大日本帝国憲法第31条(だいにほん/だいにっぽん ていこくけんぽう だい31じょう)は、大日本帝国憲法第2章にある。臣民の権利義務は、戦時・国家事変の場合に制限されることを規定した。これを非常大権という。ただし実際に発動されることはなかった。
日本国憲法では、国民の権利に対する制限は法律の留保とともに廃止され、公共の福祉による制限と濫用の禁止のみが明記された。 .mw-parser-output .lang-ja-serif{font-family:YuMincho,"Yu Mincho","ヒラギノ明朝","Noto Serif JP","Noto Sans CJK JP",serif}.mw-parser-output .lang-ja-sans{font-family:YuGothic,"Yu Gothic","ヒラギノ角ゴ","Noto Sans CJK JP",sans-serif}本章ニ?ケタル條規ハ戰時又ハ國家事變ノ場合ニ於テ天皇大權ノ施行ヲ妨クルコトナシ 本章に掲げた条規は、戦時又は国家事変の場合において、天皇大権の施行を妨げるものではない。 本条の非常大権は、一面においては国家事変に際して兵力をもって反抗者を征服しうべきことを認めるとともに、他面においては戦時又は事変に際して軍事上の必要のために兵力をもって法律によることなく人民を統治しうべきことを認めたものである[1]。 非常大権について、大日本帝国憲法14条の戒厳大権と本条の非常大権を併せて広義の非常大権とし、本条の非常大権を狭義の非常大権と定義することもある[2]。 本条の原案は、ロエスレル草案62条の「本章ノ規定ハ天皇ニ属スル特権ノ施行ヲ変更セズ」という規定である[3][4]。その後、伊藤博文、井上毅、伊東巳代治、金子堅太郎が作成した夏島草案(8月草案)63条においては、「本章ニ掲クル前諸条ノ規定ハ天皇大権ノ施行ヲ変更スルコトナク又安寧秩序ヲ維持シ又ハ公然ノ必要ノ為適当ノ制限ヲ設ケ及戒厳ノ時ニ於テ一時停止処分ヲ行フコトアルヘシ」と修正された[5][4]。井上毅は、「逐条意見」において、夏島草案63条がプロイセン憲法
原文
現代口語訳
解説
概要
沿革
本条に相当する規定をプロイセン憲法に求めるとすると、戒厳の宣告について規定したプロイセン憲法111条がほぼこれに相当する[18]。