夜歩く
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この項目では、横溝正史の小説について説明しています。ジョン・ディクスン・カーの同名の推理小説については「ジョン・ディクスン・カー#主な作品リスト」をご覧ください。
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この記事で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。ご存知の方は加筆をお願いします。(2020年10月)

夜歩く
著者横溝正史
発行日1973年3月1日
ジャンル小説
日本
言語日本語
ページ数333
コードISBN 4041304075
ISBN 978-4041304075(文庫本)

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『夜歩く』(よるあるく)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。1948年昭和23年)から1949年(昭和24年)にかけて雑誌『男女』(後の『大衆小説界』)にて連載された。

本作を原作として、2014年3月までに2作のテレビドラマが制作されている。
概要

本作は『本陣殺人事件』、『獄門島』に続く「金田一耕助シリーズ」長編第3作。これらの作品は『八つ墓村』や『悪魔の手毬唄』などと合わせて「岡山編」と呼ばれることもある。

本作は、1948年(昭和23年)2月から5月まで雑誌『男女』で連載、同誌誌名改名後の『大衆小説界』にて6月から11月までおよび翌1949年(昭和24年)4月から12月まで連載された。

横溝には神戸二中時代に西田徳重という探偵小説マニアの友達がいたが、中学卒業後の秋に早世してしまった。横溝はその縁で兄の西田政治氏と文通するようになっていた[1]1945年(昭和20年)の春に岡山県吉備郡岡田村字桜の疎開宅に疎開していた横溝は、8月15日の日本敗戦後、「本格探偵小説の鬼であった」といい、小さなトリックを、つぎからつぎへと思いついては悦に入っていた。さきの西田兄弟はそろって本格探偵小説ファンで、兄の政治氏は「G・Iが売り払っていった古本が、古本屋に山のようにある」と、ポケット・ブックを疎開先にあとからあとから送ってくれた。横溝の本格熱はますます火に油を注がれ、西田氏の送ってくれた本の中に「ガードナーの『夢遊病の姪』があった。これがのちに私の『夜歩く』になった。」と語っている[2]

作者は、『本陣殺人事件』で曲がりなりにも「密室殺人」を書くことができた、今度はどうしても「顔のない死体」を書きたい、それも犯人と被害者の入れ替わりという公式的な結末以上の結末となる作品を書きたいとのことから、まず1947年12月に雑誌『小説』に中編『黒猫亭事件』を発表した。しかし、この作品では他のトリックを組み合わせたことで複雑になりはしたものの、従来の「顔のない死体」の公式に大きくはずれるものではなかった[3]。そこで、改めて犯人と被害者の入れ替わり以上の結末となる作品に挑戦したのが本作である。

しかし、本作の連載途中の1948年6月に高木彬光著『刺青殺人事件』が雑誌『宝石』に掲載され、同じトリックを考えていた作者は本作のデッサンを修正せざるを得なくなってしまった[4]

以上のような経緯によるものか、本作の評価・人気は「岡山編」の中では比較的に低いが、結末の意外性の点で秀でた作品である。戦前の作品に共通する妖異な雰囲気、露悪的ともいえる通俗性により、前作までの『本陣』『獄門島』に比べてドラマ性が高く、支持する読者も多い。

なお、横溝正史は本作を「自選ベスト10」の10位に挙げているが、実際の自選は7位までで、8位以下は文庫本の売れ行き順で決められた。彼は「(それらを)ベスト10に入れるとなると躊躇せざるをえない」とも記している[5]
ストーリー

私こと屋代寅太は、某私立大学で知り合った仙石直記から相談を持ちかけられた。去年の10月3日にキャバレー「花」で佝僂(せむし)の画家の蜂屋小市を狙撃する事件を起こしたのは、腹違いの妹である古神八千代だというのである。

狙撃の理由は、八千代宛に届いた3通にわたる奇妙な手紙にあるようであった。去年の夏ごろ届いたその手紙には、「われ東京へ来れり。近く汝と見参せん。……汝夜歩くなかれ。」と、古神家の内情に精通している者しか知らないはずの八千代の夢遊病のことが書かれており、佝僂の写真が首から上を切られて同封されていた。

