大阪タワー
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この項目では、大阪府にあった電波塔について説明しています。同名のコールサインを使用する飛行場管制の部門については「大阪国際空港#航空管制」をご覧ください。
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大阪タワー
中央がタワー。
左は旧 ホテルプラザ
右が朝日放送旧本社(2006年6月4日撮影)。
情報
用途電波塔
旧用途展望台、テレビスタジオ
設計者大成建設
施工大成建設
建築主朝日放送株式会社
事業主体大阪タワー株式会社(1999年3月まで)
朝日放送株式会社
構造形式鉄骨造
高さ158メートル
竣工1966年7月1日
開館開所1998年9月展望台閉鎖
2009年解体完了
所在地 日本 大阪市北区大淀南二丁目2番49号
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度42分07.9秒 東経135度29分09.6秒 / 北緯34.702194度 東経135.486000度 / 34.702194; 135.486000 (大阪タワー)座標: 北緯34度42分07.9秒 東経135度29分09.6秒 / 北緯34.702194度 東経135.486000度 / 34.702194; 135.486000 (大阪タワー)
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大阪タワー(おおさかタワー)は、かつて大阪府大阪市北区大淀南にあった、朝日放送(ABC、現・朝日放送グループホールディングス)の電波塔ラジオ高石)、テレビ生駒山)送信所への中継電波を送信していた他、タクシー新聞社などの電波中継地点となっていた。地上102メートルのところに2層の展望台があった。

1967年から1989年まで使用されたABCテレビオープニング映像(通称「未来都市バージョン」)で大阪タワーを中心とした未来都市を描いたイラストが使用されるなど、かつてはABCのシンボル的存在であった。

1968年、当時のABC本社と共に第5回BCS賞を受賞した。
特徴
形状

大阪タワーの形状は、上から見ると正方形鋼管を組み上げた構造で、寺院にある五重塔の構造理論を応用して建設したという。東京タワーのような裾広がりのテレビ塔ではなく、ロケット発射台のような真四角のタワーになったのは、用地難のためである(後述)。

当時開発されたばかりの超張力の特殊鋼材を使用し、基礎杭を天満層まで打ち込んで建設された。また、このタワーと生駒山の山頂にあるABCテレビの送信アンテナとの揺れを同調させるために「ヤジロベエ工法」を採用、風洞実験を重ねて、風速90メートルにも耐える剛性を実現した。なお、タワーの塗装は展望台より下は白、上のアンテナ部分は赤と白に塗られていた。
機能と開業

総工費は4億円、1966年にABCの旧社屋とほぼ同時期に完成。タワーの名称は一般公募(応募総数約3万通)の中から「大阪タワー」に決定。ラジオとテレビの送信、中継アンテナやタクシーの無線用アンテナ、また大阪府の公害汚染濃度測定器なども設置された。

当時のタワーには日産自動車によるネオンサインが高さ80mから34mの位置に据えられ東側に「ブルーバード」、南側に「セドリック」、北側に「サニー1000」の車名を、西側に「大阪タワー」の名称をそれぞれ縦書きで記し1文字につき最大で縦5.5m・横7mのサイズで赤・白・青への変色機能も設けられ完成当時は日本最大のネオンサインとされた[1]。なお、ABC社屋1階には日産大阪ギャラリーがあった。

地上102メートルに位置する展望台は2階建て。全体の高さは大阪のシンボルである通天閣の103メートル、神戸ポートタワーの108メートル、京都タワーの131メートルを抜いて、高層ビルを除いた展望台のあるタワーとしては解体時点で近畿では最も高い地上約158メートル。その高さは日本の展望台のある電波塔としても、東京タワー(333メートル)、福岡タワー(234メートル)、先に開業した名古屋テレビ塔(180メートル)に次ぎ、国内4位(同じく解体時点での記録)の高さを誇った。なお、大阪タワーの解体後、4位の座はさっぽろテレビ塔(147.2メートル)に譲られ、さらに2011年には東京スカイツリー(634メートル)の完成でこれらのタワーの順位は1つずつ繰り下がっている。

