「サマータイム」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「サマータイム (曖昧さ回避)」をご覧ください。
夏時間を実施している国・地域 過去に夏時間を実施したが現在は行っていない国・地域 夏時間を実施したことのない国・地域
夏時間(なつじかん)またはサマータイム(英: summer time ヨーロッパ大陸でも用いる)、デイライト・セービング・タイム(米: daylight saving time (DST)。カナダ、オーストラリアでも用いる)とは、1年のうち夏を中心とした期間に、太陽の出ている時間帯を有効に利用する目的で、標準時を1時間進める制度、またはその進められた時刻のこと。ただし、オーストラリアのロード・ハウ島では夏時間と通常の時間の差が1時間でなく30分である。
現在の主な実施国・地域では実施期間が7 - 8か月に及ぶため、通常時間より夏時間の期間のほうが長い。
明るいうちに仕事をし、夜の余暇時間を延長できる。緯度が高く夏の日照時間が長い欧米諸国などで多く導入されている。
目次
1 目的と効果
2 夏時間導入に対する反対論
3 歴史
4 主な地域の実施時間
5 サマータイムを実施していたが廃止した主な地域
6 サマータイムを実施したことがない地域
7 日本におけるサマータイム
7.1 米国などにより占領された期間
7.2 平成における制定過程
7.3 サマータイム制への批判
7.4 北海道サマータイム
7.5 滋賀県庁
7.6 奥州サマータイム
8 コンピュータにおける扱い
9 関連項目
10 脚注
11 外部リンク
目的と効果夏時間開始の際には、時計を1時間進める。夏時間終了の際には、時計を1時間戻す。
以下のような効果が期待できると考えられている。 夏時間の導入については反対論も存在する。夏時間に対する反対意見としては、以下のようなものが主張されている。 18世紀にベンジャミン・フランクリンが提唱したとされるが、これは時計の針を動かすことなく市民の早寝早起きを推奨したのみであり、フランクリンの時代にはどちらも実現しなかった。現在の方式のサマータイムを提唱したのはイギリスの建築業者であったウィリアム・ウィレット
明るい時間を有効に使えるので照明の節約になる。
交通事故や犯罪発生率の低下。
活動時間が増えることによる経済の活性化。
午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。
夏時間導入に対する反対論
明るいうちに帰宅すると、暑い時間を家で過ごす時間が長くなることから冷房による電気の使用量が増え、照明の節約効果以上にエネルギー消費量が増える。それにより、かえって電気代も増えることになる。
コンピュータを利用する各種システム(OSやソフトウェアの時計機能など)を更新しなければならないなど、移行コストがかかる。
時刻切り替え時に一時的に交通事故が増加するという報告もある。カナダブリティッシュコロンビア州では夏時間導入直後の月曜日には変更直前の月曜日より交通事故が平均で23 %増加するとして注意を呼びかけている[1]。
もともと定時に帰る意識の低い日本においては、「明るいうちに帰らせず労働時間(残業)を増やす上、最悪サービス残業の温床になりかねない」、という指摘もある。
歴史
アメリカ合衆国では1918年と1919年に各7か月間、夏時間が導入されたが、大変に不評のため廃止になった。その後第二次世界大戦中に資源節約目的で復活し、今に至る。1986年までは現地時間4月最終日曜日午前2時から10月最終日曜日午前2時までの間、それまでの時刻に1時間を加えたタイムゾーンを採用する「1966年方式」が主に使われていた。その後1986年より、開始日は4月第1日曜日となり、2007年からは「包括エネルギー法案」の可決により期間が約1ヶ月延び、開始日は3月の第2日曜日、終了は11月の第1日曜日となった。なお、議会で法案が通れば、その自治体は夏時間を使用しなくてもよいため、2008年現在、低緯度のハワイ州は州全体、アリゾナ州では大半の自治体で夏時間を採用していない。なお、2005年まで大半の自治体で夏時間を採用していなかったインディアナ州は、2006年から州全域で夏時間を採用している。
日本では、占領軍の施政下にあった1948年(昭和23年) - 1951年(昭和26年)の間のみ実施されていた(後述)。
稀な事例だが、二段階のサマータイムが実施された例がある。連合国占領下のドイツで1945年と1947年に実施された(de:Sommerzeit
)。1945年の場合は、独ソ戦終了前から通常のサマータイムが実施されていたが、5月の独ソ戦終了まもなくから9月まで、ソ連占領地域とベルリンにおいて+2時間のサマータイムが実施され、当時サマータイムを導入していなかったモスクワと同じ時刻になった(通常のサマータイムは11月まで)。1947年の場合はドイツ全土において、4月6日に第一段階のサマータイム(+1時間)を開始、5月11日から6月29日まで二段階目(+2時間)を実施し、10月5日にサマータイムを終了した。2011年現在
アメリカ合衆国(一部除く)
カナダ(一部除く)
メキシコ(一部除く)
上記3国では、3月第2日曜日午前2時?11月第1日曜日午前2時(現地時間基準[2])
ヨーロッパ各国(一部除く)
3月最終日曜日午前1時 - 10月最終日曜日午前1時(UTC基準)
オーストラリア(北部は実施なし、西部は2006年度から3年間試行)
10月第1日曜日午前2時 - 翌年4月第1日曜日午前3時(現地時間基準、2008年から)
ニュージーランド(一部除く)
9月最終日曜日午前2時 - 翌年4月第1日曜日午前3時(現地時間基準)
ブラジル(一部除く)
10月第3日曜日午前0時 - 翌年2月第3日曜日午前0時(現地時間基準)
サマータイムを実施していたが廃止した主な地域