大怪獣バラン
Varan the Unbelievable[出典 1][注 1]
監督
本多猪四郎(監督)
圓谷英二(特技監督)
脚本関沢新一
原作黒沼健
製作田中友幸
出演者
野村浩三
園田あゆみ
千田是也
平田昭彦
村上冬樹
松尾文人
音楽伊福部昭
撮影
小泉一(本編)
荒木秀三郎(特撮)
有川貞昌(特撮)
編集平一二
製作会社東宝[注 2][出典 2]
配給東宝[注 2][6][8]
公開
1958年10月14日[出典 3]
1962年[1]
上映時間
87分[出典 4][注 3]
70分[1]
製作国 日本
言語日本語
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『大怪獣バラン』(だいかいじゅうバラン)は、1958年(昭和33年)公開の東宝が制作した怪獣映画[10][12]。モノクロ、東宝パンスコープ作品[出典 5][注 4]、同時上映は『僕は三人前』[出典 6][注 5](脚本:井上薫、新井一 / 監督:瑞穂春海 / 主演:フランキー堺 / 東京映画作品)。
ストーリー(英語版
杉本博士の助手の魚崎、犠牲になった所員の妹で記者の由利子、カメラマンの堀口の3人は真相を解明すべく現地へ向かい、外部から隔絶された集落・岩屋村の人々と出会う。部落の神主は湖に眠る伝説の怪物・婆羅陀魏山神の祟りを警告して魚崎たちを追い払おうとし、湖付近で行方不明になった部落民の子供すら見捨てようとするが、迷信に固執する彼らの言動に激怒した魚崎は、部落民たちを扇動して子供の救出に向かう。しかし、彼らの前に怪獣バランが湖から出現して部落を破壊したうえ、ただちに出動した防衛庁の砲撃をものともしない。逃げ遅れた由利子と魚崎が窮地に陥る中、杉本の指示で発射された照明弾によってバランは山頂へ誘導されるが、手足から被膜を広げて飛び去っていく。
その後、銚子沖に現れたバランを東京湾にて迎え撃った自衛隊の護衛艦隊による執拗な爆雷攻撃もその強靭な表皮には無力だったため、藤村博士の開発した特殊火薬の使用が提言されるが、藤村自身は効果に懐疑的な見解を示す。
バランはついに羽田空港へ上陸し、その都心侵攻を阻止すべく自衛隊も空港に布陣して総攻撃に出る中、ようやく特殊火薬が到着する。魚崎がトラックを利用した爆破攻撃を仕掛けるが、藤村の懸念通りバランの表皮には通用しない。しかし、杉本が部落での経験から照明弾内に時限装置付きの特殊火薬を仕込む作戦を提案する。これが功を奏し、照明弾を2発飲み込んだバランは東京湾へ逃げ込んだところで体内から爆破され、死亡する。こうしてバランの脅威は去ったものの、同時に人類はその存在の謎を解明する手段を永久に失ったのだった。
むささび怪獣 バラン飛膜を広げたバラン
諸元バラン
VARAN[出典 8]
別名
東洋の怪物[30][16]
東洋の大怪獣[出典 9]
むささび怪獣[出典 10]
ムササビ怪獣[12][25]
大怪獣[17]
身長50 m[出典 11][注 7]
体重1万5千 t[出典 12][注 8]
飛行速度マッハ1.5[出典 13]
出身地
北上川上流[出典 14]
北上川上流の湖[37][24]
北上川上流岩屋村[23]
岩手県山奥湖中[32]
岩屋村近くの湖[16]
東北地方の湖[26]
出現地岩屋村[17]
中生代の水陸両棲の動物や人間を捕食する肉食の巨大爬虫類[出典 15][注 9]バラノポーダの生き残りで[出典 17]、岩手県北上川上流の湖に棲み、外部から隔絶された集落で破羅陀巍山神(バラダギさんじん、「バラダギサマ」とも称される)として土着信仰されていた[出典 18]。頭から尻尾の先まで背中を甲羅のように厚い皮膚が覆い、スリムではあるが筋肉質な手足の指は人間と同様に5本となっている[40]。顔の周りの角と頭から背中にかけて半透明の長い有毒のとげが特徴で、通常は四足歩行だが二本足で立ち上がることや、ムササビのように体側部と腕と後ろ脚の間に薄い飛膜を広げて音速で滑空することもできる[出典 19]。陸海空で活動できるのが特徴である[出典 20]。身体が柔らかく、爆雷などの攻撃を無力化する[16]。
研究員たちを襲ったことがきっかけで正体が判明し、自衛隊の攻撃で眠りを覚まされて集落を破壊して飛び去ったあと、銚子沖や浦賀水道から羽田空港に上陸して暴れるが[29]、光る物を飲み込む習性を利用され、科学者の藤村博士が作った強力な特殊火薬が仕込まれた照明弾を飲み込み、内部から爆破されて死亡する[出典 21]。