エレベーターは名古屋テレビ塔と同様、三菱製、29人乗り手動扉のエレベーター(1基)で270人の観光客を収容できた。タワー開業と同時に、ABCは関連企業として「大阪タワー株式会社」を発足。大阪の新名所として1日に4,000人の来場者が訪れたが、当時問題であった大気汚染の影響で、展望台からの視界が悪くなった事や、隣接用地に同じく関連企業の高層建造物「ホテルプラザ」(ただし、ホテルプラザの建物の高さは88メートルで大阪タワーよりは幾分低かった)が開業した事もあり、次第に観光客が減少してきた。
スタジオとしての機能

大阪タワーが再び注目を浴びたのは1979年。展望台の2階に「スカイスタジオ」が設置され、放送が開始されたばかりの朝の情報テレビ番組『おはよう朝日です』が使用した。出演者の背景には淀川など北西方面の実際の空が映し出され、朝の風景は天気はもちろん、眼下に見える阪神高速道路池田線の渋滞や鉄道の動きなどが明確に把握できたほか、時には生放送中に火災などが目撃されることもあり、まったく新しい形のスタジオとして評判を集めた。当時の番組タイトルには大阪タワーのイラストが描かれていたほか、同番組の主題歌「朝(あした)の空」(歌:紙ふうせん)のレコードジャケットには、展望台から撮影された生駒山上に昇る日の出の写真が使われた。

早朝のテレビ番組『おはよう6』でも使用されたことで、一時は朝の時間帯のおよそ2時間半の情報番組がこのスカイスタジオから生放送されていた。スカイスタジオは『おはよう朝日です』が1994年9月まで使用した後、新たに新設された早朝の生情報番組『おはよう天気です』が使用。その後、同番組を刷新した『おはようコールABC』でも2001年9月末まで引き続いて使用された。また、1989年から2年間はABCラジオの午後のワイド番組『パノラマ大放送』で使われたほか、ABC系列のCSテレビ局スカイ・A (現:スカイA)の番組でも使われた。

『おはよう朝日です』の開始以前にも大阪タワーがテレビに登場している。1967年7月放送の『TBS歌のグランプリ』では歌手フランク永井が出演し、展望台から「大阪ろまん」を熱唱する模様が全国に向けて中継放送された[2](前述の通り、当時は日産車の名称と「大阪タワー」のネオン看板が縦に書かれていた)。また、同年には特撮テレビドラマ『ウルトラマン』の第26話・第27話「怪獣殿下 前篇・後篇」に大阪タワーが登場し、怪獣・ゴモラを監視する対策本部が設置されたという設定で展望台を用いるロケが行われ[2]、当時の雰囲気がうかがえる映像資料としての側面も持っていた。
観光タワーとして

テレビスタジオとして名を馳せた大阪タワーだが、その間も一般観光客の入場に対応していた(営業時間は午前10時 - 午後6時)。開業当時の営業時間は午前9時 - 午後9時。また、かつては元旦に「初日の出営業」も行われていた。

展望台1階部分は営業終了まで全面開放された。ここには送信機などが設置された他、スカイスタジオのラジオ放送ブースが設置される1989年秋までは2階部分も南東部のみ開放されていた。なお、スタジオとの間の部分はガラスで仕切られ、スタジオ部分に入る事はできなかった。

エレベーターは手動扉で、利用者がある場合には受付係員(中高年の男性)が自ら操作して利用者を展望台に案内し、下りる際には展望台のエレベーター前にあるインターホンを押して地上に下りている係員を呼び出すという方式であった。

エレベーター乗り場の横には喫茶「ティーラウンジ」(展望台閉鎖後も営業は続けていた)、この他エレベーター乗り場や「ティーラウンジ」のある低層部のタワー塔屋にはABCトラベルなどの関連会社の事務所があった。なお、スカイスタジオの映像や音声をコントロールする副調整室は隣接するABC本社の中に設置されていた。

この他、ABCの施設ということで、1987年頃まではチケット売場でABCの番組記念品を販売しており、人気番組「新婚さんいらっしゃい!」「おはようパーソナリティ道上洋三です」「ABCヤングリクエスト」などのノベルティグッズを扱っていた。


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