大豆
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テレビ制作会社については「ダイズ (テレビ制作会社)」をご覧ください。

大豆
ダイズ
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:バラ類 rosids
階級なし:マメ類 fabids
:マメ目 Fabales
:マメ科 Fabaceae
亜科:マメ亜科 Faboideae
:ダイズ属 Glycine
:ダイズ G. max

学名
Glycine max
和名
ダイズ
英名
: Soybean、: Soya bean
大豆の花

大豆(学名: Glycine max)は、マメ科一年草。完熟種子は主に搾油の原料となり、脱脂後の絞り粕(大豆粕)は飼料として利用されている。食用にもなり特に東アジアでは様々な利用形態が発達している。未成熟の種子を枝豆と呼ぶ。

東アジア原産のツルマメが原種と考えられる。ツルマメは特に日本、中国、韓国に広く分布しており、歴史的に複数の地域で栽培化が始まった[1]
特徴

農作物として世界中で広く栽培されている。日本には縄文時代に存在したと思われる大豆の出土例があり、『古事記』にも大豆の記録が記載されている。

植物の中でもタンパク質を多く含有する[2]ことから日本・ドイツでは「畑の(牛)肉」[3]アメリカ合衆国では「大地の黄金」とも呼ばれている[要出典]。また、日本料理やその調味料の原材料として中心的役割を果たしている(後述)。菜食主義殺生を禁じた宗教においては植物性のタンパク源として利用され、精進料理においても重用された事で多くの加工食品が生み出された。加工食品の技術が上がるにつれて、肉を模した代替食品としても注目されている。
連作障害葉の黄化や生育不良、収穫減少などの生育障害の原因になっていると考えられているダイズシストセンチュウ[4]

古くからの在来種・固定種が多く現存している。両性花なので自家受粉可能であり、自家採種のしやすい植物である。その反面、葉の黄化や生育不良や収穫減少などの連作障害を起こしやすいため、隔年または2年ごと[5]輪作を行ない、違う作物を作付けし、連作を避けるか、連作を行なうために土壌消毒や土壌改善を行う等の対策を練らねばならない。日本国内においては、このことが栽培規模拡大への障害のひとつとなっている。連作障害にはダイズシストセンチュウ(英語版)が関与していると考えられている[4]

それほど耐湿性が高い作物ではないため、稲作との輪作では水田地形特有の過剰な水分や冠水などがダイズの生育に影響を与えることがある。多くの場合、を高く盛ることで対応するが、アメリカのミシシッピ川デルタ(英語版)地帯などの大規模な湿地帯の農家では対応が難しく死活問題となる。このため、耐湿性の強さに着目した品種の導入や改良も試みられている[6]
根粒菌との共生

ダイズを含む一部のマメ科植物は根粒もしくはに茎粒を持ち、根粒菌という細菌が共生している。根粒菌は植物からリンゴ酸などの効率の良い栄養分をもらって生活の場を提供してもらう代わりに、大気中の窒素を植物にとって使いやすいアンモニアに転換(窒素固定)する。窒素は植物にとって必須元素であり、肥料として取り入れる成分の一つであるが、自然界では一部の細菌と雷などでしか使用可能形態に転換できない。根粒菌はその能力が高いため、それを持つ植物は自ら窒素肥料を作ることができることになり、やせている土地でもよく育つものが多い[7]

大豆はかつては、地力涵養作物だと思われてきた。だが、実際は大豆は地力消耗作物であり、子実にタンパク質を多く含むため、多量の窒素を必要とするので、大豆の作付けは土壌中の窒素を消耗し地力の低下を招く。稲わらのみのすき込みの場合、大豆1作の窒素消耗量は水稲6作分の窒素消耗量に匹敵する。地力窒素の維持のためには、水稲作との輪作が必要である。大豆の生育に使われる窒素は、その3割が地力由来、6割が根粒菌由来、1割が施肥由来と言われている[8]

大豆は肥料がいらない作物だと思われがちだが、実は肥沃な土で栽培しないと収量が上がらない。特に根粒菌が固定した窒素の供給が盛んになるのは発芽後4週間からなので、それまでの栄養分を補ってやる必要がある。共生成立までの過程に於いて、Nodファクターと受容体による経路[9][10]III型分泌系による経路[11]の複数の経路があることが解明されている。
世界への伝播

大豆は20世紀初頭までは、東アジアに限られた主に食用の作物であった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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