大航海時代叢書(だいこうかいじだいそうしょ)は、1960年代から90年代にかけ、2期に分け岩波書店から刊行された、大航海時代に関する叢書である。 15世紀末から17世紀初めにかけての、大航海時代当時の西欧人(ポルトガル人・スペイン人・イタリア人・オランダ人・フランス人・イギリス人)による、日本を含む非西欧世界の記録(航海記・探検記・見聞録・民族誌など)を日本語訳・収録した一大叢書であり、刊行当時においては大半の原本が初訳であった。 第T期は1965年7月 - 70年10月に[全11巻・別巻1]、第U期は1979年6月 - 92年9月に[全25巻]、さらに第U期の刊行と並行し「エクストラ・シリーズ」が1985年 - 87年に[全5巻]で、各・刊行された。エクストラ・シリーズおよび別巻を併せると総計全42巻に及び、完結まで27年を要した。2023年に「岩波オンデマンドブックス」で再刊された(オンデマンド版のペーパーバック)。 本叢書に収められた書目の一部は、岩波文庫版で改訂刊行されている。
概要
内容・巻構成
第T期・泉靖一・岩生成一の監修により『大航海時代叢書』として刊行された。第1回配本(1965年7月)は第1巻『航海の記録』で、第11回配本(1970年3月)の『日本教会史 下』で全11巻が完結、同年9月に別巻が刊行された。1991年11月、第U期完結を前に全巻が一括復刊された。収録されたテクストはイタリア人・スペイン人・ポルトガル人など、大航海時代の初期に活躍した人物の著作が中心になっている。
コロンブス アメリゴ ガマ バルボア マゼラン 航海の記録 (1965年7月刊) ISBN 4000085018
「クリストーバル・コロンの四回の航海」〈林屋永吉:訳〉
「アメリゴ・ヴェスプッチの書簡集」〈長南実:訳 / 増田義郎:注〉
「ドン・ヴァスコ・ダ・ガマのインド航海記」〈野々山ミナコ
「バルボアの太平洋発見」〈野々山ミナコ:訳 / 増田義郎:注〉
「マガリャンイス最初の世界一周航海」〈長南実:訳 / 増田義郎:注〉
アズララ
生田滋・越智武臣・高瀬弘一郎・長南実・中野好夫・二宮敬・増田義郎を編集委員に『大航海時代叢書 第U期』として刊行された。第1回配本(1979年6月)は第U期1巻『インカ帝国史』で、最終回配本(1992年9月)の第U期25巻『インディアス史 5』をもって全25巻が完結した。完結後の1992年11月 - 94年11月、巻数順に復刊された。第U期刊行分では、スペイン人・ポルトガル人・イタリア人のものに加え、大航海時代の後期に活動したオランダ人・イギリス人・フランス人の著作にも多くの巻が割かれており、より当時の状況を多面的に見ることが可能となっている。
ブーチェ