夜会
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この項目では、中島みゆきが1989年から行っている舞台について説明しています。TBSテレビのテレビ番組については「櫻井・有吉 THE夜会」をご覧ください。

夜会(やかい)とは、字義通りには夜に開かれる舞踏会や晩餐会のことを指すが、以下では、シンガーソングライター中島みゆき1989年から行っている舞台について述べる。
概要

コンサートでもない、演劇でもない、ミュージカルでもない「言葉の実験劇場」をコンセプトとして、1989年に開始した。1998年までは毎年開催されていたが、スケジュール上の都合で、現在は不定期開催である[注 1]。開催場所は2004年までの13回は、一貫して渋谷Bunkamuraシアターコクーンで、Bunkamuraの主催事業(オフィシャルサプライヤーシリーズ)として開催されていたが、2006年の公演は、青山劇場で行われ、また同公演からは大阪シアターBRAVA!でも開催されるようになった。2008年11月 - 12月の夜会VOL.15からは東京については赤坂ACTシアターで開催されている。現在は東京公演はTBSテレビ、大阪公演は毎日放送の主催で行われる。

シアターコクーン時代はチケットの入手が非常に困難だったことでも知られる。席種によっては1万円を超えるチケットもあり、当時としては通常のコンサートよりも高価であった。また開演が20時、終演が22時40分頃と通常の音楽公演よりも遅かった。小学生以下の入場は禁止されている。

夜会のオリジナル曲の一部は、中島のオリジナルアルバムに収録されることがある[注 2]。また、夜会曲のみで構成されたオリジナルアルバムもある[注 3]
沿革

開始当初は明確な主題が存在せず、それまで中島が行ってきた通常のコンサートの延長線的存在であったが、1991年からは古典故事)や日本神話などに着想を得た内容となり演劇色が強くなり、1994年からは完全なオリジナルストーリーとなった。また、舞台上で歌われる曲は当初は中島が1993年までに発表した楽曲と各回毎に書き下ろされた少数のオリジナル曲で構成されていたが、1995年からはテーマ曲である『二隻の舟(二雙の舟)』を除き、全て各回毎に書き下ろされたオリジナル曲で構成される様になった。

2013年よりそれまでの夜会で歌われた楽曲を披露するガラコンサート『夜会工場』を始める。現在VOL.2まで開催されている。
舞台

シアターコクーンで上演されていた頃は、非常に大掛かりな舞台
装置を使用したことでも知られている。

舞台の床を一度撤去してその回のために用意された設置する

舞台上に本物のを降らせる(Vol.3)

本物の水を用いて舞台上にを降らせる(Vol.5)


夜会1989と夜会1990では、バンドもステージの上で演奏していたが、VOL.3からは床下にオーケストラピットの様な空間が設けられ、その中で演奏するという形態に変わる。

公演一覧
夜会 (
1989年11月17日 - 12月9日、全20公演)

本格的な撮影が行われず、資料的な映像しか残されていない。未映像化作品。


夜会1990(1990年11月16日 - 12月8日、全20公演)

この回から完全映像化され、発売のために収録されている。


夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN (1991年11月13日 - 12月7日、全20公演)

この回からストーリー性が打ち出されるようになった。中国の故事「邯鄲の夢」をテーマに、1人の女性が夢の中で見た少女から老婆になるまでに至る自己の一生を描いている。


夜会VOL.4 金環蝕 (1992年11月12日 - 12月11日、全23公演)

古事記の「天岩戸の物語」をモチーフに、日本女性の原点を描いている。


夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に (1993年11月14日 - 12月11日、全22公演)

小野小町の伝承と雨月物語の「浅茅が宿」をモチーフに、様々な「待つ女」を演じている。1993年12月4日公演で、通算100回公演を記録。


夜会VOL.6 シャングリラ (1994年11月11日 - 12月10日、全23公演)

初のオリジナルストーリーとなった作品。親子の絆をテーマに、母親を陥れ「シャングリラ」に住む母の敵(母の友人だったが裏切って母の代わりに大金持ちの家に嫁いだ)への復讐のために、その家にメイドとして潜り込んだ娘の物語。舞台はマカオ

多くの夜会作品に出演している香坂千晶は、この作品で夜会に初出演。


夜会VOL.7 2/2(1995年11月26日 - 12月25日、全23公演)

この夜会から劇中の曲がすべてオリジナルとなった作品。幸せになろうとするたびに見えない何かに妨害されてしまう女性。彼女が傷心旅行に旅立った先の異国(ベトナム)で、過失から帰国できなくなったことをきっかけに、自らの過去や見えない何かの正体を知る物語。

2005年瀬戸朝香主演の映画化版が公開された。


夜会VOL.8 問う女 (1996年11月25日 - 12月25日、全24公演)

ラジオのDJである女性が日本に出稼ぎに来たジャパゆきさんと偶然出会ったことをきっかけに、言葉の持つ力や意味に気づいてゆく物語。


夜会VOL.9 2/2 (1997年11月25日 - 12月27日、全25公演)

VOL.7の台本、演出、舞台装置を大きく変更した上での再演で、夜会初の再演となる。未映像化作品。1997年12月27日公演で、通算200回公演を記録。


夜会VOL.10 海嘯 (1998年11月23日 - 12月25日、全25公演)

在米の日本人女性が主人公。彼女は、両親を陥れた人物に復讐する手段となる商談のためロサンゼルスに向かうが、途中の旅客機内で結核のために喀血し、ハワイ療養所に収容される。

本公演を以て、毎年上演というペースに一区切りが付き、以後およそ2年毎に上演という形になる。


夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン(2000年11月22日 - 12月25日、全26公演)

谷山浩子との共演。漁協の金を横領した女が北海道で買った夢の住まいは実は廃屋。そこには一匹の野良犬と、(カシワ)の木があるのみだった。未映像化作品。


夜会VOL.12 ウィンター・ガーデン (2002年11月26日 - 12月24日、全22公演)

VOL.11の再演。VOL.11で谷山浩子だった役には当初は吉田日出子が予定されていたが、吉田の急病のため、香坂千晶に変更。未映像化作品。


夜会VOL.13 24時着 0時発 (2004年1月3日 - 1月28日、全20公演)

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフに、の回帰やアイリッシュの要素を加え、命のリレーを表現した物語。

本公演をもって、シアターコクーンでの公演は終了した。


夜会VOL.14 24時着 00時発(2006年1月27日 - 5月14日、全36公演)

VOL.13の再演。初演時タイトルの「0時発」が「00時発」に変わっている。2006年2月4日公演で、通算300回公演を記録。

夜会初の大阪公演が行われた。


夜会VOL.15 ?夜物語?元祖・今晩屋 (2008年11月20日 - 2009年2月15日、全35公演)

安寿と厨子王森?外・著『山椒大夫』)をモチーフにした物語。未映像化作品。


夜会VOL.16 ?夜物語?本家・今晩屋 (2009年11月18日 - 12月18日、全23公演)

VOL.15の再演。初演時タイトルの「元祖」が「本家」に変わっている。


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