夏へのトンネル、さよならの出口
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夏へのトンネル、さよならの出口
ジャンル青春群像劇
[1]、ジュブナイルSF[2]ファンタジー[3]
小説
著者八目迷
イラストくっか
出版社小学館
レーベルガガガ文庫
発売日2019年7月18日
巻数全1巻
漫画:夏へのトンネル、さよならの出口 群青
原作・原案など八目迷(原作)
くっか(キャラクター原案)
作画小うどん
出版社小学館
掲載誌月刊サンデーGX
レーベルサンデーGXコミックス
発表号2020年8月号 - 2021年12月号
発表期間2020年7月18日 - 2021年11月19日
巻数全4巻
話数全17話
映画
原作八目迷
監督田口智久
脚本田口智久
キャラクターデザイン矢吹智美
音楽富貴晴美
制作CLAP
製作映画『夏へのトンネル、
さよならの出口』製作委員会
配給ポニーキャニオン
封切日2022年9月9日
上映時間83分
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画アニメ
ポータルライトノベル漫画アニメ

『夏へのトンネル、さよならの出口』(なつへのトンネル さよならのでぐち)は、八目迷による日本ライトノベルイラストはくっかが担当している。略称は「夏トン」[4]第13回小学館ライトノベル大賞にて『僕がウラシマトンネルを抜ける時』のタイトルでガガガ賞および審査員特別賞を受賞し[5]ガガガ文庫小学館)より2019年7月に刊行された[2][6]

劇場アニメ『夏へのトンネル、さよならの出口』の入場者プレゼントで本編のその後を描いた短編小説『さよならのあと、いつもへの入り口』が書き下ろされた[7]
あらすじ

作中の架空の駅、香崎(こうざき)を舞台に起こる物語。主人公の塔野カオルは電車の中で女子たちが噂をしているのを聞いた。「ウラシマトンネルって、知ってる? そこに入れば欲しいものがなんでも手に入るんだけど、その代わりに年を取っちゃうのー。」

塔野の通う香崎高校の2年A組に転校生、花城あんずが家庭の事情で東京から越してきた。クラスの女王、川崎小春は、さっそくに花城をパシリに使おうとして、注文したチェリオを花城に自分の目の前で飲まれてしまう。

塔野はその日の夜、家から30分、線路伝いに歩いて、噂のウラシマトンネルを見つける。このトンネルに入れば、5年前に死んだ妹、カレンを取り戻すことができるかもしれない。トンネルの入口あたりを覗いて、妹のサンダルと妹が飼っていたインコを見つけて戻ってきたら、一週間も留守にしていたことになっていた。トンネルの中の時間は外と違っている。

先週(塔野からすれば昨日)の花城の行動の仕返しに、川崎は花城の上履きを隠すイタズラをして殴られてしまう。川崎はその報復に上級生の不良を連れてきて、花城を呼び出して殴り合いが起こってしまう。そこへ塔野と加賀が駆けつけて事態はおさまるのだが、花城が不良のこめかみにペンを刺したため、不良は学校へ来なくなってしまう。

放課後に塔野は、一人で再度、ウラシマトンネルの検証を始める。「年をとる」は、トンネルの中は「時間の経過が遅い」で、「欲しい物が何でも手に入る」は、何でも手に入るわけでも、自分の欲しい物が現れるわけでもないことはわかった。とりあえず、亡くなった妹に会う方法を探る塔野だったが、花城あんずに見つかってしまう。二人は互いの欲しい物を手に入れるために協力関係を結ぶ。一方、先生の依頼で、学校に出てこなくなった川崎を訪ねて、彼女の立ち直りのために話し合う。川崎はまた学校に出てくるようになり、昼は一緒に弁当を食べることになる。川崎は花城を自分の成長のための手本にするつもりだった。

7月12日の金曜日、次が土日でさらに学校の創立記念日が月曜で、都合よく三連休になるため、花城とウラシマトンネルの調査にかかる。トンネルの中で二人が見つけたのは、花城が子どもの頃に描いた漫画の原稿だった。彼女がトンネルに期待したのは、なにか特別なものになるためのきっかけだった。花城は自分の住まいに塔野を招き、叔母と暮らしていること、そして壁一面を覆うほどの本棚を見せ、漫画を描き続けることで親から見捨てられたことを告げる。

夏休み中、花城から夏祭りへ行く誘いのメールが届いた。誘いに乗って夏祭りに行った塔野は、最初は楽しかったものの、途中で父と離婚した母と会ってしまう。その後帰宅すると、父から新しい結婚相手と結婚すると告げられ、塔野は母もカレンも忘れて生きようとする父に吐き気がして、嘔吐する。

二人は夏休みの間に、塔野は妹を取り戻し、花城は新しい自分になれるためにトンネルの探索計画を立てていたが、塔野が先走って一人でトンネルに入ってしまう。花城は漫画のコンテストで受賞には及ばなかったものの、プロを目指すよう編集者から誘われる。しかし、相談しようにも塔野の携帯にはつながらない。トンネルに駆けつけた花城が見つけたのは、塔野からのメッセージの入ったビンだった。「お前は、漫画家になるべき人間だ、だからお前は置いて一人で行く。君はぼくにとってすでに特別な人間なんだよ」と。

それから、花城は漫画家として商業誌へも連載するようになり、それも完結し本として出たことで、彼女は再びトンネルに塔野を探しに行く。トンネルに入って塔野と再会し、彼を連れ出すことにする。彼の妹はトンネルの中でしか存在できず、連れ出すことはできなかった。あれから13年が経過し、塔野は17歳の体のまま30歳になっていた。中卒の学歴で、普通の就職もままならないところで、花城がアシスタント兼人生のパートナーにとオファーし、彼はそれを受けることにする。
作中用語
ウラシマトンネル
中に入ることによって、年を取る代わりに欲しいものが手に入るという都市伝説上のトンネル
[1]。映画『インターステラー』に登場する、重力が非常に強く、時間の流れが異常に遅いとされる、架空の惑星である「ミラー博士の星」から着想を得ている[6]
登場人物

声の項は特記が無い限り劇場アニメの声優。
塔野カオル(とうの カオル)
声 -
鈴鹿央士[8] / 多田啓太[9]オーディオブック)本作の主人公[6][2]。不慮の事故により妹を亡くした田舎の高校生[1]。自身の生い立ちによって芯のない冷めた性格をしており、流されるままに日々を過ごしていた[6]。八目はカオルについて、八目自身の多くのものを背負ってもらうつもりで書いたとしている[6]
花城あんず(はなしろ あんず)
声 - 飯豊まりえ[8] / 吉岡茉祐[9](オーディオブック)本作のヒロイン[6]でもう一人の主人公。ある事情で田舎へ転校してきた少女[1]。カオルのクラスメイト。クールな外見とは裏腹に情熱と憧れを宿している芯の強い性格で、歯に衣着せぬ物言いや高潔な態度によって周囲と衝突することもある[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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