大漁旗(たいりょうばた、たいりょうき[1])とは、日本で漁に出た漁船が、大漁で帰港する際に船上に掲げる旗。地方によってマネ、フライキ(福来旗、vlag[2])とも呼ばれる[3]。
デザインの多くは、海上からでもよく目立つよう、あるいは出産祝いに子供の初節句[4]に飾り旗や祝い旗(祝旗)として家に飾るなど縁起を担ぐ目的で派手な色彩や大胆な構図で描かれることが多い。船名のほか、「大漁」「祝 大漁」などの文字、日の出(旭日)や魚、恵比寿、宝船などの絵柄などが描かれる。基本となるデザインは50種ほど存在し、多くの場合進水式に併せて親戚や関係者などから寄贈される祝儀の一種であり、寄贈者の名が入れられている[3]。 大漁旗の起源については諸説ある。11世紀ごろの船印
概説
「大漁」とは呼ばれるも、掲揚に決まりはないため全く獲れなくても揚げられ、漁港に海産物を降ろすときに陸地にいる人に対する目印の役割もある[6]。現代では漁や祝い事に用いられる。船自体には出港式と寄港式などイベント時に掲げられる。送り迎えの人々が出迎えにも用いる。長寿や出産など新たな門出を祝う機会に飾られたり、震災後には復興を祈って催し物など復興の象徴に使われることも多い[7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21][22][23]。
大漁旗は「フライキ」とも呼ばれ、オランダ語のvlagや英語のflagが語源だという説が有力である。三陸沿岸では漢字で「福来旗」とも当てられて、漁船完成時や大漁・航海安全を祈願して船主に贈られてきた。2019年には7月27日から9月8日まで東日本大震災からの復興のシンボルとして親しまれている大漁旗を東北の被災3県から集めて展示するイベントが宮城県七ヶ浜町の七ヶ浜国際村で開催された[24]。
脚注^ 広辞苑(第5版)岩波書店、1998年。
^ “フライキ(ふらいき) - 萩”. 萩市. 2024年5月25日閲覧。
^ a b c 石子順造『キッチュの聖と俗:続・日本的庶民の美意識』太平出版社 1974年 p.22-24.
^ 産まれて最初に迎える男子なら端午の節句、女子なら桃の節句のこと。
^ a b c 川島, pp.240-241
^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉?へぇの本? 3』講談社、2003年。
^ “千住真理子さん、復興支援で演奏 富岡漁港「またがんばっぺ」|全国・海外のニュース|徳島新聞”. 徳島新聞Web. 2019年10月23日閲覧。
^ “大漁旗掲げ「ただいま」 福島・富岡漁港で帰港式 8年4カ月ぶり再開”. 毎日新聞. 2019年10月23日閲覧。
^ INC, SANKEI DIGITAL. “復興の象徴、大漁旗ずらり 宮城で展示イベント”. 産経フォト. 2019年10月23日閲覧。