この項目では、『大日本サムライガール』について説明しています。2001年に放送したテレビアニメ『SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール』については「召喚教師リアルバウトハイスクール」を、2010年に放送したテレビアニメ『百花繚乱 サムライガールズ』および原作小説については「百花繚乱 SAMURAI GIRLS」をご覧ください。
大日本サムライガール
ジャンル政治小説
経済小説
芸能小説
小説
著者至道流星
イラストまごまご
『大日本サムライガール』(だいにほんサムライガール)は、至道流星による日本のライトノベル。イラストはまごまごが担当。ウェブサイト『最前線』(星海社)にて、2012年7月から連載が開始され、星海社FICTIONS(星海社)から全9冊が刊行された。2015年7月からは、文庫版(星海社文庫)が刊行されている。 日本を根底から変えることを目標に政治の頂点に君臨することを目指す女子高生が、メディア露出によって自らの政策を世に拡め政治結社の党員を集うためアイドルへと転進しタレント業で世間を席巻していく姿を描く。出版社の作品紹介や星海社FICTIONS版第1巻の帯では「“政治・経済・芸能”エンタテインメント」と銘打たれている。第1巻のあとがきにて著者は、本作に登場する国家、人物、人種、企業、政党、宗教、組織は実在のものとは一切関係が無く、特定の思想、国家、企業、宗教を支持、批判、推奨する意図は無い旨を説明している。 作品の登場人物である神楽日毬が作中で開設するブログや政治結社のウェブページを実際に作成し公開したり[2][3]、日毬が作中で行う街頭演説をアニメーションで再現しインターネット動画共有サービスで公開したり[4]、作中での日毬の音声配信サービスを前述のブログにて同様に行う[5]など、作品中で行われる日毬の政治活動・タレント活動が星海社のウェブサイト『最前線』内の特設サイトにて再現・公開されている。 2012年11月からは、芸文社の発行する無料情報誌『自衛隊応援クラブ 日本最大の総合広告代理店「蒼通」に勤める織葉颯斗とその部下健城由佳里は営業先の防衛省本部前で、たった一人で街頭演説を行う女子高生・神楽日毬と遭遇する。颯斗と由佳里は日毬の美貌を見込み、日毬に防衛省の広報ビデオへの出演を打診。政治活動の活動費の工面に苦労していた日毬は出演を了承する。直後に颯斗は父親との確執から蒼通を退社、一族の力が及ばないところで父親と勝負しようとするものの次の仕事の予定は無し。由佳里の提案もあり、颯斗は日毬のために芸能プロダクションを設立し、日毬の芸能界での成功を、果てには「日本政治の根本からの覆し」という日毬の目的を実現させるため芸能事務所社長としての一歩を踏み出す。
概要
あらすじ
登場人物
「ひまりプロダクション」関係者
織葉 颯斗(おりば はやと)
本作の主人公で語り部。日本最大の総合広告代理店「蒼通」入社5年目の26歳。官公庁の営業を担当する事業部に所属。東証一部に上場している「東王印刷」の経営一族出身で、実家は千代田区にある4階建ての豪邸。現在の東王印刷経営者である父親・練の帝王学を学びながら富裕層として育ってきたが、練とはウマが合わず反発し、練の面前では感情が昂ることが多い。練から離れるために学生時代から一人暮らしをしており、学費以外は自分で捻出するなど経済的にも練に依存することを嫌っている。就職してからは銀座の外れに1LDKを借りて生活してきた。経営者としての織葉一族の跡継ぎを弟である悠斗にするという練の意向には兄としてのプライドから複雑な感情を抱きつつも、練の経営者としての判断の正しさを認め、反発せずに相続放棄の同意書にサインをした。そして、織葉一族の力が及ばないところで練と勝負するため蒼通を辞める決意をする。蒼通退社後は由佳里の提案で、日毬のための芸能プロダクション「ひまりプロダクション」を設立し社長に就任した。その際に銀座の賃貸を引き払い、ひまりプロダクションが入る四谷三丁目のワンルームを自宅兼事務所にした。後にはプロダクション事業の傍ら、所属アイドルの家族が経営する会社の事業再生も行うなど、経営者として敏腕を発揮する。第6巻にて、ひまりプロダクションの取締役社長を退き、代表取締役に就任した。政治的には右派的な考えで、エドマンド・バーク、フリードリヒ・ハイエクの流れを汲む新自由主義・新保守主義の思想を持つ。