堅果
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堅果(けんか、: nut, glans)とは、果実の型の1つ。堅く木化した果皮が1個の種子を包み、裂開しない果実のことである(図1)。ブナ科カバノキ科などに見られる。カヤツリグサ科タデ科に見られる小型のものは小堅果(nutlet, nucula, nucule, nuculanium)ともよばれるが、痩果との区分は明確ではない。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1a. セイヨウヒイラギガシブナ科)の堅果1b. セイヨウハシバミカバノキ科)の堅果断面

植物学用語としての nut は堅果を意味するが、一般用語としての nut[注 1] および日本での一般用語としての「ナッツ」は堅い殻に包まれた食用部をもつ果実やその一部、または種子を意味し、クリシイヘーゼルナッツなどの堅果も含まれるが、その他にヒマワリ痩果(下位痩果)、アーモンドピスタチオマカダミアココナッツなどの核果の核(種子を含む硬化した内果皮)、ブラジルナッツカボチャマツイチョウなどの種子も含まれる[2][3]。いずれも種子内の子葉胚乳を食用とする。
定義

複数の心皮雌しべを構成する葉的要素)からなり、成熟した状態で果皮は乾燥して堅く木化し、1種子を密に包んでいるが果皮と種皮は合着せず、裂開しない果実は、堅果とよばれる[4][5][6][7][8]クリなどでは、鬼皮が果皮に、渋皮が種皮に相当する[9]ブナ科(下図2a, b)やハシバミ属カバノキ科; 下図2c)などに見られる[4][5]。他にもミズタマソウアカバナ科[10]ヒシミソハギ科[11][注 2]シナノキ属アオイ科; 下図2d)[13]ツクバネビャクダン科[14]などの果実も、堅果として扱われることがある。2a. ヨーロッパナラブナ科)の堅果2b. ヨーロッパグリ(ブナ科)の堅果2c. セイヨウハシバミカバノキ科)の堅果(ヘーゼルナッツ2d. フユボダイジュアオイ科)の堅果2e. カシグルミ(クルミ科)の"堅果"は外皮に包まれており核果

ブナ科では、総苞片(花の集まりの基部につく特殊化した葉)が集合・合着した構造である殻斗(かくと)(cupule, cupula)が堅果を包んでおり、特に殻斗果(どんぐり状果[7])ともよばれる[5][15]クリでは3個の堅果がいがで覆われた殻斗で完全に包まれ(上図2b)、ブナでは2個の堅果が殻斗で完全に包まれ、シラカシコナラでは1個の堅果の基部が殻斗で包まれている[16][17](上図2a)。ブナやクヌギカシワでは苞の先端が癒合せずに殻斗がささくれているが、コナラやマテバシイでは殻斗表面が鱗片状、アカガシやシラカシでは殻斗表面に環状模様を形成している[16]

クルミ属ペカン属クルミ科)の果実は堅果とされることが多いが[18][19][20]、その定義と合わない特徴をもつ[2]。これらの果実は多肉質の外皮に包まれた堅い核状構造(種子を含む)からなる(上図2e)。外皮は主に花托などに由来するが、外果皮も含むとされる[2][21]。この場合、核の部分はそれより内側の果皮からなることになり、堅果の定義(果皮が全て硬化)には合致しない。この構造は核果に類似するが、外皮に果皮以外の要素を含む点で異なる。そのため、このような果実は核果状の堅果(drupe-like nut または drupaceous nut)や偽の核果(pseudodrupe)、tryma、クルミ果、殻果ともよばれる[2][21][22]

堅果の定義に含まれるが、特に小型のものは小堅果ともよばれる[4][5]。小堅果は、カヤツリグサ科(下図3a)やガマ科(下図3b)、カバノキ科(下図3c)、タデ科(下図3d)などに見られる[4]。ただし痩果との区分は不明瞭であり、これらの小堅果の中には痩果として扱われるものも多い[23][24][25][26]3a. ノグサ属(カヤツリグサ科)の小堅果(または痩果)3b. ガマガマ科)の小堅果(または痩果)3c. アサダ属(カバノキ科)のストロビルと小堅果3d. オオイヌタデ(タデ科)の小堅果(または痩果)3e. オシロイバナオシロイバナ科)の偽堅果と内部の果実、種子


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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