堕胎
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妊娠中絶」とは異なります。
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人工妊娠中絶
治療法
シノニム中絶、堕胎、人工流産
診療科産科学
婦人科学
ICD-10-PCS10A0
ICD-9-CM ⇒779.6
MeSHD000028
MedlinePlus007382
eMedicine252560
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人工妊娠中絶(じんこうにんしんちゅうぜつ、英語: induced abortion)は、母体で育つ胎児について、人工的な手段を用いて意図的に妊娠を中絶させることを指す。妊娠中絶の一つであり、日本の刑法では堕胎(criminal abortion[1])と言う[2]。俗語で「堕ろす(おろす)」とも呼ばれる。医療用語ではアウスと呼ぶ[3]。本項では、人工妊娠中絶を「中絶」と表記する。
概説

立場によって見解が異なる。
各宗教団体の中絶に対する見解と各信徒の見解

宗派により宗教団体の見解は異なっている。またひとことで「キリスト教」といっても、ひとつひとつの教派ごとに、中絶に関する見解が異なっている。たとえばカトリックとプロテスタントでも異なるし、正教会には正教会の見解がある。それについて言及する場合の言い方(表現のしかた、言葉の強さなど)も異なっている。また教会側の見解と信徒側の見解も必ずしも一致しておらず、教会側の公式見解と信徒側の実生活上の考え方もそれなりにずれがある。

カトリック、つまり主に西ヨーロッパで広まっていた歴史が長いが近年では西ヨーロッパでは信徒がめっきり減っており、近年では信徒の一番多い地域が南米になっているカトリック教会の教会側は「受精した段階で人間である」と考え、「中絶は認めない」という見解を示すことが通例になっている。ちなみにカトリック教会は避妊も「認めない」という立場をとっている[4][5][6]。とはいえカトリック教会側の公式見解と各信徒の考えが必ずしも一致しているわけではなく、カトリックの信徒側のほうは(神父の言うことを、一応素直に「聞く」だけ聞いておくが、21世紀現在では「避妊ができないようでは、いくらなんでも時代錯誤」などと考えていることが多く)実際には各人の人生計画や「家計の都合」を考慮して、必要なら避妊を行っていることが多い。

アメリカ合衆国は、どこからの移民なのかによって教派が異なり、(イギリスからの移民はイングランド国教会の信者であったりプロテスタントの信徒の割合が多いわけで、カトリック教会とは距離を置きカトリックを批判する人々も多いわけであるが)、さらにアメリカは女性の人権も大いに尊重する国であり、人々の中絶に関する意見は(まっぷたつに)分かれて、中絶の賛成派「プロ・チョイス」(※)と中絶反対派「プロ・ライフ」(※)の間で論争が長年続いている[7]

※「プロ・チョイス」や「プロ・ライフ」という表現に含まれる「プロ pro」という接頭辞は「?のために」といった意味の言葉。つまり「(女性の)選択・支持派」と「生命・支持派」といった意味の名でそれぞれの派が呼ばれている。

「プロ・ライフ」(生命・支持派)の人は「妊娠は神の計画」と考え、「自分は何百人もの生命を救った」といったように考えている[8]。ただし近年ではアメリカ全土で広くアンケート調査をすると「プロ・チョイス」(女性の選択権の支持派)が70?80%と多数派になっている。

2022年6月、連邦最高裁判所により、人工妊娠中絶をめぐり「中絶は憲法で認められた女性の権利」だとした49年前の判断が覆されている[9] 。一方で、2021年FDAは、新型コロナパンデミック渦中はミフェプリストンを遠隔診療で処方し、郵送することを許可していたが同年6月、この変更を永続的なものにすることを決定している[10]。2023年2月、FDAは中絶薬が薬局で入手可能に規制緩和する決定をした。処方箋などがあれば認定された薬局で中絶薬を受け取れるようになる。22年2月現在、米国で実施される中絶のうち54%が中絶薬によるものになっている。[11]

