声優アワード
[Wikipedia|▼Menu]

声優アワード
受賞対象最も印象に残る
声優
日本
主催声優アワード実行委員会
初回2007年
公式サイトhttps://www.seiyuawards.jp/

声優アワード(せいゆうアワード)は、日本声優関連のである。年1回、声優アワード実行委員会が選定する優秀な声優に与えられる賞で、毎年3月に授賞式が開催される。
概要

2006年が「外画放送開始50周年」にあたることを記念して、声優業界の発展と人材育成の場として同年度に創設された。創設時に日本音声製作者連盟の理事長と声優アワード実行委員長を務めていた南沢道義は、この賞の目的を「子供達の憧れとして人気職業の上位に位置し、世界中のアニメファンからも評価されだした“声優”。その文化活動をオフィシャルに顕彰する声優アワードの設立は、声優という職の持つ意味をあらためて見つめ直す意味がある。また、その顕彰によって良質な日本語版製作を堅持し、言語の文化を次世代へ繋ぐよい機会になるだろう」と説明している[1]

主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、新人男優・女優賞、歌唱賞、パーソナリティ賞、特別功労賞および功労賞、シナジー賞に加え、第2回より富山敬賞、第3回より海外ファン賞、第4回よりキッズファミリー賞、第5回より高橋和枝賞、第6回より最多得票賞・声優アワード特別賞が追加、第7回で海外ファン賞が廃止となり、第13回よりMVS(Most Valuable Seiyu)、外国映画・ドラマ賞、ゲーム賞、インフルエンサー賞が追加され[2]、計16部門20賞が授与される。

第3回までは全賞とも授賞式の際に受賞者の発表が行われたが、第2群(海外ファン賞は除く。後述)は第4回から第9回まで、第1群は第6回から第9回まで、それぞれ公式サイト上にて先行して発表されるようになった。第10回は授賞式の際に第2群のキッズファミリー賞を含む、第1群の受賞者の発表が行われた。第11回は授賞式の際に第2群の特別賞を含む、第1群の受賞者の発表が行われた。第12回は授賞式の際に第2群のシナジー賞・キッズファミリー賞・特別賞と第1群の受賞者の発表が行われた。第13回は授賞式の際に(旧)第2群のキッズファミリー賞・特別賞と(旧)第1群、それに、この回から新設された4部門の受賞者の発表が行われた。第14回は授賞式の際に(旧)第2群のシナジー賞・キッズファミリー賞・特別賞と(旧)第1群、それに、第13回から新設された4部門の受賞者の発表が行われた。第15回は(旧)第2群の功労賞・キッズファミリー賞・特別賞と(旧)第1群、それに、第13回から新設された4部門の受賞者の発表が行われた。第16回は(旧)第2群の富山敬賞・高橋和枝賞・特別賞と(旧)第1群、それに、第13回から新設された4部門の受賞者の発表が行われた。第17回は(旧)第2群の特別賞と(旧)第1群、それに、第13回から新設された4部門の受賞者の発表が行われる。

授賞式の模様は第2・3回はBS11、第7・8・11回はTOKYO MXで放送。また、第4回からは超!A&G+(生ワイド番組内を含む)でも生中継されている。第8・9回は文化放送(AM1134Khz)、超!A&G+で全受賞者発表特番が配信されていた。第10回は超!A&G+で授賞式を生中継で完全配信する予定だったが、主演男優賞と大会総評のみ配信されないトラブルが生じた[注 1]。第11・12回は超!A&G+で授賞式を生中継で配信して、こちらの方は配信時間内(18時 - 19時30分)に収まった。第13回は超!A&G+で18時から20時、&CAST!!!で18時から授賞式終了までそれぞれ配信された[3]。しかし、第14回は超!A&G+で18時から20時、AG-ON Premiumで18時から授賞式終了までそれぞれ配信される[4]予定だったが、AG-ON Premiumのみ配信は取りやめとなり、超!A&G+のみの配信となった。

主演男優・女優賞・パーソナリティ賞の受賞者は授賞式後、文化放送『A&G 超RADIO SHOW?アニスパ!?』→『A&G TRIBAL RADIO エジソン[注 2][5]、歌唱賞の受賞者は『A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン[注 3]に生出演している。

