成長期に西側の未成区間に新線を造って接続したものである。発足時の大阪市域のほぼ全域を取り囲んでおり、大阪環状線の内側を横断・縦断する地上路線は存在しないものの、地上区間により大阪環状線の内側に入り込む路線は9路線(天王寺駅阪和線ホームを含めると10路線)ある。地下路線ではOsaka Metro(旧大阪市営地下鉄)線が従来から大阪環状線の内側を横断・縦断しているが、地下鉄以外でもJR・私鉄ともに地下区間により横断・縦断路線を建設する計画が何度か立てられ、2009年までにJRではJR東西線、私鉄では阪神なんば線・近鉄奈良線(難波線・大阪線)の西九条駅 - 鶴橋駅間[† 3]の2つの横断路線が実現しているほか、2031年度には縦断路線のなにわ筋線(JR西日本、南海電鉄)が開通する予定となっている。 堂島・中之島・船場(本町など)・島之内(心斎橋など)といった都心部(旧来の中心市街)およびミナミの玄関口である難波が大阪環状線の内側に位置するため、前述の通り元私鉄を含む多数の路線が大阪環状線の内側に入り込んでいる。加えて新幹線接続駅がないため[† 4]、新大阪駅 - 梅田駅(大阪駅直下) - 難波駅 - 天王寺駅間を直線的に通るOsaka Metro御堂筋線が市内交通の大動脈として都心部への移動の主力を担い、大阪環状線や他のOsaka Metro各線および大阪シティバスがそれを補完する形になっている。これらは他路線との直通列車が存在することとともに、同じく環状運転を行なっている東京の山手線と大きく異なる点である。 南側と東側は特に都心部から離れて敷設されたため、南海、京阪、近鉄(かつての大軌)がそれぞれ大阪環状線の内側に難波駅、天満橋駅、大阪上本町駅を構えた一方、比較的都心部に近接して敷設された北側では阪神、阪急とも大阪駅付近に大阪梅田駅 (阪神)、大阪梅田駅 (阪急)を構え、南側でも後発の近鉄(かつての大鉄)が天王寺駅付近に大阪阿部野橋駅を構えた経緯から、梅田、天王寺・阿倍野の副都心が形成された。大阪駅一帯の梅田は大規模な再開発の進展によって旧来の中心市街の相対的な地位を低下させるまでに発展している。また、河川が集中して土地の制約が大きかった京橋駅の周辺も大阪ビジネスパーク(OBP)と一体となった副都心が形成されている。 また、東側の大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅間では、全列車が各駅に停車するのに対し、西側の大阪駅 - 西九条駅 - 天王寺駅間では、特急や快速は大阪環状線内で通過運転を行っているため、日中時間帯では特急・快速が全て停車する駅に1時間に15本が停車する一方で、特急や快速が通過する野田駅、芦原橋駅と今宮駅は1時間に4本しか停車する列車がない。これも日中は各駅とも1時間12本以上が停車する山手線と異なる点である。 路線の大半は高架であるが、天王寺駅付近と大阪城公園駅付近だけは地平を走っている。故にこの2駅だけは地上駅となっている。ただし、天王寺駅は掘割式の地下駅に分類される場合もある。また内回り線の新今宮駅 - 天王寺駅間には大阪環状線で最後まで[† 5]残った踏切である一ツ家踏切があった。 大阪都心部を走る路線でありながら、他の私鉄・地下鉄線と直接競合していないこともあり、2013年に「大阪環状線改造プロジェクト」が開始されるまでは環状運転の大半の普通列車が国鉄時代の車両で占められ、新車導入や駅の美装化といった設備投資が、私鉄と競合し看板列車の新快速が運転されているJR神戸線やJR京都線などの主要路線と比べるとかなり遅れた。 JR線で唯一、全列車が掲載されている紙の時刻表が存在しない路線である(他路線に直通する列車の時刻はすべて掲載されている)。ただし、八峰出版がかつて発行していた『KATT 関西圏JR線私鉄線時刻表』では大阪環状線が特集として、また『携帯全国時刻表』特別付録として2017年4月号に別冊付録として大阪環状線の快速も含む全列車の時刻が掲載された。なお、『携帯全国時刻表』2018年4月号にも別冊付録で大阪環状線全列車時刻表(こちらは特急列車も含む)が掲載された。 全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「大阪近郊区間」、電車特定区間、およびIC乗車カード「ICOCA」エリアに含まれており、JR西日本近畿統括本部の管轄である。 なお、平均駅間距離は1.15 km(新今宮駅 - 天王寺駅間を含む場合は約1.14 km)で、JR西日本管内の路線では最も短い[† 6]。
概要
路線データ
管轄・路線距離(営業キロ):全長 20.7 km
西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者):
天王寺駅 - 大阪駅 - 新今宮駅間 20.7 km
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者):
福島駅 - 西九条駅間 (2.6 km)
軌間:1067 mm
駅数:19(起終点駅を含む)
大阪環状線所属駅に限定した場合、上記の駅数から東海道本線所属の大阪駅、関西本線所属の今宮駅・天王寺駅[8]の3駅が除外され、16駅となる。なお、新今宮駅は大阪環状線所属[8]と扱われる。
複線区間:
3線:福島駅 - 西九条駅間
複線:大阪駅 - 福島駅間、西九条駅 - 今宮駅間、天王寺駅 - 鶴橋駅 - 大阪駅間[† 7]
電化区間:全線電化(直流1500V)
閉塞方式:自動閉塞式
保安装置:ATS-P(全線P)[5]
運転指令所:大阪総合指令所