『坊つちやん』(ぼっちゃん)は、夏目漱石の中編小説『坊つちやん』を原作とした映画化作品。これまでに5度映画化され、1935年版、1953年版、1958年版、1966年版、1977年版がある。 P.C.L.映画製作所(現在の東宝)制作。1935年3月14日公開。82分。白黒。 東京映画製作。1953年8月12日公開。111分。白黒。 東京映画製作。1953年8月12日公開。111分。白黒。 池部良が佐藤一郎東宝プロデューサーに「藤本(真澄)プロデューサーも、悪くない人だと思うけど、何か、便所へ入ったときの思いつきで(映画を)製作しているようだし(池部)良ちゃんのためにという作品を作る情熱はまるでないみたい。そんなものばかりに出演されている没個性な良ちゃんが、僕、悲しいのよ、僕も良ちゃんも、文学青年。僕、良ちゃんをバックアップして、良ちゃんに、ばっちりハマった文芸映画を作ってみたいと思ってるんだ」などと口説かれ[1]、同じ江戸っ子の心意気に池部は感激し、佐藤は「良ちゃんは三船君みたいに、ただ怒鳴りまくってればいいという俳優さんじゃないです。知性と理性に包まれた馨しい人で、言うなれば、ジェラール・フィリップみたいな役者だと思うよ」「差し当たって、どんな作家のものを演ってみたい?」と聞かれたが、何も頭に浮かばなかった池部は、薄暗い畳の毳立つその部屋から『坊つちやん』の一場面を思い浮かび、「夏目漱石の『坊つちやん』はどう?」と思い付きで言ったら佐藤が「『坊つちやん』、いいんじゃない。僕達、江戸っ子だからピンと来るよね。広島だか岡山出身の藤本(藤本真澄)の抵抗に遭うかも知れないけど、森さん(森岩雄製作本部長)を拝み倒して、何とかいい文芸作品にしてみせましょう」と言った[1]。ところがその後一向に佐藤から連絡もなく、忘れかけていたころ、佐藤から電話があり、「八田尚之に書いてもらって、丸山誠治監督、マドンナに岡田茉莉子さん、清が浦辺粂子さん、小沢栄の山嵐、赤シャツは森繁久弥さん、東京映画で撮ります」と言った。池部は「東京映画って何ですか?」「僕は東宝専属ですから、そんな、訳の解らないところで撮影するのは、勘弁して頂きたい」と言ったら、佐藤は「東宝も年間の製作本数、全部丸抱えで作ると、客の入りが悪くて損しちまうと、穴埋めが上手くいかないから、外注の形式の会社を作ったんだよ。
1935年版
キャスト
坊つちゃん:宇留木浩
マドンナ:夏目初子
校長:徳川夢声
赤シャツ:森野鍛治哉
野だいこ:東屋三郎
うらなり:藤原釜足
山嵐:丸山定夫
漢文の先生:生方賢一郎
芸者小鈴:竹久千恵子
婆やきよ:英百合子
萩野のお婆さん:伊藤智子
スタッフ
原作:夏目漱石
監督、演出:山本嘉次郎
脚色:小林勝
撮影:唐沢弘光
音楽:紙恭輔
演奏:P.C.L.管弦楽団
装置:北猛夫
録音:山口淳
編集:岩下広一
現像:小野賢治
1953年版
キャスト
坊ちゃん:池部良
山嵐:小沢栄
赤シャツ:森繁久弥
たぬき:小堀誠
うらなり:瀬良明
野太鼓:多々良純
漢文の先生:渡辺篤
博物の先生:笈川武夫
小使:大庭六郎
マドンナ:岡田茉莉子
お清:浦辺粂子
〆太郎:藤間紫
萩野老夫人:三好栄子
いか銀:中村是好
いか銀女房:馬野都留子
マドンナの母:平井岐代子
うらなりの母:本間文子
山嵐の妻:三條利喜江
釣屋のじいさん:田辺元
女中お松:三舟あき子
芸者〆香:津路清子
芸者甲:原恵子
芸者乙:市川恭子
芸者丙:久世まゆみ
旅館に出て来る芸者:田川晶子
その連れの男:河崎堅男
車夫A:須永康夫
生徒高山:加賀麟太郎
新聞記者:宇野晃司
スタッフ
原作:夏目漱石
脚本:八田尚之
監督:丸山誠治
監督助手:石橋克巳
製作:加藤譲、佐藤一郎
撮影:山崎一雄
音楽:渡辺浦人
美術:島康平
録音:西尾昇
照明:岸田九一郎
スチール:石川久宣
製作主任:石橋嘉博
1953年版
キャスト
坊ちゃん:池部良
山嵐:小沢栄
赤シャツ:森繁久弥
たぬき:小堀誠
うらなり:瀬良明
野太鼓:多々良純
漢文の先生:渡辺篤
博物の先生:笈川武夫
小使:大庭六郎
マドンナ:岡田茉莉子
お清:浦辺粂子
〆太郎:藤間紫
萩野老夫人:三好栄子
いか銀:中村是好
いか銀女房:馬野都留子
マドンナの母:平井岐代子
うらなりの母:本間文子
山嵐の妻:三條利喜江
釣屋のじいさん:田辺元
女中お松:三舟あき子
芸者〆香:津路清子
芸者甲:原恵子
芸者乙:市川恭子
芸者丙:久世まゆみ
旅館に出て来る芸者:田川晶子
その連れの男:河崎堅男
車夫A:須永康夫
生徒高山:加賀麟太郎
新聞記者:宇野晃司
スタッフ
原作:夏目漱石
脚本:八田尚之
監督:丸山誠治
監督助手:石橋克巳
製作:加藤譲、佐藤一郎
撮影:山崎一雄
音楽:渡辺浦人
美術:島康平
録音:西尾昇
照明:岸田九一郎
スチール:石川久宣
製作主任:石橋嘉博
製作