塩化アルミニウム
IUPAC名
三塩化アルミニウム
識別情報
CAS登録番号7446-70-0
192.4 ℃(無水物)
0 ℃(六水和物)
沸点
120 ℃(六水和物)
水への溶解度43.9 g/100 ml (0 ℃)
44.9 g/100 ml (10 ℃)
45.8 g/100 ml (20 ℃)
46.6 g/100 ml (30 ℃)
47.3 g/100 ml (40 ℃)
48.1 g/100 ml (60 ℃)
48.6 g/100 ml (80 ℃)
49 g/100 ml (100 ℃)
溶解度塩化水素、エタノール、クロロホルム、四塩化炭素に可溶。ベンゼンに微溶。
構造
結晶構造単斜晶、mS16
空間群C12/m1, No. 12
配位構造八面体(固体)
四面体(液体)
分子の形平面三角形(気体モノマー)
危険性
EU分類腐食性 (C)
RフレーズR34
Sフレーズ(S1/2), S7/8, S28, S45
半数致死量 LD50無水物:
380 mg/kg, ラット(経口) 六水和物:
3311 mg/kg, ラット(経口)
関連する物質
その他の陰イオンフッ化アルミニウム
臭化アルミニウム
ヨウ化アルミニウム
その他の陽イオン三塩化ホウ素
三塩化ガリウム
三塩化インジウム
塩化マグネシウム
関連するルイス酸塩化鉄(III)
三フッ化ホウ素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
塩化アルミニウム(えんかあるみにうむ、英語: Aluminium chloride)はアルミニウムの塩化物で、無水物と6水和物が知られている。組成式AlCl3で表される物質である。塩基性塩化アルミニウムの重合体を指して塩化アルミニウムと呼ぶ場合もある。塩化アルミニウム(ポリ塩化アルミニウム・アルミナ10%換算値)2008年度日本国内生産量は582,542t、工業消費量は9,036tである[1]。 金属アルミニウムと塩素、または塩化水素との反応で無水塩化アルミニウムは生成される。 2 Al + 3 Cl 2 ⟶ 2 AlCl 3 {\displaystyle {\ce {2Al + 3Cl2 -> 2 AlCl3}}} 2 Al + 6 HCl ⟶ 2 AlCl 3 + 3 H 2 {\displaystyle {\ce {{2Al}+ 6HCl -> {2AlCl3}+ 3H2}}} 塩化アルミニウムの水和物は無水塩化アルミニウムを塩酸に溶かし生成する。また、水酸化アルミニウムと塩酸の反応、 Al ( OH ) 3 + 3 HCl + 3 H 2 O ⟶ AlCl 3 ⋅ 6 H 2 O {\displaystyle {\ce {{Al(OH)3}+ 3HCl + 3H2O -> {AlCl3*6H2O}}}} 塩酸と金属アルミニウムの直接反応でも得られる。[2] 2 Al + 6 HCl + 12 H 2 O ⟶ 2 AlCl 3 ⋅ 6 H 2 O + 3 H 2 {\displaystyle {\ce {{2Al}+ 6HCl + 12H2O -> 2{AlCl3*6H2O}+ 3H2}}} 融点 170.9 ℃の白色固体で重合体を形成している。不純物を含むものは淡黄色を帯びる。液体状態では二量体を形成することが知られ、電気伝導度が低い等アルミニウムと塩素との結合は共有結合性である。 160 ℃より昇華性を示し、気体は二量体 Al2Cl6 を形成しており、800 ℃以上で単量体となることが知られている。 金属アルミニウムに直接塩素や塩化水素を作用させて製造する。フリーデル・クラフツ反応などルイス酸触媒として有機化学反応等に用いられる。アルミニウムイオンは水との親和性が強く、激しく加水分解して塩化水素を発生する。 Al 3 + + 6 H 2 O ⟶ [ Al ( H 2 O ) 6 ] 3 + {\displaystyle {\ce {{Al^{3}+}+6H2O->{[Al(H2O)6]^{3}+}}}} ( Δ H = − 4690 k J / m o l ) {\displaystyle (\Delta H=-4690\mathrm {kJ/mol} )} AlCl 3 ⋅ 6 H 2 O ⟷ Al ( OH ) 3 + 3 HCl + 3 H 2 O {\displaystyle {\ce {{AlCl3*6H2O}<-> {Al(OH)3}+ 3HCl + 3H2O}}} [3]
生成
無水塩化アルミニウム構造式 無水塩化アルミニウム