大菩薩峠_(小説)
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『大菩薩峠』(だいぼさつとうげ)は、中里介山作の長編時代小説1913年?1941年に『都新聞』『毎日新聞』『読売新聞』などに連載された41巻にのぼる一大巨編。未完

幕末を舞台に、虚無にとりつかれた剣士机竜之助を主人公とし、甲州大菩薩峠に始まる彼の旅の遍歴と周囲の人々の様々な生き様を描く。世界最長を目指して執筆された時代小説で、大衆小説の先駆けとされる。連載は足掛け約30年にわたり、途中で話は幕末から明治に入らず架空の世界へと迷い込むが、中里の死により未完に終わった。中里は「大乗小説」と自称し、仏教思想に基づいて人間の業を描こうとした。なお題名・舞台とした大菩薩峠に中里が登ったのは、連載開始から12年経った1925年(大正14年)になってからである[1]

同時代では菊池寛谷崎潤一郎泉鏡花芥川龍之介らが賞賛し、中谷博文学史上において大衆文学の母胎と位置付け、ダダイスト辻潤も愛読した。第二次世界大戦後にも安岡章太郎『果てもない道中記』をはじめ数多くの研究や評論が展開されている。
あらすじ

時は幕末安政5年)、江戸から西に三十離れた甲州裏街道青梅街道)の大菩薩峠で、一人の老巡礼が武士机竜之助に理由もなく斬殺される。老巡礼の孫娘お松は、通りかかった盗賊裏宿の七兵衛に助けられ江戸へ連れて行かれる。竜之助は、峠のふもとの武州沢井村の沢井道場の若師範であった。甲源一刀流の師範宇津木文之丞は御岳神社の奉納試合で竜之助と立ち会うことになっていたが、その内縁の妻お浜は妹と偽って竜之助を訪ね、試合に負けてくれと懇願する。竜之助は拒絶し、与八にお浜を捕らえさせて、お浜を犯してしまう。挙句の果てに竜之助は試合で文之丞を惨殺し、お浜を連れて江戸へ出奔する。

文之丞の弟の兵馬は仇を討つべく竜之助の後を追う。四年後の江戸で竜之助と兵馬は互いの素性を知らずに試合を行い、引き分ける。翌年、兵馬から果し状を受け取った竜之助は、悪縁のお浜を諍いの末に斬り殺し、兵馬との試合をすっぽかし、新選組に居場所を求めて京都へ向かう。しかし、竜之助は近藤と芹沢の争いで揺れる新選組をよそに、遊郭の里島原で狂乱し、またも失踪する。

その後、三輪宝蔵院流槍術を伝えるという植田丹後守の道場に身を寄せた竜之助は心中者の生き残りで亡き妻お浜に生き写しのお豊に惹かれる。しかし、竜之助は成り行きで天誅組の変に参加し、十津川郷に敗走する途中、泊まっていた山小屋で追っ手の放った爆弾が爆発し失明してしまう。竜神村でお豊と再会した竜之助は、お豊と逃亡。竜之助の世話のために苦しい生活を強いられたお豊が自害したと間の山の芸人お君から聞かされた竜之助は東海道に旅立ち、山の娘たちに助けられ療養するが、ふとしたきっかけで甲府に赴き、夜毎に辻斬りを行う。その後、竜之助は八幡村へ、江戸へと流れるが行き着く先で夜毎に辻斬りを行い、慶応3年秋、白骨温泉に赴く。

小説は四散した登場人物全員の旅路を詳細に描いていく。数多の登場人物は慶応3年秋の日本各地をいつまでもいつまでも彷徨い続ける。(未完)
おもな登場人物

机竜之助 - 武州沢井村出身の浪士。「音無しの構え」で知られる名うての剣客。連続辻斬り犯。失明してからは、ますます夜の通り魔殺人にのめり込む。

宇津木兵馬 - 竜之助に殺された甲源一刀流の師範・宇津木文之丞の弟。島田虎之助に師事し、竜之助を仇と狙って旅を続ける若者。

お松 - 大菩薩峠で竜之助に祖父を殺された娘。七兵衛に助けられる。

裏宿の七兵衛 - 大菩薩峠以来、お松を助け育てる男。実は盗賊。実在した青梅義賊裏宿七兵衛」がモデル。


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