大津川_(千葉県)
[Wikipedia|▼Menu]

大津川
中の橋より下流方
水系一級水系 利根川
種別一級河川
延長11.9 km
平均流量0.25 m³/s
(下橋 2000年
流域面積35.9 km²
水源鎌ケ谷市くぬぎ山付近
水源の標高25 m
河口・合流先手賀沼柏市
流路千葉県鎌ケ谷市・柏市
流域千葉県鎌ケ谷市・柏市・松戸市
テンプレートを表示

大津川(おおつがわ)は、千葉県鎌ケ谷市柏市を流れる利根川水系の一級河川手賀川流域の24.2%を占め、手賀沼最大の流入河川となっている[1]
地理

鎌ケ谷市くぬぎ山5丁目、くぬぎ山駅東口を水源としゆるやかに東流する。源流部は串崎新田水路という名称であり、周辺は鎌ケ谷市北部の畑地や果樹園が集中する地域である。串崎新田水路は北初富駅北部にて入道溜水路へ流入し、粟野の鎌ケ谷市立第三中学校裏手付近にて松戸市五香六実を起点とする柳沢水路(小池橋水路)を合わせ大津川(準用河川指定区間)となる。続いて鎌ケ谷市立北部小学校手前で、南初富4丁目を起点に鎌ケ谷市街地を北流してきた長谷津水路を合わせ、流れを北へ変える。流路の広がった大津川は母路橋より左岸プロムナード区間(大津川緑道)となり、終点の白幡橋より一級河川指定区間となる。更に佐津間付近で松戸市境より流れてきた南木戸水路を合わせ、柏市へ入る。低木の覆う谷地を流れていた大津川は水田地帯を流れるようになり、両岸は一部歩道とされている。高柳北部にて上大津川と合流する。河川改修による整備が進み、河川幅が拡がった流路に左岸から多くの雨水幹線が注いでおり、流量が増加してゆく。柏市中心部から続く市街地と大津ケ丘市街地に挟まれた低地を進み、河口の手賀沼へ注ぐ。

源流部の水路が集まる地域から、佐津間落(さつまおとし)という別名がある。流路延長11.9kmのうち、準用河川指定区間は1,290m、一級河川指定区間は7,900m(鎌ケ谷市内1,107m・柏市内6,793m)となっている。大津川を形成する各水路の延長は、串崎新田水路・入道溜水路2,700m、柳沢水路(小池橋水路)2,038m、長谷津水路2,730m、南木戸水路1,200mである[2]。支流の上大津川(柏市内3,200m)と、高柳新田貯留池に接続する上大津川支川(柏市内160m・松戸市内246m、松戸市内における名称は「上大津川」)も準用河川に指定されている[3]
治水河口付近、奥はヒドリ橋(大津川橋より下流方)
手賀沼土地改良事業

かつての大津川は河川幅3 - 4mほどで蛇行しており、耕作道もあまり整備されていなかった。当時の用水源は湧水・雨水・河川からの汲み上げ水の他、昭和初期に下流部に設置された「竜巻の堰」からの導水を灌漑用水として中下流部で使用していた。ところが昭和30年代以降の高度経済成長により、これらの水量は減少するとともに水質汚濁が進行し、農業用水確保が困難となっていった。また流下能力不足で降雨時には氾濫を起こすようになった。

この頃になると手賀沼沿岸の水害抑止のため、国営手賀沼干拓土地改良事業によって1956年(昭和31年)に手賀排水機場が完成。これに伴って周辺の基幹用水施設の整備が進んだ。手賀沼南部においては泉揚水機場が1963年(昭和38年)度より着工し、柏市・沼南町白井町(当時)に跨る900ha以上の耕地において農業用水が確保される運びとなった。そして大津川沿岸の農家408名が1964年(昭和39年)3月に手賀沼土地改良区へ編入され、大津川工区の設立とともに県営圃場整備事業が開始された。大津川については1965年(昭和40年)2月26日告示で宮下橋より下流3,500mが一級河川に指定され[4]、河道拡幅や農道・用排水路整備が進んだ。これらは関係農家の減歩によって用地確保が行われたことによる。圃場整備事業は1970年(昭和45年)3月に完了し、暗渠排水工事・大津川架橋といった附帯工事の後、1978年(昭和53年)度に全事業が完了した。総事業費は7億7800万円、うち25%が地元負担となった[5]
中下流部の河川整備宮下橋より下流方、河川改修により拡幅されている河川改修の進む大津川(芦川橋より上流方)

大津川では、中下流域周辺の台地部の都市化に伴って流出が増加し、浸水被害が頻発するようになった。そのため千葉県は1980年(昭和55年)4月5日告示改正で一級河川指定区間を白幡橋まで延長し、同年度から広域基幹改修事業として河川改修を進めている。関根橋より下流5,640mを全体計画区間とし、河口より用地取得・堤防整備・橋の架け替えなどを実施している。2000年(平成12年)度には千葉県・沼南町・柏市やボランティア団体等で構成された「大津川多自然型川づくり懇談会」が組織され、大津川遊歩道などの環境整備について検討されている[6]。その後河川改修は2005年(平成17年)度に総合流域防災事業として見直しが行われ、現在も続いている。

大津川の西部では東武野田線沿いに宅地造成が進み、雨水流出増加に対応するため柏市が雨水幹線の整備を進めている。大津川左岸には第1排水区から第8排水区までの排水区が設定されており、1号が戸張、2号が東柏・八幡町、3号が永楽台豊四季(南部)から日立台名戸ケ谷にかけて、4号が芝浦方面(増尾・中原台・酒井根)、5号が南ケ丘(増尾7・8丁目)、6号が逆井・藤心、7号以降が上大津川周辺(藤心・高柳)に係るものである[7]。中でもメインの幹線は3号から6号にかけてのものだが、これらは本流の河川改修が進んでいなかったことから公共下水道としての整備が長らく行われなかった。河川改修が中流部まで進むと、2000年(平成12年)度に放流協議が開始され、事業認可を得てゆくこととなったが[8]、千葉県による河川改修計画の見直しの影響もあり認可は進まなかった。そのため大津川左岸第3号雨水幹線では柏市の単独事業に切り替え、2004年(平成16年)度から2006年(平成18年)度までの3年間整備が行われた[9][10]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:39 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef