大激闘マッドポリス'80
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大激闘マッドポリス'80
ジャンル
刑事ドラマ
企画加藤教夫(日本テレビ)、小沢啓一郎(東映)
脚本永原秀一柏原寛司峯尾基三山本英明、高田純、宮田雪
監督関本郁夫長谷部安春野田幸男村川透西村潔田中秀夫舛田利雄
出演者渡瀬恒彦
梅宮辰夫
志賀勝
片桐竜次
中西良太
堀川まゆみ

オープニング「大激闘のテーマ」
作曲、編曲:大野雄二
演奏:ユー&エクスプロージョンバンド
エンディング「愁いの街?HOW CAN YOU LOVE THE CITY」
歌:木村昇
製作
プロデューサー山口剛(日本テレビ)
武居勝彦・瀬戸恒雄(東映)
制作日本テレビ

放送
音声形式モノラル
放送国・地域 日本
放送期間1980年4月8日 - 7月22日
放送時間火曜 21:00 - 21:54
放送分54分
回数全16
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『大激闘マッドポリス'80』(だいげきとうマッドポリスはちじゅう)は、1980年4月8日から同年7月22日まで日本テレビ系列で毎週火曜日21:00 - 21:54に全16話が放送された、東映制作の刑事ドラマである。

なお、続編『特命刑事』を併せると全26話となるが、本項では別作品として扱う。
概要

日本テレビ火曜夜9時枠の人気シリーズだった『大都会』(石原プロモーション製作)の終了を受け、同作の流れを汲んだ新たなハードアクションドラマとして製作された[1]。1976年に東映京都製作の映画『暴走パニック 大激突』でアクション俳優として高く評価された渡瀬恒彦が主演を務める他、梅宮辰夫東映ピラニア軍団出身の志賀勝片桐竜次などアウトロー色の強い顔触れがレギュラー刑事役に据えられている。前番組である『探偵物語』(東映芸能ビデオ制作)に続いて東映グループが制作主体を担っているが、その中でも特に劇場用映画専門の制作事業部として機能していた東映東京撮影所企画製作部(現:第一製作部)がテレビ番組制作に初参入した作品である[2]

企画にはドン・ペンドルトンの暴力小説マフィアへの挑戦』シリーズがイメージソースとして用いられており、本作品では時代設定を近未来に置き、日本全土の暴力団が大同団結した「ジャパンマフィア」と、その壊滅の命を受けた警察の特殊部隊「マッドポリス」という敵対する2つの勢力を設定。体裁は刑事ドラマとしてのスタイルを取りつつ、「10秒に一発撃ち、一分にひとりの犯人が死ぬ」というキャッチコピーの下、全話を通じて戦争さながらの過激なアクションを主体としたドラマが展開されている。

プロデューサーの山口剛は放送当時「通常の方法ではもう限界」、「組織と組織がぶつかり合う時のアクションを重視することから始めた」と語っており、刑事ドラマとしての枠をより柔軟な形で広げるために活動地域の無国籍化、刑事の設定を特殊セクションという形にすることによって行動パターンの枠を広げる方式によりシナリオ上の無理をスムーズに表現出来るようにしている。これは『大追跡』で既に採用していた方式だが、その基本の部分にさらにジャパンマフィアという全話共通の敵を存在させたことによって、よりストイックな形でドラマが進行するという特殊なパターンが用いられた。

タイトルは『大都会』『大追跡』のイメージを受け継ぎ、特殊部隊とジャパンマフィアとの「激突」を象徴したタイトルにすべく、当初は前述の『暴走パニック 大激突』にあやかって『大激突』と名付けた。しかし番組スポンサーのマツダから「『大激突』では自動車会社としてマイナスイメージになる」と難色を示し、『大激闘』に変更。さらに当時話題になっていたメル・ギブソン主演の映画『マッドマックス』にあやかる形で、主役の特殊部隊の名称をマッドポリスとし、タイトルにも『マッドポリス'80』を追加して落ち着いた[3]

