大奥婦女記
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大奥婦女記
著者
松本清張
イラスト棟方志功
発行日1957年3月10日
発行元大日本雄弁会講談社ロマン・ブックス
ジャンル連作時代小説
日本
言語日本語
形態上製本
ページ数248

ウィキポータル 文学

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『大奥婦女記』(おおおくふじょき)は、松本清張の連作時代小説。『新婦人』に連載され(1955年10月号 - 1956年12月号)、1957年3月に講談社ロマン・ブックスより刊行された。春日局の時代から天保期に至る、江戸城大奥の権力をめぐる女性像を描く。
構成

連作各編のタイトルは以下の通り。

第1話『乳母将軍』

第2話『矢島局の計算』

第3話『京から来た女』

第4話『予言僧』

第5話『献妻』

第6話『女と僧正と犬』

第7話『元禄女合戦』

第8話『転変』

第9話『絵島・生島』

第10話『ある寺社奉行の死』

第11話『米の値段』

第12話『天保の初もの』


主な登場人物
大奥関係者


春日局

永光院 (お万の方)

矢島局

飛鳥井局

姉小路局

桂昌院

瑞春院 (お伝の方)

鷹司信子

右衛門佐局 (常磐井局)

月光院

絵島

姉小路 (和宮の大叔母)

周辺人物


徳川家康

徳川家光

徳川家綱

久世広之

酒井忠勝 (小浜藩主)

阿部忠秋

井上正就

徳川綱吉

亮賢

牧野成貞

隆光

柳沢吉保

間部詮房

生島新五郎

脇坂安董

荻原重秀

水野忠邦

エピソード

日本近世史学者の
大石学は「賢い矢島局が三百石を得るという話は『徳川諸家系譜第一』にあるエピソードである。完全な空想ではなく、清張は歴史資料を踏まえている」「大奥の女性が隠れてお寺で男性と会う。作品では、脇坂安董はその事件を摘発したために毒殺されたとあるが[注釈 1]、『大日本近世史料・柳営補任T』でみると、普通に亡くなっている。清張は、こういうフィクションを時々織り交ぜるので、幻惑される」「清張作品を読むと、ああ、この史料、この研究をもとに書いているとわかる。清張は作るのではなく、多くの史料をもとにフィクションを書いている。史実、フィクション含めて、清張の史料を尊重する姿勢は歴史学からも評価していい」と述べている[1]

小説家の森福都は、フジテレビ系列で2005年に放送された時代劇『大奥?華の乱?』を見た勢いで大奥をテーマにした小説も読みたくなり、たまたま本作を探し当てたところ、「ドラマの視聴者もおおいに楽しめる、というよりは登場人物の造形や印象的なシーンなど、『大奥婦女記』と『大奥?華の乱?』の間には響き合う箇所がいくつもあり、脚本家はこの小説を参考にしたに違いないと思えるほどだ」と述べている[2]

脚注
注釈^ かげろう絵図#エピソードを併せて参照。

出典^ “講演 松本清張歴史・時代小説考 - 歴史学・時代考証からのアプローチ-(松本清張記念館館報第51号)” (PDF). 北九州市立松本清張記念館 (2016年3月). 2024年3月31日閲覧。
^ 森福都「絢爛たる策謀の果て」(『松本清張研究』第7号(2006年、北九州市立松本清張記念館)収録)










松本清張の作品
作品リスト

松本清張作品の一覧(刊行順)
推理小説
現代小説

長編

あ行

蒼い描点

蒼ざめた礼服

紅い白描

赤い氷河期

葦の浮船

熱い絹



彩り河

隠花平原



美しき闘争

溺れ谷

 か行

翳った旋舞

影の地帯

花実のない森

数の風景

風の息

風の視線

花氷

神々の乱心

神と野獣の日

ガラスの城

考える葉

黄色い風土

聞かなかった場所

球形の荒野

霧の会議

霧の旗

空の城

草の陰刻

屈折回路

黒い樹海

黒い空

黒い福音

黒革の手帖

黒の回廊

けものみち

幻華

高校殺人事件

告訴せず

湖底の光芒

混声の森

さ行

彩霧

殺人行おくのほそ道

雑草群落

砂漠の塩

山峡の章

時間の習俗


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