株式会社大阪港トランスポートシステム
Osaka Port Transport System Co., Ltd.
株式会社大阪港トランスポートシステム(おおさかこうトランスポートシステム、英: Osaka Port Transport System Co., Ltd.)は、大阪府大阪市内で鉄道事業とトラックターミナルその他流通施設管理などを行っている第三セクター会社。大阪市などが出資している。略称はOTS。本社は大阪府大阪市住之江区南港東四丁目10番108号、大阪南港トラックターミナル管理棟2階。 本来の事業として、長距離を走る大型路線トラックと市内を走る小型集配車を中継する機能を持つトラックターミナルや流通倉庫などの運営を行っている。これらの拠点はすべて大阪市住之江区にある。 鉄道事業として、Osaka Metro中央線の大阪港駅からコスモスクエア駅まで、およびOsaka Metro南港ポートタウン線のコスモスクエア駅からトレードセンター前駅までの区間における線路を保有している。2005年6月30日までは大阪港 - コスモスクエア - 中ふ頭間を大阪港トランスポートシステムが「南港・港区連絡線」として直接運営していた(詳細は路線の節を参照)。 大阪南港の埋立地に、新たな集客施設として大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC。現在の大阪府咲洲庁舎)やアジア太平洋トレードセンター(ATC)といったタワー型ビルや商業施設が開設されたが、鉄道による交通アクセスが大阪市交通局南港ポートタウン線(現在のOsaka Metro南港ポートタウン線。愛称ニュートラム)しかないという欠点があった。梅田や難波など市内中心部からは、大阪市営地下鉄四つ橋線(現在のOsaka Metro四つ橋線)を経由し住之江公園駅乗り換えでニュートラムを利用するしかなく遠回りで時間がかかるという不便さが災いし、バブル崩壊による不況も重なって企業誘致が思うように進まず空き地だらけなうえに、一度は南港に移転した企業の中には再び都心部へ戻ってしまった企業もあるという悪循環であった。その不便さを解消するために計画されたのが、大阪港駅と中ふ頭駅を結ぶ鉄道路線であった。 ただ、路線が計画された当時は、当区間の建設が公共輸送とは認められず[注釈 1]、「利益誘導」と見做されたため、公共交通の事業者(ここでは大阪市)の路線としては不適格との見解から、大阪市営地下鉄中央線(現在のOsaka Metro中央線)の延伸線としては国から建設費の補助を受けられなかった。そのため、建設費軽減を目的に、第三セクターである大阪港トランスポートシステムに白羽の矢を立て、同社が鉄道路線を建設し、かつ中央線とは「別会社、別路線」扱いにして運営も委ねることで、当区間の建設に漕ぎ付けた。 当初は大阪港 - 中ふ頭の全区間をニュートラムで結ぶ計画(南港テクノポート線)であったが、コスモスクエア駅周辺でのライブホール(Zepp Osaka。1998年開設、2012年閉鎖)の観客輸送など開業後の輸送需要を勘案し、最終的に中ふ頭 - コスモスクエア間はニュートラム(ニュートラムテクノポート線)、コスモスクエア - 大阪港間は中央線と同様の第三軌条方式(テクノポート線)に変更された。
沿革
1974年(昭和49年)7月10日 - 株式会社大阪南港複合ターミナルとして設立。
1976年(昭和51年)10月4日 - 大阪南港トラックターミナル開業。
1989年(平成元年)8月 - 大阪港トランスポートシステムに商号変更。
1997年(平成9年)
10月17日 - 管理を受託した大阪港咲洲トンネルが開通。
12月18日 - テクノポート線とニュートラムテクノポート線の営業を開始[5]。
2005年(平成17年)7月1日 - 大阪市交通局へテクノポート線の運営を移管、ニュートラムテクノポート線の施設・車両を譲渡。大阪港トランスポートシステムは第三種鉄道事業者となる(詳細は路線の節にて後述)。
2009年(平成21年)
2月16日 - 大阪港咲洲トンネルの回数券約1万1千枚、2億2800万円相当の紛失を公表(詳細は不祥事の節で後述)。
5月31日 - 大阪港咲洲トンネルの指定管理者としての管理運営終了。6月1日から阪神高速道路が同トンネルの指定管理者となる[6]。
トラックターミナル・流通施設管理事業
トラックターミナル
大阪南港トラックターミナル
駐車場・車両整備設備
大阪区域トラックセンター
大阪南港海上コンテナシャーシプール
流通倉庫
大阪港化学品センター
大阪南港R物流センター
南港航空貨物ターミナル
鉄道事業
路線テクノポート線・ニュートラムテクノポート線を強調したOTS仕様の路線図。大阪市交通局の路線に転じた際、ロゴと路線名がテープで覆われた(2005年7月8日にコスモスクエア駅にて撮影、現存せず)。
現有区間(ともに大阪港トランスポートシステムが第三種鉄道事業者、大阪市高速電気軌道が第二種鉄道事業者)