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声優(せいゆう)もしくはVA(ボイスアクター)または声の出演(こえのしゅつえん)もしくはCV(キャラクターボイス)は、ラジオの放送劇、テレビ・映画の吹き替え、アニメーションなど、音声作品や映像作品に、自身の姿を見せず声だけで出演する俳優である[1]。広義にはナレーターも含まれる。
音声・映像作品の役割・職能を表す場合と職業を示す意味で使われる場合がある。 声のみで演技する実演家であり、その出演形態はメディアの発展と共に、レコード・ラジオ、さらにはテレビなどへ拡大した。 1910年(明治43年)、日本初のレコード会社が発足する。歌舞音曲など演芸の録音が普及した。1925年(大正14年)には、日本初のラジオ放送が開始する。舞台劇、映画劇、放送劇などが届けられた。 声優の命名由来は『読売新聞』の芸能記者・小林徳三郎によるものと、日本放送協会(NHK)の演芸番組担当プロデューサー・大岡龍男によるものの2説があるが[2]、未だに明確にはなっていない。この年には早くも、『朝日新聞』が「いはゆる『聲の女優』――ラジオ・ドラマの女優」とした報道を行い[3]、翌年の1926年(大正15年)には、『読売新聞』が声優の呼称を使用している[4]。 1941年(昭和16年)、NHKがラジオドラマを専門に行う東京放送劇団を設立する。1956年(昭和31年)には、ラジオ・テレビ兼営局であるラジオ東京(現:TBS)が海外テレビドラマの吹き替え放送を実施する[5]。アニメでは、1958年(昭和33年)に、東映動画が『白蛇伝』を劇場公開する。1963年(昭和38年)には、虫プロダクションが『鉄腕アトム』のテレビ放送を開始する。 声優は当初、ラジオドラマに出演する舞台俳優や映画俳優、次いで放送局の劇団員であるラジオ俳優を指し[6]、テレビ時代になって吹き替えを行うアテレコ俳優、さらにアニメを行う役者を指す用語として定着して行った。 国語辞典の『広辞苑』(発行:岩波書店)では、1969年(昭和44年)の第二版からは「吹きかえ」を、2008年(平成20年)の第六版からは「アニメーション」を解説文に加えている[7]。 こう言った経緯などから放送劇団員は声優という呼称を酷く嫌い、自らを俳優と称する者も少なくない。また、山田康雄や内海賢二らも声優は声を演じる俳優、役者がやっている色々なジャンルの一部分であると考えており、『声優』という呼称を好まなかったという[8]。 文化庁の委託事業である『演劇年鑑』(発行:日本演劇協会)では、演劇の関係者を紹介する際に、「俳優」「俳優、声優」「声優、俳優」「声優」を並列している。一例として2022年版では、若山弦蔵が「声優、俳優」、森山周一郎が「俳優、声優」と掲載されている[9]。また、2022年(令和4年)度の日本芸術院会員選定の際、黒柳徹子が『俳優』と紹介された[10]。 日本で声優の専業化が進んだ理由は、
概要
ラジオドラマ全盛期に、NHKと民放が自前の放送劇団を組織して専門職のラジオ俳優を育成したこと
テレビの黎明期は、番組コンテンツ不足のため、アメリカ合衆国からテレビドラマやアニメーション(日本での「アニメ」とは異なる)が大量に輸入され、声優による日本語吹き替えの需要が増大したこと