「上本町駅」はこの項目へ転送されています。富山地方鉄道富山市内軌道線の停留場については「上本町停留場」を、かつて存在した西鉄北九州線の停留場については「西鉄北九州線#電停一覧」をご覧ください。
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大阪上本町駅*
近鉄百貨店上本町店(2012年5月)
おおさか うえほんまち
Osaka-Uehommachi
(近鉄百貨店前)
大阪上本町駅(おおさかうえほんまちえき)は、大阪府大阪市天王寺区上本町六丁目にある近畿日本鉄道(近鉄)の駅である。
上町台地の頂に達する位置であり、上町の中心の意から「上本町」と呼ばれるようになった。駅長配置駅である。第3回近畿の駅百選に選定されている。 近鉄の直系母体である大阪電気軌道(大軌)開業時からのターミナル駅で、元々は現在の近鉄奈良線の起点であった。天王寺区上本町六丁目に所在し、(市電→市バス→)大阪シティバスの停留場名が「上本町六丁目」であることから「上六」とも呼ばれる。7面6線の地上ホーム(大阪線)と2面2線の地下ホーム(奈良線・難波線)で構成される。7面6線の地上ホームは頭端式ホームとしては阪急電鉄の大阪梅田駅、南海電鉄の難波駅に次ぐ全国3位の規模を誇る(単一路線では全国1位)。また、近鉄の大阪側の主要駅では大阪阿部野橋駅、鶴橋駅、大阪難波駅に次ぐ4番目の利用者数となる[1]。 1970年の難波線(当駅地下ホーム)開業によって、ミナミの繁華街に位置する大阪難波駅(2009年以前は近鉄難波駅)まで路線が延伸された。難波線の開業により、特急を含めた全ての奈良線の列車と名阪特急などの大半の大阪線の特急列車は大阪難波駅を発着するようになり、当駅の地下ホームは実質的に途中駅扱いとなった。そのため、奈良線・大阪線の全ての列車が当駅を始発としていた難波線開業以前と比較すると、上本町駅のターミナル駅としての役割は大きく低下している。一方、全ての大阪線一般列車と伊勢志摩方面に向かう一部の阪伊特急は依然として当駅地上の頭端式ホームを発着し、今でもターミナル駅としての機能を一部維持している。歴史的経緯から当駅は近畿日本鉄道(近鉄)及び近鉄グループホールディングスの登記上本店となっており、駅周辺は両社の本社や、近鉄グループの商業施設・ホテルなどが集積している。 大阪線・難波線ともに当駅が起点である。線路名称上は、大阪上本町駅 - 布施駅間は大阪線に属しており、奈良線は布施駅が起点であるが、実際の運行上は大阪線複々線区間を経由して当駅の地下ホーム(難波線・奈良線ホーム)に乗り入れる。地下ホームを発着する全ての列車は難波線に直通して大阪難波駅まで至る(一部の一般列車は大阪難波駅から阪神なんば線に直通)。また、地下ホームは名阪特急など大阪難波駅を起点とする大阪線特急列車も発着する。 地下通路により、以下の路線と接続されている。 大阪線の列車が発着する行き止まりの頭端式7面6線の地上ホーム(1階)と、奈良線(難波線)の列車と一部の大阪線特急列車が発着する相対式2面2線の地下ホーム(地下3階)に分かれている。地下ホームを起点・終点とする列車は存在せず、実質的には中間駅となっている。地上ホームと地下ホームは改札内で階段を通じて結ばれている。頭端式ホームとしては阪急電鉄の大阪梅田駅、南海電気鉄道の難波駅に次ぐ全国3位の規模を誇る。ただし単一路線では日本一の規模である。改札口は地上に1箇所、地下に3箇所ある(うち1箇所は近鉄百貨店上本町店の地下2階と直結している)。有効長は全ホーム10両。 A 難波線・奈良線(地下ホーム) 種別ごとの主な乗り場表乗り場特急快速急行急行準急 区間準急各駅停車 地上ホームの並びは北から、2024年のダイヤ変更までは3番線降車ホーム(片面のみ)、3・4番のりば、4・5番線降車ホーム、5・6番のりば、6・7番線降車ホーム、7・8番のりば、9番のりば(片面のみ)の順。近鉄の他の頭端式ターミナル駅(大阪阿部野橋駅・京都駅・近鉄名古屋駅など)と異なり、種別毎のホーム区別はなされていない(近鉄奈良駅も類似の状況)[3]。以前は地上ホームから発着する名古屋行き特急が平日朝の1本(土休日は大阪難波始発)のみあったが、2016年3月19日ダイヤ変更時に大阪難波発に変更され消滅した[注 1]ほか、地上ホームから発車する特急は8時と9時に当駅発の賢島行き特急以外は朝の7時から夕方の19時にかけて毎時1本当駅発の阪伊特急が設定されていたが、現在、地上ホームから発車する特急は7時と8時に宇治山田行き特急と8時?9時とに当駅発の賢島行き特急、17時から19時台に毎時1本当駅発の阪伊特急が設定されている。