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変身(へんしん)は、映画・テレビドラマ・小説・漫画・アニメなどに登場する人物が、特殊な能力を持つヒーロー・悪人・怪獣などになることを表す言葉。変身するときは何らかのかけ声と共に「決めポーズ」がとられることが多い。ヘンシンと表記することもある。スーツや武器などの装着が行われるだけの場合もあり、日本語的には「変装」と呼ぶほうが適していることもあるが、ごく一部の例外を除き[注 1]「着替え」「変装」などではなくあくまで「変身」と呼ぶ。 1950年代のテレビドラマ『月光仮面』や『七色仮面』など変身する主人公は視聴者に判るものの、変身そのものを映していない作品であったので、演じる俳優も変身前と変身後のヒーローが別々であった。1960年のテレビドラマ『新 七色仮面』では変身前と変身後のヒーローを千葉真一が両方演じて、器械体操で培った千葉のアクロバティックな擬斗・スタントは、後に製作されていく変身ヒーローを題材とした作品にも大きな影響を与えていくこととなる[1][2]。両方を演じた背景としてスタントマンやスーツアクターが皆無だった時代で、千葉もその人材不足を憂いて後年ジャパンアクションクラブ (JAC) を設立しており、変身ヒーローの作品が次々製作されるようになってからは、スーツアクターという役割が定着した。「スーツアクター」も参照 1966年のテレビドラマ『ウルトラマン』から主人公が変身する姿も映されるようになり、それ自体を明確に売りにしたのは1971年のテレビドラマ『仮面ライダー』(2号ライダー登場の2クール目以降)が最初である。その後のブームは「変身ブーム」と呼ばれ『人造人間キカイダー』、『快傑ライオン丸』など、さまざまな作品がブームを盛り上げ今日に至るようになった。この時期の特撮作品の総称は、巨大ヒーローも含めて「第二次怪獣ブーム」と文献などで呼ばれることがある。「仮面ライダーシリーズにおける変身」も参照 敵の目の前でポーズを取る変身は、仮面と素顔の使い分けではなく、「見栄」としての色彩が濃い。これは、変身ブームを巻き起こした『仮面ライダー』などが時代劇の流れを汲んでいることに起因する。時代劇では「忍者が使用する術の名前を宣言して、わざわざ敵に攻撃手段を教える」「侍が悪人をすぐに仕留めず、高らかに登場して相手が気づくのを待つ」といった、合理性よりも視聴者への印象づけに重きを置く演出がなされることがあり、変身もその一つと考えられる[3]。 敵が変身を妨害しないことは半ばお約束とされてきたが、『仮面ライダー剣』ではオリハルコンエレメント(劇中において仮面ライダーカリスを除く主要ライダーが変身する際にベルトから出現する魔法陣)が敵をはね除ける、『仮面ライダーゼロワン』ではライダモデルが変身者を守る行動をするなど変身妨害がなされない理由付けがなされている。ただし変身モーションの途中以外の妨害は『ウルトラセブン』でウルトラアイを奪われるという例もある。
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