大洪水
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「大洪水」のその他の用法については「大洪水 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典検索?: "大洪水" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年6月)

大洪水(だいこうずい)とはしばしば、天誅として文明を破壊するために神々によって起こされたとする神話伝説上の洪水を指す。洪水説話、洪水神話と呼ばれる。

大洪水(洪水神話、洪水伝説)は、世界の諸神話に共通して見られるテーマであり、聖書旧約聖書)『創世記』のノアノアの方舟インド神話ヒンドゥー教のプラーナのマツヤギリシャ神話デウカリオーン、および『ギルガメシュ叙事詩』のウトナピシュティム(英語版)の物語は、よく知られた神話である。過去現在の世界の文化のうち大部分が、古い文明を壊滅させる「大洪水」物語を有している。
諸文化における大洪水神話詳細は「en:List of flood myths」を参照
古代オリエント
シュメール

シュメールの神話では、エンキ神がシュルッパクの王ジウスドラ(英語版)(「命を見る者」という意味で、彼が神から不滅を約束されたことから)に、洪水による人類抹殺を予告する。しかし、神がなぜこれを決定したかという部分については、粘土板から失われている。エンキ神は、大きな船を作るように指示する。命令についての文章も、同じく神話から失われている。7日の氾濫の後、ジウスドラは供物と祈りをアン(空の神)とエンリル(最高神)にささげ、ディルムン(シュメールにおけるエデンの園)で神から永遠の命を授けられる。

シュメール王名表も大洪水について言及している。その説明によれば、最初エリドゥに渡った王権は、次いでバド・ティビラ、ララク、シッパルシュルッパクへと移る。イラクにおける発掘で、シュルッパクの洪水は紀元前2900年?紀元前2750年頃、ほぼキシュの街まで及んだことが証明されているが、この街の王エタナは、大洪水の後、最初にシュメール王朝を成立したと言われる。ジウスドラの伝説はエリドゥ起源の粘土板断片のコピーであり、その楔形文字型から、紀元前17世紀と年代が特定される。[1]
バビロニア (ギルガメシュ叙事詩)アッカド語によるギルガメシュ叙事詩の大洪水の粘土板(粘土板11)

バビロニアギルガメシュ叙事詩によれば、Sin-liqe-unninnによる He who saw the deep版(タブレット11)の終わりのほうに、大洪水の参照がある。不死を追い求めていたギルガメシュ王は、一種の地上の楽園・ディルムンで、ウトナピシュティム(英語版)(シュメール神話のジウスドラ(英語版) zi.u4.sud4.ra2 をアッカド語に直訳した名前)に出会う。ウトナピシュティムは、大洪水によってすべての生命を破壊するという神の計画について、エア神(シュメール神話のエンキ神に類似)が彼に警告し、船を作って彼の家族や友人、財産や家畜を守るよう指示したことを語る。大洪水の後、神はみずからの行動を悔やみ、ウトナピシュティムに不死を与える。
アッカド (アトラハシス叙事詩)

バビロニアの『アトラハシス叙事詩』(紀元前1700年までに成立)では、人類の人口過剰が大洪水の原因であるとされている。1,200年間の繁栄の後、人口増加によって齎された騒音と喧騒のためにエンリル神の睡眠が妨げられるようになった。エンリル神は当面の解決策として、疫病、飢饉、塩害など人類の数を減らすための全ての手段を講じる神々の集会を援助して回った。これらの解決策が採られてから1,200年後、人口は元の状態に戻った。このため神々が洪水を引き起こすという最終的な解決策を取る事を決定した時、この解決策に道義的な問題を感じていたエンキ神は洪水計画のことをアトラハシスに伝え、彼は神託に基づく寸法通りに生き残るための船を建造した。

そして他の神がこのような手段に出るのを予防するため、エンキ神は結婚しない女性、不妊、流産、そして幼児死亡など社会現象の形で新しい解決策を作り出し、人口増加が制御不能になるのを防止した。
カルデア

神官ベロッソスの記述によれば、クロノス神がクシストロスに洪水の襲来を警告し、歴史を記録し、船を造るよう命じた。船はクシストロスの親類、友人、すべての動物を一つがいずつ乗せるために5スタディア×2スタディアの大きさに作られた。洪水が起こって水位が上昇し、船に乗り込んだ生き物を残して全てが殺戮された。水が引いた後クシストロスが船から鳥を放すと、全て戻ってきた。二度目に鳥を放すと足に泥を付けて戻ってきた。三度目に放すと鳥は戻ってこなかった。人々は船を離れ、神に供物を捧げた。クシストロスと妻、娘と、航海士は神の元へ運ばれ、神と共に暮らした。
ヘブライ (創世記)