イスラム教国では、ハディースに「人間は母親の胎内で120日かけて人間になる」と書いてあることから、「120日まで」の人工中絶が認められている。
WHO

WHOは2022年3月に制定した中絶のケアガイドラインにおいて、国家は自律的な意思決定、無差別、平等を尊重すべきだとしている。これは、国は、中絶または制限的な中絶法の犯罪化を含む、SRHに対する権利を実現する特定の個人およびグループの能力を無効化または損なう法律および政策を廃止または改革する必要があると指摘している。また中絶はアクセスの障壁になる価格で提供されるべきではない。女性自身がミフェプリストンとミソプロストールの組み合わせを使用するか、ミソプロストールを単独で使用する自己中絶が医療施設の外で、訓練を受けた医療従事者の直接の監督なしに中絶薬を自己投与し、中絶プロセスを管理するということを推奨している[12]
日本の場合

日本の法律は、妊娠22週未満であれば中絶を認めている[5]。ただし刑法212条 - 刑法216条により堕胎罪[13]が存在し、母体保護法による違法性阻却される事案は、都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師が母体保護法(以前は優生保護法)第14条に基づいて行う堕胎である。本人及び配偶者の同意を要する。また妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、1年以下の懲役に処せられる(刑法212条)。堕胎理由は、妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの、暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したものに限定されている(母体保護法第14条)。
方法
初期中絶(妊娠12週未満まで)

ドイツ[14]フランスイタリアなどのように、法定中絶期限または医学上の理由を除く任意の中絶期限を、この初期中絶相当の時期までに制限する国もある。
薬物による中絶「薬剤による妊娠中絶(英語版)」も参照

世界保健機関(WHO)が2012年に改訂した『安全な中絶:医療保健システムのための技術及び政策の手引き 第2版』の中で、ミフェプリストン(mifepristone、RU-486)とミソプロストール(misoprostol)を用いた人工流産を引き起こす内服薬による方法が記載されている[15]。ミフェプリストンは妊娠の維持に必要な子宮内膜や子宮筋のプロゲステロンの作用を阻害し、ミソプロストールは子宮収縮や頸管熟化の作用を有している。2剤を併用することで、人工妊娠中絶の成功率が高まることから、薬剤による人工妊娠中絶の標準療法となっている[15]

メトトレキセートも同様の効果を持つ[16]。世界では、ミフェプリストンや同様の効果を持つ[16]メトトレキセートなどの薬剤も使われる。共に不全流産や出血のリスクがあるが、発生頻度は自然流産と同等とされる。

日本では、プレグランディン腟坐剤が局所投与可能な腟坐剤として小野薬品工業株式会社がPGE1誘導体製剤として開発し、腟坐剤として後腟円蓋部から挿入することにより、妊娠中期において流産効果が認められ、1984年5月30日に「妊娠中期における治療的流産」の効能・効果で製造承認を得た[17][18]

日本では2021年まで早期人工妊娠中絶(妊娠12週未満)は薬剤による方法は承認されていなかったが[15]、ラインファーマ社[19]がミフェプリストンとミソプロストールの承認申請を行っている[20]。2023年4月28日「飲む中絶薬」正式承認。製品名は「メフィーゴパック」。妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンのはたらきを抑える薬「ミフェプリストン」と、子宮を収縮させるはたらきがある薬「ミソプロストール」を組み合わせて使う。対象は妊娠9週までの妊婦。薬の投与は、母体保護法の指定医師に限られる。[21]なおミソプロストールは「非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」として承認されていた[22]。「メフィーゴパック」は、発売開始から半年で724名が服用し重篤例なし、副作用14件の結果であった[23]

Women on Webは、女性の健康と生命を守るための避妊と安全な中絶サービスへのアクセスを提唱し、促進するカナダの非営利団体[24]で、安全な中絶または避妊へのアクセスが必要な人は、Women on Webのwebサイトでオンライン相談を受けることができる[25]
掻爬術と吸引法真空吸引法子宮掻爬法

日本やポーランドアイルランドなどのミフェプリストンが未認可の国々では、掻爬術あるいは吸引処置が選択される。子宮穿孔や出血などの合併症のリスクが高く安全性において「薬物による中絶」に大きく劣る。ミフェプリストンが開発される以前は、妊娠初期であっても吸引術や掻爬術がファーストチョイスとして選択されていたが、ミフェプリストンが認可された国々ではリスクの問題のためにファーストチョイスとされない。また、子宮内膜が薄くなる子宮内膜菲薄化、子宮に穴が開いてしまう子宮穿孔[20]や術後にアッシャーマン症候群を起こすことがあり、不妊症となるケースがあるのも欠点である。[要出典]

