大文字と小文字
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「文字の大きさ」や、「全角と半角」とは異なります。
小文字の"a"と大文字の"A"

大文字と小文字(おおもじとこもじ、アッパーケース文字とローワーケース文字)は、アルファベットにおける同一字母の2つの表現形である。同じ字母の大文字小文字は同じ文字の代替表現であり、同じ名前と発音を持ち、アルファベット順に並べ替える際には同じように扱われる。多くの場合、アルファベットに属する全ての文字は大文字と小文字の2つの形を持つ。大文字と小文字の区別のことをレターケース(letter case)という。「大文字」および「小文字」も参照

一般的には大文字と小文字は混在させて使用され、読みやすさを考慮して大文字と小文字の両方を使用する。大文字と小文字の選択は、言語の文法や特定の分野の慣習によって規定されることが多い。正書法では、大文字は主にの最初の文字や固有名詞の語頭のような特別な目的のために使用され、それ以外については小文字を使用するのが一般的である。

いくつかの分野では、大文字か小文字のどちらかのみを使用することが慣例となっている。例えば、工学分野の設計図は、一般的に全て大文字でラベル付けされている。一方、数学では、大文字はオブジェクト間の関係を示すことがあり、しばしば上位のオブジェクトを表すのに使用される(例えば、Xは要素xを含む集合を表すなど)。
用語.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}大文字用のケースと小文字用のケース活字ケースの配置

英語においては、大文字をuppercase(アッパーケース)、小文字をlowercase(ローワーケース)という。これらの用語は、「活字ケース(英語版)」と呼ばれる、活版印刷用の活字を収納するための引き出しの一般的なレイアウトに由来している。伝統的に、大文字の活字を入れたケースは、小文字のケースの上に配置していた[1][2]

古書体学において、アセンダーやディセンダーがほとんどない、もしくは全くないもの(バチカン写本ケルズの書など)をマジャスキュール(majuscule ([m??d??skju?l], [?mad??skju?l]))という。その視覚的なインパクトのため、マジャスキュールという用語は、後に一般的に「大文字」と呼ばれるようになったもののことも指すようになった。

それに対して、ミニュスキュール(minuscule)は小文字のことを指す。この単語は、ミニチュア(miniature)や接頭辞mini-との混同から、miniscule(ミニスキュール)と綴られることが多い。これは伝統的にスペルミスとみなされてきたが(minusculeの語源はminusであるため[3])、現在では非常に一般的であり、一部の辞書では非標準または変形スペルとして受け入れられている[4]
タイポグラフィにおける考慮

小文字のグリフは、大文字のグリフを単に小さくしただけの場合(“C”と“c”、“S”と“s”など)もあれば、一見ほとんど関係ないように見える場合(“D”と“d”、“G”と“g”など)もある。以下に英語アルファベットの大文字と小文字を上下に並べたものを挙げる(正確な表現は、使用する書体フォントによって異なる)。

大文字ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
小文字abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
アセンダー(この例では“h”)やディセンダー(この例では“p”)があるため、小文字の高さは様々である。

タイポグラフィ的には、大文字と小文字の基本的な違いは、大文字が大きくて小文字が小さいということではなく、一般的に大文字は高さが全て同じであるということである。ただし、書体によっては例外もあり、特に“Q”や“J”はベースラインよりも下にはみ出る場合もある。また、様々なダイアクリティカルマークは文字の通常の高さに追加することができる。

小文字の高さには、一般的な小文字の高さよりも上にはみ出るもの(アセンダー)や下にはみ出るもの(ディセンダー)があるため、バリエーションが多い。通常、b,d,f,h,k,l,t[注釈 1]はアセンダーを持つ文字で、g,j,p,q,yはデセンダーを持つ文字である。また、一部の伝統的なフォントや古典的なフォントで使われている旧式の数字では、6と8がアセンダーを持ち、3、4、5、7、9がディセンダーを持つ。
大文字と小文字の使い分け筆記体のキリル文字1927年から1938年まで使用されていた、ラテン文字を元にしたアディゲ語のラテンアルファベット。ラテン文字の大文字に似た文字もあるが、全て小文字である。

ラテン文字ギリシア文字キリル文字コプト文字アルメニア文字、アドラム文字(英語版)、ワラング・クシティ文字チェロキー文字、オサジ文字(英語版)を使用している言語では、文字の明瞭性と読みやすさを高めるために、大文字・小文字の区別をしている(bicameral scripts)。また、かつて使われていたデザレット文字にも大文字・小文字の区別があった。グルジア文字にはいくつかのバリエーションがあり、それらを別の大文字とする試みもあったが、現代のグルジア語の書き言葉では大文字と小文字を区別していない[6]

他の多くの言語では、大文字と小文字の区別がない(ユニケース(英語版))。これには、ほとんどの音節文字やその他の非アルファベット文字が含まれる[注釈 2]

大文字と小文字の区別がある文字では、一般的にテキストの大部分には小文字が使用され、大文字は文頭や固有名詞の語頭など、限られた場所でのみ使用される。また、強調表現で大文字が使用されることもある。頭字語は全て大文字(オールキャップス)で書かれることが多い。
キャピタライゼーション詳細は「en:Capitalization」を参照

キャピタライゼーション(capitalisation、大文字化)とは、単語の最初の文字を大文字にして、残りの文字を小文字にして書くことである。大文字表記のルールは言語によって異なり、非常に複雑であるが、大文字表記を採用している現代のほとんどの言語では、全ての固有名詞および全てのの最初の単語の1文字目を大文字で表記する。

英語の大文字表記は、文脈に関係なく一般的な正書法のルール(例:タイトルと見出しと本文)に基づいて、形式的な文章では普遍的に標準化されている。文の頭文字、固有名詞、固有形容詞の頭文字を大文字にする。曜日や月の名前の頭文字や、一人称代名詞のI[7]感動詞の"O"も大文字で表記される(後者は現代ではあまり使用されず、"oh"と表記されることが多い)。1文字目の大文字と小文字の区別だけで意味が変わる単語の組がいくつかあり、これをキャピトニムという。敬称や地位や威信を示す個人の肩書きは、人名と一緒に使用する場合や直接の挨拶として使用する場合には大文字になる(例えば、Mr. Smith、Bishop O'Brien、Professor Mooreなど)が、単独で使用する場合やより一般的な意味で使用する場合には通常は大文字にはならない[8][9]。また、一神教を指す単語(文脈によってはそれを指す代名詞でさえも[10])は、頭文字を大文字にする(例:“God”)のが慣例となっている。

その他の単語は通常、小文字で始まる。しかし、見出しや出版物のタイトルなど、強調するために大文字を使用する場合もある(下記参照)。いくつかの伝統的な詩の形式では、文法的な特徴とは無関係に、詩の行の始まりを示す目印として大文字が使われてきた。

ドイツ語では、固有名詞を含めて全ての名詞が大文字で始まる。英語においても、主に17?18世紀には重要な名詞を大文字で始めることが一般的であった。ロマンス語や他のほとんどのヨーロッパ言語では、曜日の名前、月の名前、および国籍や宗教などの形容詞は、通常、小文字で始まる[11]。いくつかの言語では、De、Dem(デンマーク語)、Sie、Ihnen(ドイツ語)、Vd、Ud(スペイン語におけるustedの略)などのように、フォーマルな敬語代名詞の頭文字を大文字にする習慣がある。
特別な文字と二重音字


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