視聴率面では初回11.9%、16話までの平均値も10.9%(ビデオリサーチ、関東地方)と苦戦を強いられ、一時は打ち切りも検討された[4]。テコ入れ策として後述の日活・東宝系の外部監督の招聘などで内容の充実化を図った結果、中盤では15%台に上昇するなど一定の成果を見せたものの、劇中の激しい暴力描写は各新聞の投書欄や時事評論雑誌などでたびたび問題視され[3]、さらにスポンサーからも番組の内容からキャスティング(志賀勝のガラの悪いキャラクターはスポンサーのイメージにかかわる、など)まで問題視されたこともあった[3]。これを受け、第16話「人間狩り」におけるジャパンマフィア壊滅を以てシリーズに一旦の区切りが付けられることとなり、2クール契約満了までの残り10話分はメインキャストや世界観は据え置いたままに、バイオレンス色の払拭を図った『特命刑事』へ引き継がれた。プロデューサーの山口は本作品を振り返って「最初は最終回でジャパンマフィアのボスを倒すという構想だったが、それよりも一話ずつ各話が面白ければいいという考えになっていった。それゆえ結局ジャパンマフィアというのが最後までよくわからなかった」「最終決戦はもっと盛り上がるはずだったんだけど。ちゃんとやればもっと面白く出来た」と語っている[3]
ストーリー

時は1980年代日本組織暴力は、幾多もの激しい抗争と政財界との癒着、海外マフィアとの結託を経て全国統一を達成し、巨大組織「ジャパンマフィア」を形成。日本全土は犯罪と暴力が支配する無法地帯と化していた。警察庁はこの事態に対処すべく、警察機構の旧態依然としたセクショナリズムを乗り越え、ジャパンマフィアに直接対決を挑んだ。その枢要として極秘裏に編成されたのが、従来の警察を遥かに越える武力と権限を委ねられた少数精鋭による特殊コマンドチームである。法も手段も超越した非情な捜査に臨むこの部隊を、マフィアたちは「命知らずの警官=マッドポリス」の異名で恐れ慄いた。ジャパンマフィアを壊滅するその時まで、マッドポリスの壮絶な闘いの日々は果てしなく続く。
設定
マッドポリス

「ジャパンマフィア」の壊滅を唯一の目的とした警察庁直轄の特殊部隊。拳銃や自動小銃のような軽火器だけでなく手榴弾などの爆発兵器も装備し、一般の捜査員と同様の捜査活動以外に、潜入や破壊工作をはじめとするスパイ・ゲリラ活動などの非合法任務にも対応する。「マッドポリス」とは通称であり、正式名称、詳細な創設経緯や組織系統などは劇中では明かされていない[5]
本部

表向きは「ローリング建築設計事務所」という看板を掲げている。屋内は作戦室、射撃場などが設けられ、武器庫はリカーラックにカムフラージュされており、出撃時は棚の中心を軸として左右に自動でスライドされた後に武器庫が現れて装備を行う。
戦闘服

オープニングから登場したMPの制服兼戦闘服だが、本編での実装は第5話からである。デザインは灰地の半袖シャツとパンツで、腕の部分にMPのエンブレムと思われるワッペン(NEW JAPANESE POLICE と書かれている)が付けられている。
メンバー
氷室 健一(演:
渡瀬恒彦
警視庁本部勤務の敏腕刑事。MPではサブリーダー格だったが、第1話で前任者・八代の殉職に伴いキャップに昇格した。頭脳明晰かつ冷静沈着な佇まいで、敵に対しても常に非情に徹するが、平時はウイットやユーモアに富んだ一面も垣間見せ、他メンバーらとも気心が知れている。彼より年長の松村だけは「キャップ」でなく「旦那」と呼ぶ。ハンチング帽を愛用する(戦闘服着用時や変装時を除く)。拳銃からライフルまであらゆる銃器の扱いに精通し、ドライビングテクニックも超一流。愛銃はルガーP08M16アサルトライフル。愛車はサバンナRX-7
松村 兵助(演:梅宮辰夫
通称「村さん」。MPのサブリーダー格。MPの最年長で、キャップの氷室も敬語で接する。捜査実務だけでなく、警察上層部との連絡・交渉役も務める。刑事としての長い経験から、JM構成員や未逮捕の殺し屋など犯罪者に関する情報に精通している。普段は美食と女性を愛する伊達男然と振る舞っているが、マフィアに対しては女であっても呵責がない。愛銃はマグナムリボルバーレミントンショットガン
芹沢 末八(演:志賀勝
通称「芹さん」。元マル暴刑事で、ヤクザさながらの強面を持つ武闘派。射撃だけでなく格闘にも長けている。大阪出身で、常に大阪弁でまくし立てるように話す。松村を「兄貴」、新田を「兄弟」と呼ぶなど、なぜか言動もヤクザに近い。
新田 吾郎(演:片桐竜次
先輩刑事は単に「新田」、後輩たちは「ゴロさん」と呼ぶ。


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