そうして私が仙石に連れられて小金井の古神家の屋敷に赴いたところ、仙石の父・鉄之進が酒乱の挙句、日本刀で蜂屋に斬りかかろうとするところに出くわした。妖刀村正」と評判のあるその日本刀で鉄之進がいつか誰かを斬り殺すことを恐れている直記は、その夜、書斎の金庫に村正を隠すことにした。金庫は鍵と文字盤で二重に錠がおりる型のもので、鍵は直記がかけ、文字盤の符号は私が選んだ。これにより、金庫は直記の鍵と私の符号が揃わないと開けられないようになった。

ところがその真夜中、私と直記は夢遊病で洋館の方から歩いてくる八千代を目撃し、翌朝、洋館で蜂屋小市か、同じく佝僂で八千代の異母兄の守衛の、いずれとも判別できない佝僂の首なし死体を発見する。しかもその血まみれの現場には、夢遊病の発作を起こして歩き回ったと思われる八千代のスリッパの跡が残されていた。しかし、昨夜の八千代は凶器を持っておらず、現場にも凶器は残されていなかった。私と直記は金庫の中に村正があるのを確認するが、その刀身には血がべったりと付いていた。直記は鉄之進を疑うが、直記の鍵と私が選んだ符号なしに金庫を開くことは不可能のはずであった。

死体の太股には八千代に撃たれたのと同じ傷痕が残されていたことから、当初その死体は蜂屋のものと思われた。ところが守衛の乳母のお喜多が、守衛は去年の夏、ピストルをおもちゃにして自分の太股を撃っており、死体は守衛に間違いないと言いだしたため、死体は蜂屋なのか守衛なのか分からなくなってしまった。その数日後、私は鉄之進が夜中に歩き回るのを目撃する。夢遊病だった鉄之進の後を追った私は、彼が池の中で石を取り除けて何かを見つけると、またその石を元に戻すのを目撃する。鉄之進が立ち去った後、私が池の中で石を取り除けたところ、そこに守衛の生首を見つけた。

もう一方の佝僂の蜂屋が行方知れずで事件が膠着したまま、古神家の人々とその関係者は避暑のため、旧領の岡山県鬼首村(おにこうべむら)[注 1]に移動した。仙石の頼みで私も鬼首村に出向くが、その車中で金田一耕助という風采の上がらぬ男と出会った。こうして役者が揃ったところで、再び惨劇の幕が開く。
登場人物

金田一耕助(きんだいち こうすけ) - 私立探偵

磯川常次郎(いそかわ つねじろう) - 岡山県警警部

沢田(さわだ) - 警視庁警視

屋代寅太(やしろ とらた) - 「私」、推理小説家

古神織部(ふるがみ おりべ) - 古神家先代、故人

古神お柳(ふるがみ おりゅう) - 織部の後妻

古神守衛(ふるがみ もりえ) - 織部の息子、佝僂

古神八千代(ふるがみ やちよ) - お柳の娘、守衛の異母妹

古神四方太(ふるがみ よもた) - 織部の異母弟

仙石鉄之進(せんごく てつのしん) - 古神家家老筋

仙石直記(せんごく なおき) - 鉄之進の息子、寅太の友人

源造(げんぞう) - 古神家使用人

お藤(おふじ) - 古神家女中

お喜多(おきた) - 守衛の
乳母

妙照(みょうしょう) - 海勝院の

蜂屋小市(はちやこいち) - 画家、佝僂

お静(おしず) - 古神家の座敷牢に閉じ込められた、気が狂っている女性

鬼首村の所在地と村の背景

作品の前半の舞台は「東京都北多摩郡小金井」(現在の小金井市)と記載されているが、後半の舞台である鬼首村については岡山県鳥取県の境にある山間部であるとしか記載されておらず、地名は具体的には記載されていない。ただし、伯備線新見駅へ抜けるローカル線の姫新線のK駅から三里奥の旭川の上流沿いの一筋路をまっすぐ先とあることから、姫新線のK駅は真庭市勝山地区の中心駅である勝山駅(中国勝山駅)で[6]、鬼首村は鳥取県との県境の真庭市に位置すると見なされている[7][注 2]


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