大正天皇実録
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『大正天皇実録』(たいしょうてんのうじつろく)は、宮内省図書寮編集課[1][2][3]により編纂された大正天皇の伝記(実録)である[4]
概要大正天皇

編纂作業は1927年(昭和2年)7月から5年計画で始まり[5][6]、恒常的な人員不足と資料収集の難航により、1931年に完成予定を3年延長し1935年に[6][4]、1934年には更に完成予定を3年延長し1937年に変更された[6][4]。最終的に2度計約5年半の延長を経て、「大正天皇十年御式年祭」(同年12月25日)に併わせて実録本文85冊を完成させ1936年(昭和11年)12月23日に天皇昭和天皇)、皇后香淳皇后)、皇太后貞明皇后)に捧呈されている[4][7][8]。その後、1937年12月に年表2冊、索引7冊、実録資料稿本218冊66,897ページ[9]の編修を終え[8][4]、同年に正誤表1冊も作成され[10]実録が完成[11][12][3]、同年12月27日に年表2冊、索引7冊が皇室に奉呈されている[8]。1938年に編修事業は完了した[4]。大正天皇実録は、本文85冊・計5,098ページ[13][11]、年表2冊(上下各1冊、515ページ[9][14][15][注釈 1]、索引7冊825ページ[9]、正誤表1冊の計95冊[18][19][注釈 2]・計6820ページ[13][25]からなっており、編年叙述体で編纂されている[4][8][26]。大正天皇実録の冊数、完成年などの詳細は2001年12月に初めて公表されている[12]。全巻(最終稿本[注釈 3])が皇居内の宮内公文書館に所蔵されている[28]

『大正天皇実録』は「大正天皇の事跡を、皇室のために後世に残す」ということが目的であった[3]。1937年(昭和12年)の完成後半世紀以上にわたって非公開であったが、2001年(平成13年)の情報公開法施行後に一部黒塗りの上で2002年(平成14年)から2011年(平成23年)にわたって4回に分けて初めて公開され(後述の実録公開の経緯を参照)、2015年(平成27年)にも黒塗り部分の範囲を減らして再び公開されている[4][29]

なお、『大正天皇実録』は実録が制作された昭和天皇までの124代の全ての歴代天皇実録の中で唯一未刊であったが[30]、公刊本は2016年(平成28年)12月から2021年(令和3年)2月にかけ、宮内公文書館所蔵の実録本文85冊の部分を修訂(原文カタカナからひらがな表記に変えるなど)を行い、ゆまに書房で出版(全6巻、別巻(総索引ほか)は未刊)された[4][27]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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