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大岡 玲(おおおか あきら、1958年10月16日 - )は、日本の著作家、イタリア文学者。東京経済大学教授。
妻は料理研究家の冬木れい。父は詩人の大岡信。母は劇作家の深瀬サキ。妹は画家の大岡亜紀。祖父は歌人の大岡博。 詩人・大岡信と劇作家・深瀬サキの長男として東京都三鷹市に生れる。 中学・高校時代は、文学少年であると同時に、小林信彦の影響を受けた映画少年でもあった。武蔵中学校・高等学校卒業。高校の同級生に有近真澄がいた。 2年の浪人の後、浪人時代に読んだイタロ・カルヴィーノの影響で、東京外国語大学外国語学部イタリア語学科へ入学。大学時代から小説を書き始める。卒業後、同大学大学院外国語学研究科ロマンス系言語専攻修士課程修了。 1987年「緑なす眠りの丘を」が雑誌『文学界』に掲載され、作家デビュー。続いて執筆した第2作『黄昏のストーム・シーディング』で1989年に三島由紀夫賞を受賞。1990年には「表層生活」で芥川賞を受賞し、初めてこの両賞を受賞した作家となった。 その後、『無作法になり切れない人のための五つの短篇』(1992年)所収の「ジンベイザメになりたかった」で川端康成文学賞、『ブラック・マジック』(2002年)で谷崎潤一郎賞の候補作に挙げられたが、受賞は逸している。『ヒ・ノ・マ・ル』(1992年)は、1997年にSeuil社から仏訳が刊行された(仏語タイトル:「SOLEIL LEVANT」)。 小説以外では書評の執筆が多く、『毎日新聞』「今週の本棚」の執筆メンバーを1993年から2008年まで務めた。また、美術にも造詣が深く、NHK『日曜美術館』の司会(1995年 - 1997年)や、報道・情報番組のコメンテーターとして出演している。そのほか、グルメエッセイ、釣りエッセイの執筆、イタリア語の翻訳なども手がけている。 2006年から東京経済大学経営学部教授。担当は、日本文学など。
略歴
著書
小説
『黄昏のストーム・シーディング』文藝春秋 1989年 のち文庫
『表層生活』文藝春秋 1990年 のち文庫
『ヒ・ノ・マ・ル』新潮社 1992年
『不作法になり切れない人のための五つの短編』文藝春秋 1992年
『ねぇ、ここ、なおして』講談社 1994年
『森の人』講談社 1994年
『生きがいクエスト1996』岩波書店 1996年
『塩の味』集英社 2000年
『ブラック・マジック』文藝春秋 2002年
『たすけて、おとうさん』平凡社、2015年
評論・エッセイ
『リアルでファジーなファンタジー』ティビーエス・ブリタニカ 1993年
『食味形容語辞典』平凡社 1996年
改題『日本グルメ語辞典』小学館文庫 1999年
『旅ゆけば、酒。』日本経済新聞社 1999年
『女は快楽、男は我慢 大岡玲の恋愛論』講談社 1999年
『ワインという物語』文春新書 2000年/新版 天夢人 2018年
『永遠の夏休み ひかりと本と風と』集英社 2004年
『本に訊け!』光文社 2011年
『文豪たちの釣旅』フライの雑誌社新書 2012年
『男の読書術』岩波書店 2013年
『不屈に生きるための名作文学講義 本と深い仲になってみよう』ベスト新書 2016年
翻訳
トマス・フィッツシモンズ『日本 合わせ鏡の贈り物』(大岡信共訳) 岩波書店、1986年
W.S.モーム『月と六ペンス』小学館(地球人ライブラリー) 1995年