大津市中2いじめ自殺事件
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大津市中2いじめ自殺事件
正式名称大津市中学生いじめ自殺事件
場所
滋賀県大津市
標的男子中学生(当時)
日付2011年9月29日、2011年10月8日、2011年10月11日(自殺)
2011年10月11日 (午前8時ごろ)
懸賞金400万円
攻撃手段暴行器物損壊窃盗
攻撃側人数複数の同級生
死亡者1人(自殺)
負傷者全身あざ
犯人少年A?少年F
動機ゲーム感覚
対処保護観察不処分、児童相談所送致
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大津市中2いじめ自殺事件(おおつしちゅう2いじめじさつじけん)は、2011年10月11日に滋賀県大津市内の中学校の当時2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺するに至った事件である。「大津いじめ自殺事件[注釈 1]」「大津いじめ事件[注釈 2]」「大津市○○中学校いじめ自殺事件[注釈 3]」などとも呼ばれる。事件前後の学校と教育委員会の隠蔽体質[1] が発覚、問題視され、大きく報道された[2]。翌年には本事件が誘因となっていじめ防止対策推進法が国会で可決された[3]。また、本項において、被害者をAと表記する。
事件の経緯

大津市の中学校で発生した出来事で、複数の同級生(加害生徒3名)が2011年9月29日に体育館で男子生徒(被害生徒)の手足を鉢巻きで縛り、口を粘着テープで塞ぐなどの行為を行った。10月8日にも被害者宅を訪れ、自宅から貴金属や財布を盗んだ。被害者は自殺前日に自殺を仄めかすメールを加害者らに送ったが、加害者らは相手にしなかった。男子生徒は10月11日、自宅マンションから飛び降り自殺した[4]。被害者の自殺後も加害者らは自殺した生徒の顔写真に穴を空けたり落書きをしたりしていた[2]。学校と教育委員会は自殺後に、担任を含めて誰もいじめの事態に気付いていなかった、知らなかったと一貫して主張していた。後の報道機関の取材で、学校側は生徒が自殺する6日前に「生徒がいじめを受けている」との報告を受け、担任らが対応を検討した事は認めたが[5]、当時はいじめではなく喧嘩と認識していたと説明した[6]。学校側と監督する教育委員会も当初自殺の原因はいじめではなく家庭環境が問題と説明していた[7]
加害者

最初は被害者と共に仲が良かったが、同級生の女の子が『あ、キモい』と言い出してきたのが原因でいじめに繋がった[8]

少年A (13歳[注釈 4])Aと違うクラス

少年B (13歳[注釈 4]) Aと同じクラス

少年C (13歳[注釈 4]) Aと同じクラス

少年D (12歳[注釈 4]) Aと違うクラス

少年E (12歳[注釈 4]) Aと同じクラス

少年F (12歳[注釈 4]) Aと同じクラス

9月

8日グランドで綱引きの予選があり、綱引きの順番を待っている時、何度か座っているAの後ろから少年Cがヘッドロックした場合、横に回した腕がAのあるいは首の部分を圧迫するようになる。力をかけて後ろに倒すということがあった。

少年Bが倒れてAの上に乗って肩を押さえていた。また少年Bもヘッドロックをかけたことがあった。その後、少年Bは毎日のようにAに対してヘッドロックをかけ、後ろに倒すということをしていた。

しかしAが少年Bに対して同様のことをすることはほとんどなかった。

少年Bは、一学期の際はAとプロレスごっことして、お互い立って互いの肩に手を乗せた状態から足でこかすということをしていたが、9月になってからは倒すだけではなく、仰向けやうつ伏せになった状態から抜け出せるかということをするようになった。

対戦は少年Bの方がAの上になることが多かったが、Aが入れ替わって行うこともあった。このような行為はAが嫌がることもあったが、休み時間ではほぼ行っていた。

教室のAの席の辺りで少年B、少年C、少年E、少年Fが集まっていたところ、少年CがAに「お前、きもいな。」 「ほんま、お前きもいねん。」とAの肩を叩いていた。

また、少年CはAを見て「イライラする」「やられているのにニコニコして嬉しがっているみたいで腹が立つ」と言っていた。

少年BがAを押さえつけ、Aの腹を殴って「やり返してこい!」と言うことが起こり、二学期になってから同じような事がおよそ20件ほどあったが、Aはやり返すことはなかった。

部活動が休みの日に少年A、少年B、少年C、少年Eの4人が、スーパーマーケットでペンやお菓子などを窃盗した。

この頃から、昼休みや10分休憩時にトイレや教室の後ろで、少年Bと少年CがAに対し「トイレに行こう」と誘うようになった。他の生徒2人ないし4人が同行した。

トイレに来たAに少年Bらが何も言わずに一発殴り、抵抗しないAに「やり返してこないのか。」と挑発した。Aが反応しないのを見て少年Bがきつく叩き始めた。

10回程度殴られるとAも抵抗し始めた。少年Bからの挑発に乗ってAが殴り返さないと止めてもらえないのでAも手を出し、以後本気での殴り合いとなった。そしてAが泣きそうになったら殴るのを止めた。

挑発するまでは少年B、少年Cの2人で殴り、本気で殴り合いをするのは少年Bであった。少年Bが挑発をするように教室の後ろで殴り合った後、トイレで本気の殴り合いをすることもあった。

