夢_(映画)
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Dreams
監督
黒澤明
脚本黒澤明
製作

黒澤久雄

井上芳男

スティーヴン・スピルバーグ

出演者

寺尾聰

倍賞美津子

原田美枝子

いかりや長介

笠智衆

マーティン・スコセッシ

音楽池辺晋一郎
撮影

斎藤孝雄

上田正治

編集黒澤明
製作会社

ワーナー・ブラザース

黒澤プロダクション

配給ワーナー・ブラザース
公開

1990年5月10日CIFF

1990年5月25日

1990年8月24日

上映時間119分
製作国

日本

アメリカ合衆国

言語日本語
製作費$12,000,000
配給収入 3億3,200万円[1]
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『夢』(ゆめ、英題:Dreams)は、1990年に公開された合作映画である。監督は黒澤明。黒澤自身が見た夢を元にした個人的題材の映画で、「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の8話からなるオムニバス形式となっている。黒澤を尊敬するスティーヴン・スピルバーグの協力でワーナー・ブラザースにより世界配給された。
あらすじ
日照り雨

江戸時代を思わせる屋敷の門前で、幼い私は突然の日照り雨にあう。畑仕事帰りの母から冗談交じりに「外へ出ていってはいけない。こんな日には狐の嫁入りがある。見たりすると怖いことになる」と言われるが、誘われるように林へ行くと道の向こうから花嫁行列がやってくる。しかし、木陰で見とれている私の存在を次第次第に意識するそぶりを見せつけてくる行列に、居たたまれなくなって自宅に逃げ帰ってしまう。帰り着いた屋敷は一転して冷たく閉ざされ、門前に立つ母は武家の女然として短刀を渡し、自ら始末を付けるよう告げ、引っ込んでしまう。閉め出された私はさまよううちに、丘の上から雨上がりの空を見上げるのだった。
桃畑

屋敷の広間で姉の雛祭りが行われている。遊びに来た姉の友人たちにお団子を運ぶが、6人来たはずなのに5人しかいない。姉におまえの勘違いだと笑われ、華やかな笑い声に戸惑って台所に逃げ出すと、裏口に同じ年頃の少女が立っている。逃げる少女を追って裏山の畑跡に辿りつくと、そこには大勢の男女がひな壇のように居並んでいた。彼らは木霊で、桃の木を切ってしまったお前の家にはもう居られないと告げ、責める。しかし、桃の花を見られなくなったのが哀しいと告げる私に態度を和らげ、最後の舞を披露してどこかへ去って行く。後には桃の若木が一本だけ、花を咲かせていた。
雪あらし

大学生の私は、吹雪の雪山で遭難しかけていた。3人の山仲間と共に3日間歩き続けたあげく、疲労困憊して崩れ込んだまま幻覚に襲われる。朦朧とした意識の中、美しい雪女が現れ、誘うように問いかけてくる。「雪は暖かい、氷は熱い」と囁かれ、薄衣を被せるように深い眠りへと沈められそうになるが、危ういところで正気に返り、仲間たちと山荘を目指し歩き始める。
トンネル

敗戦後、ひとり復員した陸軍将校が部下たちの遺族を訪ねるべく、人気のない山道を歩いてトンネルに差し掛かると、中から奇妙な犬が走り出てきて威嚇してきた。追われるように駆け込んだトンネルの暗闇で私は、戦死させてしまった小隊の亡霊と向き合うことになる。自らの覚悟を語り、彷徨うことの詮無さを説いて部下たちを見送った私はトンネルを出るが、またあの犬が現れ、吠えかかってきた。私はただ、戸惑うしか無かった。
「鴉」の撮影地となった大空町メルヘンの丘

中年になった私がゴッホアルルの跳ね橋を見ていると、いつしか絵の中に入っていた。彼はどこにいるのか。彼は「カラスのいる麦畑」にいた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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