塩化スズ(II)
IUPAC名
塩化スズ(II)
二塩化スズ
別称塩化スズ
塩化第一スズ
識別情報
CAS登録番号7772-99-8
247 °C, 520 K, 477 °F (無水物)
37.7 ℃ (二水和物)
沸点
623 °C, 896 K, 1153 °F (分解)
水への溶解度83.9 g/100 ml (0 ℃)
熱水中で加水分解
溶解度エタノール、アセトン、エーテル、テトラヒドロフランに可溶
キシレンに不溶。
構造
結晶構造層状
(SnCl3の集合体)
配位構造三角錐形 (無水物)
二水和物は配位数が3
分子の形折れ線形(気体状態)
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0955 (無水物)
ICSC 0783 (二水和物)
主な危険性刺激性、水生生物には危険
NFPA 704010
半数致死量 LD50700 mg/kg (ラット、経口)
10,000 mg/kg (ウサギ、経口)
250 mg/kg (マウス、経口)[1]
関連する物質
その他の陰イオンフッ化スズ(II)(英語版)
臭化スズ(II)
ヨウ化スズ(II)
その他の陽イオン二塩化ゲルマニウム
塩化スズ(IV)
塩化鉛(II)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
塩化スズ(II)(えんかスズ、tin(II) chloride または stannous chloride)は、化学式 SnCl2 で表される+2価のスズの塩化物で、無水物、2水和物がある。無水物は常温常圧において無色?白色の結晶性粉末で、潮解性がある。2水和物は常圧において融点 37.7 ℃ の白色結晶で強力な還元剤であり、酸化剤や強塩基と激しく反応する。硝酸塩とは非常に激しく反応し、爆発の危険がある。空気中の酸素と反応して不溶性のオキシ塩化物を生じる。水、メタノール、エタノール、酢酸、酒石酸などに可溶。 塩化スズ(II)は非共有電子対を持つため、気体状態では折れ線形分子として存在する。固体状態では、1つの塩化物イオンが2つのスズイオンによって共有され、鎖型の結晶構造となっている。2水和物は1つの水分子がスズイオンに配位結合し、その水分子にもう1つの水分子が配位結合して構成されている。2水和物の結晶格子は、層をなした塩化スズ(II)の間に水分子を挟み込む形になっている。塩化スズ(II)と塩化セシウムスズ(II)の構造 生成熱は-325kJ/mol、結合の長さは気体状態で242pm、結合がなす角度は気体状態で95°、固体状態で80°である。磁化率はCGS単位系で?69.0である。 塩化スズ(II)は見た目上水に分解することなく溶解するが、溶液を希釈すると加水分解がおこり、白色沈殿の塩基性塩が生成する。この時、次の式の平衡が成立している。 SnCl 2 ( aq ) + H 2 O ( l ) ⇆ Sn ( OH ) Cl ( s ) + HCl ( aq ) {\displaystyle {\ce {SnCl2(aq)\ +H2O(l)\ \leftrightarrows \ Sn(OH)Cl(s)\ +HCl(aq)}}} 球棒モデルで表したSnCl2の構造[2] ゆえに、透明な塩化スズ(II)の溶液を長時間保持する場合、ルシャトリエの原理より溶媒は塩酸とする必要がある。
構造
性質
物理的性質
化学的性質
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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