旧約聖書創世記』の大洪水についての詳細は、ノアノアの方舟を参照。大洪水。ジョン・マーティン

『創世記』のノアの方舟の物語によれば、エデンを離れてから何代かを経て、ネフィリムが生まれ堕落し、お互いに争うようになった。ヤハウェ・エロヒムは人間を作ったことを後悔し始め、全てを払拭するために大洪水を起こすことを決めた。ヤハウェは地上にただ一人、救う価値のある男性ノアを見出した。そこでヤハウェはノアに特別な大きさと設計の方舟を作るように告げた。方舟に乗せたのは、彼の妻、彼の三人の息子のセムハムヤペテ と彼らの妻、清い動物と鳥を雌雄7つがい(7匹か7組かの記述が異なる場合がある)、そうでない動物を2つがい、必要な食べ物すべてと苗木で、人間はもう一度白紙から始めるのである。ノアが600歳になった年、アダムの創造から1656年後、ヤハウェは大洪水を起こした。

その説明によると、洪水は(1)40日間「天の水門」より降り続いた雨(これは『創世記』における最初の雨に関する言及である)と、(2)「とても深い泉」の水から生じている。『創世記』の文を分析すると、空(蒼穹)の上に、天上の海ともいうべき大きな水のかたまりを想定していたのではないかと推測される。「水の間に空間を作って水と水とを隔てなさい。」エロヒムは空間を作って、空間の下の水と空間の上の水とを隔てた。そしてそうなった。エロヒムは空間を「空」と呼んだ。

洪水の水は150日間地上を覆った。

その月の17日目に、方舟はアララト山の上に流れ着いた。10か月め、その月の初日に、山の頂が見えた。ノアが601歳になった年、最初の月、最初の日に地表が乾いた。次の月の21日目には地が乾き、ヤハウェはノアに方舟を離れるよう指示した。

洪水ののち、ノアは清い動物を供物にささげ、ヤハウェは、人間は幼いときから邪悪な性癖を持って生まれるのだからと、洪水で地上のすべてを破壊することは二度としないと約束し、自然の摂理を支えることを自身に約束した。神はノアとこの契約を交わし、これにより人々はすべての動物に対する優越を与えられ、すでに命を宿していない肉を食べることを初めて許され、新しい法の元で地上に繁殖するよう指示される。新しい法とは、人が誰かの血を流したら、彼自身の血も流されなければならない、というものである。ヤハウェは雲にをかけて、この永久不滅の契約の印とするとともに、のちの世代へのよすがとした。
エノク書

エノク書』(エチオピア正教における旧約聖書の1つ)によれば、神は地上からグリゴリ及びグリゴリと人間の娘の間に生まれた、巨大な子供ネフィリムを抹殺するために大洪水を起こしたとされている。神は大洪水を起こす前に天使メタトロンを派遣し、神に対して叛いていないノアの一族以外の人間、グリゴリ並びにネフィリム達に処刑執行を通達させた。グリゴリ達はこれを聞き悲嘆にくれたが、神はネフィリムのヒヴァとヒヤ(ヒヴァ、ヒアという名はヘブライ語で人間が悲嘆したとき発する言葉で、日本語で「うわー」、「あー」などのという程度の意味)の名を人間が失敗した時に思わず発する言葉として残すことで、彼らが存在した証とすることで彼らを慰めた。
アルメニア

ダマスコスのニコラオス(英語版)(ヘロデ大王に仕えていたスポークスマン・歴史家)による歴史書の第96巻でアルメニアの伝説として収録している[注釈 1]もので、大洪水からの避難方法が2種類出てくる。

あらすじは「アルメニアのミニュアスの北にバリスという大きな山があり、(語り手側の)多くの人々は洪水時にバリス山に登ることで逃れたが、さらにここに方舟[注釈 2]が漂着し、乗っていた1人の男が助かった。」

というもので、ニコラオスは「この男はモーセの書き残した者(注:ノアの事)と同一人物であろう」と推測している[2]
ヨーロッパ
ギリシア

ギリシア神話には二つの洪水と二つの人類滅亡伝説がある (Ancient Greek flood myths) 。「オギュゴス(英語版)王の洪水」は「銀の時代」を、「デウカリオーンの洪水」は「最初の青銅の時代」を終焉させた。

オギュゲス王の洪水は、テーバイの創設者であり王であるオギュゴスの在任中に起きたことから名づけられる。世界中を襲った洪水は非常に破壊的だったので、ケクロプスの支配までは国は王のないまま取り残された[3]

