大葉シダ植物[6](だいようシダしょくぶつ、Polypodiopsida または Monilophyta[2])はシダ類(薄嚢シダ類 + リュウビンタイ類 + ハナヤスリ類)、マツバラン類、トクサ類からなる植物の一群である[7]。かつては小葉植物とともにシダ植物とされた[8]。近年の分子系統解析により、単系統であるとされる[8]。
化石植物も含め、原生木部が中心柱の辺縁に円環状に配列するため、ネックレスに見立てモニロファイツ(英: monilophytes[8][9][10], moniliforms[11]、学名:Moniliformopses[1], Monilophyta[2][6], Monilopsida[3])と呼ばれる[5][8]。これを訳したモニロファイト類[12][13]、モニロファイト植物[13]、首飾植物[8]、ネックレス様植物[8]などの呼称も用いられる。また、小葉類と区別して大葉シダ類[14]、また単にシダ植物[8][7][4]、シダ類[15] (英: ferns[16][17])と呼ばれることもある。ただし、シダ植物は小葉類も含む側系統群を指すことが多く[15][14]、シダ類は薄嚢シダ類と真嚢シダ類からなる側系統群を指すことが多い[18]。 真正シダ類、トクサ類、マツバラン類を全て含む分類群に初めて名前を付けたのはKenrick と Crane (1997)であり、化石植物を含む分岐学的解析の結果、これを単系統群として下門に置き、ラテン語のmoniliformis("necklace-like"、ネックレス様の)から、Infrdivision Moniliformopses
学名と分類階級
シダ植物門 division Pteridophytaと、かつての広義のシダ植物を指す学名をそのまま用い、門に置くこともあった[4]。Cantino ら (2007)では、Moniliformopses Kenrick & Craneは派生形質による (apomorphy-based)グループで、クラウングループ (crown clade)には命名されていないとして、Judd et al. (2002)や Simpson (2006)、Smith et al. (2006)などで"monilophytes"と呼ばれていた本群をクラウングループとして Monilophyta P.D. Cantino & M.J. Donoghueと名付け、Doweld (2001)における Pteridophytanae とほぼ等しいパングループ (total clade)にPan-Monilophyta P.D. Cantino & M.J. Donoghueと名付けた[2]。このクラウングループの定義としては、トクサ類であるEquisetum telmateia Ehrh. (1783)および薄嚢シダ類であるワラビ Pteridium aquilinum (L.) Kuhn (1879)を何れも含むが、種子植物であるイチョウ Ginkgo biloba L. (1771)および小葉植物である Selaginella apoda (L.) Spring (1840)をどちらも含まないクレードとして示される[2]。