「大社」のその他の用法については「大社 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
大社(たいしゃ、おおやしろ)とは大きな神社、または平安時代初期の延喜式神名帳に大社として列格される492の神社、または「?大社」と名乗る神社のこと。かつては単に大社(おおやしろ)といえば一般的には出雲大社(島根県出雲市)のことを指した。戦後、旧官幣大社や旧国幣大社など大社格の神社で大社を名乗ったところが多い。以下に例を示す。 現神社名旧神社名[注釈 1]最終社格所在地[注釈 2] 出雲大社は、各地の神社が大社を名乗る事は、ご神徳を汚すと表明している。その理由について出雲大社の機関紙「幽顕」では次のように説明している。【私達の御親大神さまは「おおやしろ」と敬仰されます。「杵築の大社」との尊称をもって「出雲さん」と親愛致しました。奈良平安の昔から「大社」と銘記されてきた神社は、出雲大社が唯一でした。大社といえばわが「いづもおおやしろ」であり、御親大神さまのお住居のミヤシロでした。この事も時の流れの中で、この呼称を用いる神社が、出来ました。唯神の信仰に適当とは、考えられません。幾世をかけての先人の祈りを正しく伝えることにならず、今の人達の勝手で、自己流の呼称はかえって、ご神徳を汚すことになると心配します】[1]。
大社の一覧
戦前
出雲大社出雲大社官幣大社島根県出雲市
熊野大社熊野神社国幣大社島根県松江市
戦後
三嶋大社三嶋神社官幣大社静岡県三島市
富士山本宮浅間大社浅間神社官幣大社静岡県富士宮市
諏訪大社諏訪神社官幣大社長野県諏訪市
気多大社気多神社国幣大社石川県羽咋市
南宮大社南宮神社国幣大社岐阜県不破郡垂井町
多度大社多度神社国幣大社三重県桑名市
多賀大社多賀神社官幣大社滋賀県犬上郡多賀町
建部大社建部神社官幣大社滋賀県大津市
日吉大社日吉神社官幣大社滋賀県大津市
春日大社春日神社官幣大社奈良県奈良市
龍田大社龍田神社官幣大社奈良県生駒郡三郷町
廣瀬大社廣瀬神社官幣大社奈良県北葛城郡河合町
伏見稲荷大社稲荷神社官幣大社京都府京都市伏見区
松尾大社松尾神社官幣大社京都府京都市西京区
梅宮大社梅宮神社官幣中社京都府京都市右京区
住吉大社住吉神社官幣大社大阪府大阪市住吉区
大鳥大社大鳥神社官幣大社大阪府堺市西区
熊野本宮大社熊野坐神社官幣大社和歌山県田辺市
熊野速玉大社熊野速玉神社官幣大社和歌山県新宮市
熊野那智大社熊野那智神社官幣中社和歌山県東牟婁郡那智勝浦町
宗像大社宗像神社官幣大社福岡県宗像市
高良大社高良神社国幣大社福岡県久留米市
現在表記未定(往馬坐伊古麻都比古神社は旧県社、他は旧官幣大社)
氷川神社 - (埼玉県さいたま市大宮区) 授与品袋には氷川大社の表記
平野神社 - (京都府京都市北区) かつて鳥居の扁額に平野大社の表記があった
枚岡神社 - (大阪府東大阪市) 枚岡駅前に残された古い社名標に「平岡大社」と刻まれている
往馬坐伊古麻都比古神社 - (奈良県生駒市) 一般には往馬大社と呼ばれる
大社の呼称
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 近代社格制度下における神社名
^ 現在の地名で表記
出典^ 出雲大社教務本庁発行『幽顕』