[注 2] なお、8番のりばと9番のりばは同じ線路を共有しており、特急とそれ以外の種別で使用ホームを分けている(特急到着時は8番のりばを降車、9番のりばを乗車用として使う。それ以外の種別到着時はこの逆)。 9番のりばは、2019年1月現在近鉄で最大のホーム番号である(2015年3月31日までは、近鉄四日市駅の10番のりばが近鉄で最大のホーム番号だった[注 3])。 2024年のダイヤ改正施行後は後述の大阪・関西万博開催によるバスターミナル整備による改修のため、3番線は廃止されたことで欠番となり、地上大阪ホームは4?9番線での運用となった。 地上ホームは「近鉄百貨店の建物内」の扱いになっているので、特急車両の喫煙ルーム(2024年3月1日廃止)は地下・地上問わず使用できなかった。 近鉄 大阪上本町駅 - 布施駅間 構内配線略図 ← 開業時の駅は現在よりも北にあった[6]。駅前には大阪市電が走り、上本町六丁目電停から九条高津線で大阪ミナミの繁華街へ、上本町線で四天王寺、さらには大手前上本町線・谷町寝屋川線経由で大坂城や大阪府庁へと、大阪市街の東玄関として抜群の立地を誇っていた。 1926(大正15)年、駅前の道路拡張に伴い上本町駅は南側に移転する。この時に武田五一・片岡安の設計による日本初の駅ビル[7]が建設され、大阪市内の一大ランドマークとなった。当初は食堂や貸店舗・本社事務所などが入居していたが、1931(昭和6)年には増改築の上、ここに大軌百貨店をオープンさせた。これはのちに近鉄百貨店上本町店となり、現在まで営業を続けている。駅ビルは戦後、難波線建設に伴う駅改装工事により建て替えられた。 難波線開業に伴い上本町駅の地位は相対的に低下、2004年には近鉄劇場が閉鎖している。その後近鉄は、難波にあった新歌舞伎座を近鉄劇場跡に誘致し、2010年8月に新歌舞伎座・商業施設とオフィスからなる複合ビル「上本町YUFURA(ユフラ)」を建設してテコ入れを図っている[8]。 ※ 歴代上本町駅の鉄道配線略図の変遷(注意・巨大画像 図幅600px、7画像)を表示するには、右の [表示] をクリックされたい。 第1期 1926年(大正15年)9月以前の大阪電気軌道上本町駅の配線 → 第2期 1926年(大正15年)9月移転時の大阪電気軌道上本町駅の配線 → 第3期 1930年(昭和5年)10月時点の大阪電気軌道上本町駅の配線 →
概要
利用可能な鉄道路線
近畿日本鉄道
大阪線:地上ホーム。駅番号はD03。
難波線(奈良線):地下ホーム。駅番号はA03。
当駅からの接続路線
大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)- 谷町九丁目駅
谷町線
千日前線
駅構造
のりば
のりば方向行き先備考
1下り近鉄奈良・近鉄名古屋・賢島方面[2]大阪難波発の特急を含む
2上り大阪難波・神戸三宮方面[2]
D 大阪線(地上ホーム)
のりば方向行き先備考
4 - 9下り河内国分・五十鈴川・鳥羽方面[2]当駅始発
3番乗り場は欠番、特急は主に9番のりばから発車
4-夕方以降終日終日
5
6朝・夕主に日中以外
7一部の朝始発平日夕方
8---
9朝、夕--
地上(大阪線)ホーム
地下(奈良線)ホーム
地上改札口
自動化される前の改札も残されている地下西改札口
地上コンコース
地下にある近鉄百貨店との連絡改札口
近鉄本社
配線図
難波線
大阪難波・尼崎・
神戸三宮方面 →
奈良線
生駒・大和西大寺
・奈良方面
↓ 大阪線
大和八木・伊勢中川・
賢島・名古屋方面
凡例
出典:[4]、[5]
画像左より大阪上本町・鶴橋・今里・布施の各駅
■:奈良線、■:大阪線、▲:難波発着の大阪線特急のルート
白線クロスハッチは降車専用ホーム
布施駅の赤実線内(4階)は赤破線内(3階)の直上
鶴橋駅ホーム上を大阪環状線がオーバークロスしているが本図では省略した。
歴史旧大軌ビルディング
構内配線の変遷
奈良方面
凡例
出典:以下を参考に作成。
* 近畿日本鉄道編集、「近畿日本鉄道 50年のあゆみ」、84・85頁、「上本町駅変遷図」、1960年。
※本図は1926年(大正15年)9月の移転前の配線であり、駅開業時の配線とは異なる部分がある。
白線クロスハッチは降車専用プラットホーム、青色は貨物用ホーム。
奈良 方面
凡例
出典:以下を参考に作成。
* 近畿日本鉄道編集、「近畿日本鉄道 50年のあゆみ」、84・85頁、「上本町駅変遷図」、1960年。
※白線クロスハッチは降車専用プラットホーム、青色は貨物用ホーム。
奈良・宇治山田
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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