Aはほぼ一方的にやられていて、本気で殴り返したのは1回だけであった。こうした時、少年BがAのメガネを取って投げた。場所はトイレの奥で、少年B・少年C以外の者は手前の洗面所で見ているだけであった。

これらの行為は文化祭が行われた9月28日の前後でおよそ5回ほどあった。

当該クラス教室の清掃ロッカー近くで少年Aと少年Bが殴り合いをしていた。Aのメガネを少年FがAの顔から奪い取って持っていた。少年Cが扇動していた。本気の殴り合いであった。少年BがAの顔面を右の拳で2発殴った。

少年Cが「Aもやり返せよ。」と言うので、Aが顔面を1発殴り返したが、相打ちで少年Bの顔に軽く当たった。続いて、少年Bが3発顔面を殴ったのを見て、少年Cは笑っていた。

少年BがAの肩を持って屈ませた状態でAの腹を1回膝蹴りした。この状況をクラスの生徒の半分以上は見ていた。

当該クラスの教室前廊下後ろ入口付近でAがうつ伏せで横になり、その上に少年Bが跨がり、Aの首を絞めていた。

Aは苦しそうだった。少年Cは傍に立って笑っていた。その周りには生徒がたくさんいた。

10分休みの時間にクラスの生徒がAのメガネを隠しながら回し合っていた。こうした行為はほぼ毎日行われ、1日に2回行われることもあった。メガネを奪うのは、最初は少年Bと少年Cであった。

その後、少年E・少年Fにも回っていく。メガネを奪われ回されてしまったAは、視力が悪いことから机にうつ伏せるようにしていた。

少年B・少年CがAに「〔クラスの一人の女子生徒に〕告白しなければ友達やめるぞ」と言い、更にその女子生徒に聞こえるように「告れよ!」と言っていた。Aは「そんなん無理やし…」と言うと

少年Bと少年Cが「あいつ〔女子生徒〕やばいしな。」と言っていた。こうした行為が3回ほどあった。

廊下で少年Bと少年CがAに「〔他のクラスの生徒に向けて〕土下座しろ。」と強用した。Aは、「すいませんでした!」と2回ほど叫んだ。

A達の担任は教室清掃の時間にAの机から物が落ちてきたのを確認し片付けをした際、机の中に教科書と一緒にぐちゃぐちゃになった成績カードがあったことを確認した。

成績カードの提出日の前日、少年Bと少年CがAの机の側に立ち、少年CがAの机からAの成績カードを取り出し、それを破っていた。成績カードの提出日にAは担任に対し「なくしました」と言った。改めて担任はAに成績カードの提出を求めたところ、Aは「どっかいった」と答え、担任が以前に前述のぐちゃぐちゃの状態の成績カードを確認したことを言うと、Aは「知らん。」と答えた。

その後、9月末か10月の初旬に、Aはビリビリに破られた成績カードを同級生にノートの切れ端やセロテープで貼り付けて直してもらって提出した。その際担任がAに「どうしてこんなに酷い状態になったか。」と聞くと、Aは「分からん」と答えた。担任はそのカードを預かった上、古いカードを処分して新しいカードを作成した。

Aの首に腕を回して上に上げていた。こうした時、傍らには少年Cがいた。

こうしたプロレスごっこを見た一人の先生は、だいたいAがやられる側で表情が真剣だったので、止めたことが何度かあり、その度に学年に連絡した。文化祭(9月28日開催)前、当該クラス前の廊下で。少年A、少年B、少年C、あと2人が固まっていた。少年Cが厳しい表情でAを拳で顔を一発殴った。その後少年CがAを倒し、起き上がろうとしたところを、上靴のまま顔を踏みつけ、その勢いでAは頭を廊下に打ち付けメガネが飛んだ。

その後。Aは泣いていた。後から少年Cに「あれ、やばない。」と声をかけた生徒に対して。少年Cは「大丈夫、あれ遊びゃし。」と言った。次の授業の際。Aの右首辺りが赤くなっていたので、担当の輔が「首どうしたの?」と聞いた際Aは嘘をついた。

この頃。少年Cが、仰向けになっているAの上にまたぐように乗り、これに対しAは抵抗せず寝ころび、うらやましそうな表情をしていたことがあった。この頃から教室に物を置いて「俺も行こう。」と言って当該クラスの前に行くようなった。

この頃、少年Cが笑いながら前からAを蹴ったことがあった。また、少年Cは笑いながらAを何度も殴っていた。Aは「やめてよ」と言っていたが、笑っているように見えた。この頃のある日の5時限が始まる昼休みの終わりに、教室の後ろで、少年BがAの顔を手拳で殴っていた。少年Cは少年Bの後ろに立ってこれを見ていた。少年Bは何回も顔ばかり集中的に拳で殴った。殴っていた部位は、Aのメガネの周りやほほの辺りであった。この時、少年Bも少年Cも笑っていた。

Aが少年Bにやり返そうとするが、反撃する勢いはなく、Aがやり返すと少年Bが更に力を強くして何回も殴っていた。

この頃のある日の数学の授業の終わり頃。Aの前に座っていた少年Cが後ろを振り向いたときにAの顔にペンが当たりラインがついた。Aは教員に「トイレに行っていいですか」と許可を求めたのに対し、教員は「だめだ」と言ったがAはそれを無視して洗いに行った。


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