塩化アンモニウム
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塩化アンモニウム


IUPAC名

塩化アンモニウム
別称塩安
識別情報
CAS登録番号12125-02-9 
EC番号235-186-4
RTECS番号BP4550000
特性
化学式NH4Cl
モル質量53.49 g/mol
外観白色結晶
密度1.5274 g/cm3
融点

338 °C, 611 K, 640 °F (分解)
への溶解度29.7 g/100 mL (0 ℃)
37.2 g/100 mL (20 ℃)
77.3 g/100 mL (100 ℃)
アルコールへの溶解度0.6 g/100 mL (19 ℃)
酸解離定数 pKa9.245
屈折率 (nD)1.642
熱化学
標準生成熱 ΔfHo−314.55 kJ/mol[1]
標準モルエントロピー So94.85 J K−1 mol−1 [1]
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 1051
EU分類有害(Xn)
刺激性(Xi)
EU Index017-014-00-8
NFPA 704010
RフレーズR22, R36
Sフレーズ(S2), S22
半数致死量 LD501650 mg/kg, 経口(ラット)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化アンモニウム(えんかアンモニウム、ammonium chloride)は、化学式 NH4Cl、式量 53.50 [2]。別名塩安(えんあん、Muriate)[2]。工業薬品JIS K1441-86、試薬JIS K8116-92、食品添加物[2]

古代ラテン語名のSal Ammoniac(アモンの塩)とも呼ばれるが、これはかつてエジプトアモン神殿の近くから産出したことにちなむ。この名は、アンモニアの語源ともなった。
特徴

無臭で、無色の[2]結晶または白色粉末。舐めると塩味がする[2]。335 ℃(635?)で分解昇華し[2]、アンモニアと塩化水素に解離する。結晶は立方晶系であり、低温では塩化セシウム型構造、184.3 ℃以上の高温では塩化ナトリウム型構造が安定となる[3]。低温型の格子定数はa=3.866A比重は1.53[2]。高い吸湿性を持つ[2]

水溶液はほとんど中性もしくは微酸性で、味は苦い。水溶液中のアンモニウムイオンの酸解離定数はpKa=9.25である。 NH 4 + ↽ − − ⇀ H + + NH 3 {\displaystyle {\ce {NH4^+ <=> H^+ + NH3}}}

エタノールメタノールには溶けにくく、アセトンエーテルには溶解しない[2]

天然では火山活動及び泥炭の自然発火により生じる。天然に産出する鉱物塩化アンモン石と呼ばれている。
特性と用途

肥料として単独に、また化学肥料の原料としても広く用いられる[4]。工業用ではマンガン乾電池の電解液、亜鉛のメッキ、染料や染色助剤、光沢剤、電解質等、さらには医薬品原料や皮のなめし剤、火薬の原料にも使われる[2]。また、試薬としても用いられる[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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