2020年3月7日に行われる予定だった第14回の授賞式の場合、2020年2月18日の発表段階では新型コロナウイルスの流行による感染の防止により、レセプション・パーティーは取りやめとした上で、授賞式に出席する方も受賞者以外は、「最低限の関係者」のみの出席にとどめるようにすることになっていたが[6]、2020年2月26日の夜になって、実行委員会が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、授賞式に加え、新人発掘オーディションの最終審査の中止を明らかにした[7]。その為、受賞者の発表は3月7日18時から2時間にわたって、超!A&G+で配信される『文化放送 超!A&G+スペシャル 第十四回声優アワード受賞者発表スペシャル』の中で行なわれた[7]。その後、新人発掘オーディションはインターネット上の審査に変更された[8]。また、日を改めて行うことになっていた「トロフィー授与式」も、この度の新型コロナウイルスの感染状況を受け、慎重に調整と検討をした結果、中止となった[9]

第15回(2020年度)の場合は、最初から授賞式の予定を入れず、2021年3月6日18時から2時間にわたって超!A&G+で配信された『文化放送 超!A&G+スペシャル 第十五回 声優アワード 受賞者発表スペシャル』において、受賞者が発表された[10][11]。また、新人発掘オーディションは、前回に続いて、最終審査はオンラインという形で行われることになった[10]

第16回(2021年度)の場合も、最初から授賞式の予定を入れず、2022年3月5日18時から2時間にわたって超!A&G+で配信される特別番組『文化放送 超!A&G+スペシャル 第十六回 声優アワード 受賞者発表スペシャル』において、で受賞者が発表されることになっている[12][13]

第17回(2022年度)は、2023年2月21日に、多様性の尊重・ジェンダーフリーに鑑み、今回から授賞部門の名称が変更することが発表された[14]。具体的には「主演」「助演」「新人」3部門の男女別を無くし、「主演声優賞」「助演声優賞」「新人声優賞」に統合する[14]。声優アワード実行委員会では「多様性の尊重、ジェンダーフリーに鑑み、この数年議論を積み重ねた結果、第一回声優アワードより設立されている主演・助演・新人の3部門における男女別を統合し、名称を変更することにいたしました」とした上で「もとより、声優という仕事は女性が男性キャラクターの声を担当したり、またその逆もありうる等、ジェンダーを飛躍した仕事であります。これにより、声優の賞であるということによりフォーカスでき、賞の意図が明確に伝わりやすくなると考えます。賞の目的である『声優の認知』が拡がり、声優の地位向上に寄与できることを考え、今回の部門名称変更に至りました」と説明している[14]

これに先立つ形で、第16回に主演女優賞を受賞した緒方恵美がスピーチの中で「女優賞で良いんですか? 自分は、ずっと声優をやった年月、7割くらいを少年役の声優として過ごし、自分が女優と思ったことが、あまりない」と述べた[15]。そして、「これだけジェンダーフリーと言われる世の中で、声優界もカミングアウトしている人もいる。私もそうですが、普段の生活でも、ほとんど女性と思って生活していない人間もいる」と述べた上で「男優とか女優とかじゃなく、顔出しの業界(俳優)の皆様よりも、ジェンダーフリーを発信できるのは、むしろ声優じゃないかと思う。次回からは、男とか女とか、どうでもいいので2人ずつとか、そんな感じになったなら、よりいろいろなことになるんじゃないか」と問題提起をしていた[15]

その後、第18回(2023年度)からは、これまで男女別になっていた富山敬賞と高橋和枝賞を統合する形で、『富山敬・高橋和枝賞』と変更されることになった[16]。これについて、声優アワード実行委員会では「多様性の尊重、ジェンダーフリーに鑑み、議論を積み重ねた結果」と説明している[16]
授賞概要

