三塩化窒素
別称塩化窒素
トリクロロアミン
トリクロラミン
窒化塩素
識別情報
CAS登録番号10025-85-1
-40 °C, 233 K, -40 °F
沸点
71 °C, 344 K, 160 °F
水への溶解度不溶
徐々に溶解
溶解度ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、二硫化炭素、三塩化リンに可溶
構造
結晶構造菱面体晶系 (below -40 °C)
分子の形三角錐形
双極子モーメント0.6 D
熱化学
標準生成熱 ΔfHo+232 kJ/mol
標準モルエントロピー So? J.K-1 mol-1
危険性
EU分類not listed
NFPA 704024OX
発火点93 °C
関連する物質
その他の陰イオン三フッ化窒素
三臭化窒素
三ヨウ化窒素
その他の陽イオン三塩化リン
三塩化ヒ素
関連するクロラミンクロラミン
ジクロラミン
関連物質塩化ニトロシル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
三塩化窒素(さんえんかちっそ、英: nitrogen trichloride)は、化学式が NCl3 で表される窒素の塩化物である。単に塩化窒素といった場合、普通は三塩化窒素のことを指す。トリクロロアミン、トリクロラミンとも呼ばれる。常温で、揮発性と刺激臭を持つ黄色の油状液体。 殺菌力は弱く、残留性が高い。毒性がある。 含窒素化合物と塩素の反応の副生物としてしばしば生成する。単離精製した場合非常に不安定で、光や水が存在すると通常24時間以内に分解する。純粋な三塩化窒素と有機化合物や触媒表面を接触させた状態で衝撃を与えると、自己反応熱によって爆発が起こる。 硝酸アンモニウムなどアンモニウム塩の溶液に塩素ガスを通じることにより、三塩化窒素が黄色の油滴として生成する。 非常に強力な爆発物であり、凍結、加熱、日光、テルピネンなどの有機化合物との接触などによって容易に爆発する。ハンフリー・デービーは三塩化窒素の爆発事故によって一時的に視力を失った。そのときデービーは若い助手を喧嘩のかどで解雇していたこともあり、マイケル・ファラデーを新たな助手として雇うことになった。 三塩化窒素はエイジーン (Agene) の名で商品化され、漂白剤や小麦粉の熟成に用いられていた。 クロラミンで水道水を消毒する際に少量生成することがある。 2003年、ベルギーの研究者によって小児喘息の増加は三塩化窒素と関連がある可能性が報告された。脳に深刻な被害を与える可能性も示唆されている。
化学的性質
参考文献
Cazzoli, G.; Favero, P. G.; Borgo, A. D. J. Mol. Spectra 1974, 50, 82.
Jander, J. Adv. Inorg. Chem. Radiochem. 1976, 19, 2.
Bernard, A. et al. "Lung hyperpermeability and asthma prevalence in schoolchildren: unexpected associations with the attendance at indoor chlorinated swimming pools". Occup. Environ Med. 2003, 60, 385–394. DOI: 10.1136/oem.60.6.385
関連項目
クロラミン
三ヨウ化窒素
ピエール・ルイ・デュロン
表
話
編
歴
窒素の化合物
二元化合物
(CN)2
NBr3
NCl3
NF3
N2F2
N2F4
NH3
N2H2
N2H4
NI3
NO
NO2
NO3
N2O
N2O3
N2O4
N2O5
N2O6
N4O6
N2S2
N2S4
N4S4
三元化合物
B3N3H6
HNO2
HNO3
H2N2O2
HOONO
HCN
NCBr
NCCl
NCF
NCI
NH3?BH3
NOBr
NOCl
NO2Cl
NOI
NOClO4
NO2ClO4
NOF
NO2F
NSF
NSF3
四元・五元化合物
HNCO
HOCN
HONC
NOBF4
NO2BF4
NOHSO4
カテゴリ