この項目では、多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon, PAH)について説明しています。肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension, PAH)については「肺高血圧」をご覧ください。
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おもな多環芳香族炭化水素の例。左上:ベンズ[e]アセフェナントリレン、右上:ピレン、下:ジベンズ[a,h]アントラセン
多環芳香族炭化水素(たかんほうこうぞくたんかすいそ、英: polycyclic aromatic hydrocarbon、PAH)は、ヘテロ原子や置換基を含まない芳香環が縮合した炭化水素の総称である[1]。縮合環式炭化水素とも呼ばれる。多環芳香族炭化水素には100以上の化学物質がある[2]。目次 ローランド・スクール
1 概要
2 性質
3 ヒトへの影響
4 化学
4.1 おもな多環芳香族炭化水素
5 脚注
6 参考文献
7 関連項目
8 外部リンク
概要
また、星間物質、彗星、隕石にも見られるため自然発生説の基礎となった分子の候補に挙がっている。 多環芳香族炭化水素は親油性であるため水より油に混ざりやすい。分子量が大きくなると水に溶けにくくなり不揮発性になってくる傾向にある。この性質のため、環境中の多環芳香族炭化水素は主に土壌中の堆積物と油性物質で見られる。しかし、浮遊粒子状物質であることも懸念されている。 多環芳香族炭化水素は最も広範囲に渡る有機汚染物質の一つである。化石燃料の他、炭素を含む物質(木材、タバコ、脂肪、香など)の不完全燃焼によっても生成する[5]。燃焼のタイプによって生成する多環芳香族炭化水素の相対的な量や異性体が異なってくる。そのため、多環芳香族炭化水素を調べることでエンジンの燃焼なのか、森林火災なのかの判断材料に役立つ。 多環芳香族炭化水素の毒性は、異性体や環の数に依存する。多環芳香族炭化水素の一つ、ベンゾ[a]ピレンは初めて発癌性が見つかったことで有名である。アメリカ合衆国環境保護庁は7種(ベンズ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンズ[a,h]アントラセン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン)の多環芳香族炭化水素を発癌性物質に分類している。 発癌性、変異原、催奇形物質であることが知られているものには、ベンズ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[ghi]ペリレン、コロネン、ジベンズ[a,h]アントラセン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、オバレンがある[6].。 定義上、多環芳香族炭化水素には複数の芳香環があり、ベンゼンを含まない。アメリカ合衆国環境保護庁やCDCなどの一部の情報源は、ナフタレンが最も単純な多環芳香族炭化水素であるとする[7]。
性質
ヒトへの影響
化学 フェナントレン アントラセン