声優アワードは、当初、「7つの部門を設け各々の定義に従って選定・評価・贈賞する」ものとされていたが[17]、第2回で富山敬賞、第3回で海外ファン賞、第4回でキッズファミリー賞、第5回で高橋和枝賞、第6回で最多得票賞、声優アワード特別賞の2部門がそれぞれ設けられ、第7回で海外ファン賞が廃止となり12部門となっていた。その後、第13回からMVS(Most Valuable Seiyu)、外国映画・ドラマ賞、ゲーム賞、インフルエンサー賞の4部門が設けられた[2]

第13回から設けられた「外国映画・ドラマ賞」と「ゲーム賞」は、それぞれ歴史のある分野ながら、顕彰することが少なかった「吹き替え」と「ゲーム」に焦点を当て、その2つの分野で活躍した声優を顕彰するために設けられたもの[2]

また、同じく第13回から設けられた「インフルエンサー賞」は、このところ、暮らしに影響を与えているSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)にも焦点を当て、声優界で「最も影響力のある人(インフルエンサー)」を顕彰するために設けられたもの[2]

第17回より、「主演」「助演」「新人」3部門の男女別を無くし、「主演声優賞」「助演声優賞」「新人声優賞」。第18回からは富山敬賞と高橋和枝賞を統合し「富山敬・高橋和枝賞」として男女共通の賞とした。
選考方式
第1回 - 第12回

第1回から第12回は各部門、一般投票をもとに候補者の一次選出を行う第1群と、選考委員会にて顕彰される特別賞などの第2群の2種類に分けて選考が行われていた。

第1群は主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、新人男優・女優賞、歌唱賞、パーソナリティ賞、最多得票賞の6部門9賞である。受賞者数は第1回では当初各賞とも1名ずつと定めたが、結果として複数の受賞者を出し第2回では定めていない。部門における男優・女優の性別は作品中(声を演じるキャラクター)の性別ではなく、声優自身の性別である。第1回では第1群の各賞は一般投票による一次選出が行われた後、選考委員会がさらに候補者を絞る二次選出が行われ最終的に選考委員会の審議により受賞者を決定していた。第2回から第5回までは各投票サイト・施設にて行われた一般投票での得票を各媒体ごとに集計し、その結果をもとに最終選考へのノミネート者を決定。その後、選考委員会による二次選考によって最終的な受賞者を決定していた。第6回から第12回まではそれに加えて、中央選考委員会を設けて、ノミネート者決定、選考委員会によって決定する受賞者、そして、その結果を精査・確認する中央選考委員会の3段階の審査で、最終的な受賞者を決定していた[18]

第2群は特別功労賞および功労賞、シナジー賞、富山敬賞、キッズファミリー賞、高橋和枝賞、声優アワード特別賞の6部門7賞である。各部門ごとの受賞者数は、第1回から特に定めていない。第2群の賞については実行委員会が長年の功績をもとに受賞者を推薦し、その結果を選考委員会で承認することにより決定していた。
第13回以降

第13回から、第1群と第2群の区分を廃止し、それぞれの部門とも、実行委員会と選考委員会による選考に変更された[19]。選考の手順として、各種メディアの反響とデータを基に実行委員会と選考委員会が受賞者を選出する[2]。その後、中央選考委員会による精査を経て、正式に受賞者を決する[20]

ただし、MVS (Most Valuable Seiyu) については、一般投票(インターネット・ツイッター)で受賞者を決する[21]。段取りとしては、一般投票の結果を集計したうえで、中央審査委員会による精査を経て、MVSが決定される[20]。なお、これについては、第1回から第12回までの投票の方法について、回数を重ねていくうちに、受賞部門が増えていったことに加え、その一般投票を受け付けていたメディア(媒体)が多岐に渡った結果「わかりづらさ」が生じ、投票をしない人が多くいたため、「より身近に、どなたでも簡単に投票していただける」という目的のもと、投票の内容を「シンプルにわかりやすく」刷新したもの[2]
各賞
(旧)第1群