アポロドーロスの『ビブリオテーケー』でデウカリオーンの洪水として語られる物語には、いくつかノアの洪水伝説に共通する点がある。プロメーテウスは息子のデウカリオーンに櫃を作るよう助言する。他の人間は、高い山に逃げた少数を除いてすべて滅ぼされる。テッサリア地方の山は砕け、コリントス地峡ペロポネソス半島より向こうの世界はすべて沈む。デウカリオーンと妻のピュラーは、9つの昼と夜を櫃で漂い、パルナッソス山にたどり着く。

ヘラニコスが語るさらに古い物語では、デウカリオーンの「方舟」はテッサリア地方のオトリュス山にたどり着く。別の記述では彼は Argolis、のちのネメアのおそらく Phouka の頂上にたどり着く。雨が止んだとき、彼はゼウスに供物をささげる。それからゼウスの言いつけに従って石を自分の後ろに投げると、石から男が誕生し、ピュラーが投げた石からは女が誕生した。アポロドーロスはここから、ギリシャ語の laos(人々)の語源は laas(石)にあるのだとしている。

ゼウスの息子のメガロスは、鶴の鳴き声に導かれてゲラニア山の頂上まで泳ぎ、デウカリオーンの洪水を逃れた。

地中海の大津波は、サントリーニ島火山噴火によって起きたとする説がある。この噴火は、地質学上では紀元前1630年から紀元前1600年の間、考古学上では紀元前1500年に起きたとされ、これがデウカリオーンの神話へと発展した民間伝承の歴史的なベースになっているというのである。

プラトンは『ソクラテスの弁明』(22)で「大洪水のすべて」に言及し、『クリティアス』(111-112)では「デウカリオーンの大破壊」に言及している。さらに、アテネアトランティス以来「多くの大洪水は9,000年の間に起こっている」とする論説は卓越している。
ゲルマン

古代スカンジナビアの神話では、ベルゲルミルはスルードゲルミルの息子である。彼と妻は、ベルゲルミルの祖父ユミルの血の洪水(オーディンと彼の兄弟のヴィリとヴェーによる虐殺)を生き残った、最後の霜の巨人である。彼らは中が空洞になった木の幹に潜り込み生き残って、新たな霜の巨人を生み出した。

神話学者の Brian Branston は、この神話と、アングロサクソンの叙事詩である『ベーオウルフ』に述べられた事件との共通点に注目した。それらは伝統的に『聖書』の洪水と関連しており、したがって、アングロサクソンの伝統と同様、広くゲルマン民族の神話に一致する事件があったと思われる。
アイルランド

アイルランドの偽史書『アイルランド来寇の書』(Lebor Gabala Erenn)には不確かなところがあるが、アイルランドの最初の居住者はノアの孫娘ケスィル(Cesair)に導かれて、島にたどり着いた後40日の洪水によって死んだ一人を除いて全員だった。その後、パルソローン(Partholon)とネウェズ(Nemed)の人々が島にたどり着いた後、別の洪水が起こって30人を除いて全員の居住者が死んだ。30人は世界中に四散した。
アメリカ
アステカ

アステカの神話にはいくつかの異説があり、それらの多くは正確さや信頼性に欠ける問題がある。大洋の時代になったとき、400年が過ぎていた。それから200年、次に76年が過ぎた。それからすべての人類が失われ溺れて魚になった。水と空は互いに近づいた。一日ですべてが失われ、4つの花が我々の肉のすべてを食べつくした。大いなる山は洪水に飲み込まれ、水は引かず、50と2つの春の間そこにとどまり続けた。しかし洪水が始まる前に、ティトラチャワン(Titlachahuan)はノタ(Nota)という男と妻のネナ(Nena)に「プルケ(pulque)をもはや作る必要はない。大きな糸杉をくりぬいて、その月のトソストリ(Tozoztli)を中に入れなさい。水が空に近づこうとしている。」と警告した。彼らが従うとティトラチャワンがそれを封じ込めながら男に「汝はとうもろこしの穂を一筋食べよ、汝の妻も同じくせよ。」と告げた。そこで彼らはとうもろこしの穂を互いに一筋食べて外に出る準備をし、水は凪いだ。[注釈 3]-古代アステカ文書チマルポポカ文書、大修道院長 Charles Etienne Brasseur de Bourbourg
チブチャ

ムイスカ人の神話では、人々が争いをやめないことに怒ったボチカ(チブチャクム)の神が大洪水を引き起こし、現在のボゴタ盆地を水浸しにしたが、人々が悔い改めたため、杖で岩を打ち砕き、水を流した。人々は神に感謝し、干上がった土地で農耕に励んだという。
インカ


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