D&C法(dilatation and curettage)- 英語で「拡張と掻爬」という意味で、ドイツ語ではAuskratzungと呼ばれる。胎盤鉗子とキュレットを用いる掻爬術。

D&E法(dilatation and evacuation)- 英語で「拡張と吸引」という意味で、吸引器を用いて子宮内容物を吸引除去する方法。

EVA(electric vacuum aspiration)- 電動式吸引器を用いる

MVA(manual vacuum aspiration)- 手動式吸引器を用いる

2021年10月時点、日本ではD&Cが主流であるが[20]、D&Eは以下の点でD&Cよりも利点が多い[15]

中絶手術における手術時間が短く、出血量が少なく、疼痛が少ない。

アメリカ合衆国(米国)などでは1980年代には既にD&Eが一般化している。

WHOや英国のガイドラインではD&Cは推奨されていない。

日本でもD&CがD&Eに比べて再手術を要する不全流産と子宮穿孔の頻度が高い。

術中は強い疼痛が生じるため[20]、静脈麻酔を使う。また経腟分娩の経験がない女性は術中に子宮口が開きにくく、術前に子宮口を開く処置を要するが個人差があるが痛みを伴う。

日本産婦人科医会においても、WHOや英国の安全な中絶に関するガイドラインではD&C(掻爬法)は推奨されておらず、また一般的にD&Cを施行された既往のある女性では早産率が高く、不妊治療の経過において子宮内膜が薄い場合があり、3 回以上のD&Cを受けた女性で子宮腺筋症の率が高い点を理解しており、国際産科婦人科連合(FIGO)もそのSafe Abortion(安全な中絶)委員会において強くD&E を勧めていると公表している[26]

ラミナリアによる経管拡張には時間がかかるので、通常1日間の留置が行われる。子宮頚管をラミナリアなどで拡張後に、産婦人科器具(胎盤鉗子やキュレット、吸引器など)で胎児を物理的に直接除去する。苦痛を伴うため、通常経静脈的に鎮静剤の投与が必要とされる

WHOは「掻爬法は、時代遅れの外科的中絶方法であり、真空吸引法または薬剤による中絶方法(Medical Abortion)に切り替えるべき」と勧告している[27]。一方で日本産婦人科医会は、「我が国の掻爬法は、歴史もあり、その手技に習熟した慣れた医師は安全に確実に行っている」と主張している[20]

2021年7月、厚生労働省は公益社団法人 日本産婦人科医会 会長と公益社団法人 日本産科婦人科学会 理事長あてに「人工妊娠中絶等手術の安全性等について(依頼)」として、WHOガイドラインの抜粋を添付し「国際的な動向を踏まえて電動式吸引法と手動式吸引法の周知」を求める厚生労働省子ども家庭局母子保健課長通知を発出した[28]。この通知については日本産科婦人科学会の木村正・理事長(大阪大教授)は吸引法周知に取り組む姿勢を見せつつも、旧手法を長年行って来た医師の新技術取得について懸念と安全性の損失を表明している[29]。一方、世界70カ国・地域が承認しているミフェプリストン・ミソプロストールの中絶薬は外科的手術が不要でありWHOも推奨している。多くの国では手術より薬物中絶比率が高く、フィンランドでは薬物97%、手術3%となっており国際的には薬物中絶が主流となっている[30]
中期中絶(妊娠12週以降 - 21週目まで)

この時期は胎児がある程度の大きさとなるため、分娩という形に近づけないと中絶ができない。そのためラミナリアやメトロイリンテルなどで子宮頚部を拡張させつつ、プロスタグランジン製剤(膣剤、静脈点滴)により人工的に陣痛を誘発させる方法がある。また、海外では中期中絶にも器具を用いるD&E と呼ばれる手法がしばしば行われ、WHOも陣痛誘発法より優先すべきことを推奨している。日本では妊娠12週以降は死産に関する届出によって、妊婦は死産届を提出する必要がある。

妊娠22週までの胎児は肺ができていないため生存継続が不可能だが、心臓が動き数十分生きているため人口死産を引き起こし中絶することに医療関係者は高いストレスを感じる[31]
後期中絶(妊娠22週以降 -)

妊婦側の申し出による中絶は法的に認められておらず、また医療上の理由で母体救命のため速やかな胎児除去の必要性が生じた場合でも、早産の新生児が母体外でも生存可能な時期以降は帝王切開など胎児の救出も可能な方法を優先すべきである。


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