主演・助演・新人の3賞は第16回までは男女別だったが、第17回より統合されている。
主演声優賞(主演男優・女優賞)
その年に発表された作品の中で、
主演として演じた声優に贈られる。
助演声優賞(助演男優・女優賞)
その年に発表された作品の中で、サブキャラクターあるいは助演として演じた声優に贈られる。第二回までは「サブキャラクター男優・女優賞」という名称だった。第三回から現在の名称となった。
新人声優賞(新人男優・女優賞)
原則としてデビューして5年以内であり、対象期間中に新人賞を取るにふさわしい活躍をした声優に贈られる。
歌唱賞
声優自身の名前、もしくは作品中の役名で歌唱を発表している声優に贈られる。
パーソナリティ賞
声優自身の名前、もしくは作品中の役名でラジオインターネットラジオテレビ・その他の媒体の番組でパーソナリティ司会として活躍した声優に贈られる。
(旧)第2群
特別功労賞
故人の中で、長年にわたり多くのジャンル(外画を含む)において活躍した役者および作品に贈られる。第9回以降は年度中に逝去した声優を顕彰する形式に変更されているが、特別功労賞の枠自体は廃止されていない。
功労賞
長年にわたり多くのジャンル(外画を含む)において活躍した役者および作品に贈られる。
シナジー賞
声優の魅力を十分に発揮した作品に贈られる。ただし、必ずしも年度中に製作された作品に贈られるとは限らず、過去に放送された作品が選出される年もある。
富山敬・高橋和枝賞
その1年間の間、最も「声優という職業を各メディアを通じて多く広めた人物」に贈られる。第2回に富山敬賞が新設され、第4回までは男女共通の賞だったが、第5回から高橋和枝賞が新設され、これに伴い男性は富山敬賞、女性は高橋和枝賞と分けられた。第18回に2つの賞を統合するとともに、男女共通の賞へと戻った。
キッズ・ファミリー賞
第4回から新設された賞で、「子どもたちの目線でもっとも魅力的な声優」に選ばれた人物に贈られる。
声優アワード特別賞
第6回から新設された賞で、上記のいずれの賞にも該当しないものの、表彰すべき特別な活動をした人物に贈られる。
第13回から設けられた賞
外国映画・ドラマ賞
[22]
その年に発表された外国映画・ドラマで活躍した声優に贈られる。
ゲーム賞[22]
その年に発表されたゲームコンテンツで活躍した声優に贈られる。
インフルエンサー賞[22]
その年にSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)によって、印象を残した声優に贈られる。
MVS〈Most Valuable Seiyu〉[22]
声優・アニメファンが「最も活躍した声優」だと思った声優に投票する形式でこの賞を決する。
過去の賞
海外ファン賞(第2群)
第3回から第6回まで実施され、海外の人たちの視点で選ばれた人物に贈られていた賞だった。第7回からは海外からの投票も一般投票に統合されたため、「海外ファン賞」という独自の枠は廃止となった
[23]
最多得票賞
第6回から新設された賞で、一般投票で賞のカテゴリーを問わず、最も「多くの票数を集めた方」に贈られる。第7回までは第2群の部門賞となっていたが、第8回から第1群の部門賞になった。しかし、第11回以降は実施されなくなった。
開催期間

回次(年度[注 4])一般投票期間授賞式
第1回
(2006年度)2006年(平成18年)10月21日 - 2007年(平成19年)1月10日2007年(平成19年)3月3日
第2回
(2007年度)2007年(平成19年)10月20日 - 2008年(平成20年)1月15日2008年(平成20年)3月8日
第3回
(2008年度)2008年(平成20年)10月1日 - 2009年(平成21年)1月1日2009年(平成21年)3月7日
第4回
(2009年度)2009年(平成21年)10月1日 - 2010年(平成22年)1月1日2010年(平成22年)3月6日
第5回
(2010年度)2010年(平成22年)10月22日 - 2011年(平成23年)1月1日2011年(平成23年)3月5日
第6回
(2011年度)2011年(平成23年)11月1日 - 11月30日2012年(平成24年)3月3日
第7回
(2012年度)2012年(平成24年)10月1日 - 11月30日2013年(平成25年)3月2日
第8回
(2013年度)2013年(平成25年)10月1日 - 11月30日2014年(平成26年)3月1日
第9回
(2014年度)2014年(平成26年)10月1日 - 11月30日2015年(平成27年)3月7日


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:118 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef