地質時代
区分 概略[2][3]累代代紀基底年代
古生代ペルム紀298.9
石炭紀358.9
デボン紀419.2
シルル紀443.8
オルドビス紀485.4
カンブリア紀541
原生代新原生代エディアカラン635
クライオジェニアン720
トニアン1000
中原生代ステニアン1200
エクタシアン1400
カリミアン1600
古原生代スタテリアン1800
オロシリアン2050
リィアキアン2300
シデリアン2500
太古代(始生代)新太古代2800
中太古代3200
古太古代3600
原太古代4000
冥王代4600
地質時代(ちしつじだい、英: Geologic time scale;Geological age;Geological eon)とは、約46億年前の地球の誕生から現在までの内、直近数千年の記録の残っている有史時代[5](歴史時代)以前のことで地質学的な手法でしか研究できない時代の事である[6]。歴史の本来の意味は、文字で記録された人類に関わる過去の出来事の事であり[7]、文字で記録されていないさらに時を遡る人類に関わる時代は先史時代と呼ばれている[8] 。
地質時代における各時代区分は「地質年代」とも呼ばれ、また地質年代は地質時代と同義にも扱われる[9]。
地球の年齢46億年超の内で、有史時代(数千年間)は約100万分の1であり、地球の年齢の99.9999%は地質時代である。前述の地質時代の定義から、地質時代は地球の年齢から有史時代を除いた部分であるが、現実には有史時代の長さは地質時代における誤差範囲よりはるかに小さく、有史時代(現在を含む)は新生代/第四紀/完新世/メーガーラヤン期に含まれる。各地質時代区分の開始年代(基底年代)は何百万年前(Mya)と表現されるが、その基点は西暦2000年と定義されている。
地質時代は、比較的情報量が多く研究が進んでいる直近の[注釈 1]「顕生代」(約5億年)、顕生代と比較すると生物化石に乏しくなるが微化石や生痕化石などが研究対象になる「原生代」(約20億年)、生物化石は殆どなくなり研究対象が主に地層や岩石となる「太古代(始生代)」(約15億年)と、地球上で岩石や結晶などの直接証拠が少なく月の石や隕石などの情報から推察されている「冥王代」(約6億年)の4つの時代に区分されている。
目次
1 概要
2 地質時代研究の歴史
3 定義
3.1 年代の定義
4 地球環境の変遷
5 生物界の変遷
6 地質時代の区分
7 地質時代のタイムスケール
8 地質時代区分の改定履歴
8.1 国際年代層序表の改訂履歴
9 注釈
10 出典
11 参考文献
12 関連項目
13 外部リンク
概要 地質学時標図[注釈 2]
138億年前の宇宙誕生(ビッグバン)から3分の2経過した今から46億年前に太陽系に地球が誕生した。この数十億年に渡る地球の過去を考察する場合、地球誕生から、月の形成、海洋誕生、大陸の形成分裂、造山運動・火山活動、巨大隕石の衝突、気候変動などの天文学的・地学的な絶対年代区分とは異なった、時代を発掘された化石や地層等から相対的に区分する手法が用いられており、これを地質時代と呼ぶ。この地質時代区分は地球史絶対年代とは異なるが、絶対年代上の重要事象の結果として多くの生物相の変化が起きたわけであり、地質時代と絶対年代に定義の差はあるが、相関性はある[10]。
地球の過去は岩石や地層の中に封じ込められており、幾重にも亘る地層には、本の頁のように、地球の過去の事件やその時代の生物などが記録されている。これらの地層は、含まれる岩石や化石の放射年代測定により年齢を推定することが出来る。こうして地層の頁を紐解き、岩石という原子時計を測り、含まれる化石を見出すことにより地球の過去を知ることが可能となる。 顕生代の生物多様化と大量絶滅詳細は「古生物学」および「層序学」を参照
地質時代の区分は発見される化石によるため、各時代はそれら生物の時代とも言え、その絶滅が時代を区分している。言い換えれば地質時代は生物の繁栄と絶滅の記録である[11]。一部の例外を除き各紀の境界では大量絶滅が発生している。右図参照。 詳細は地質学の歴史
地質時代研究の歴史
古代から中世にかけて現生生物とはかけ離れた化石の発見から古生物の存在や、貝の化石が海から離れた場所で見つかることから現在の陸地が昔は海であった可能性などの推察があった。一方で、化石は生物起源ではない変わった形の岩石であり、『創造論』に基づいた時代認識が近世まで続いていた。近世に入りルネサンスを経て自然科学の発展が始まり近代につながる地球科学の各分野が誕生した。
16世紀
1548年、「鉱物学の父」と呼ばれるドイツのゲオルク・アグリコラが『化石の本性について』を出版し、化石は生物に類似した形になった鉱物ではなく、生物起源であると発表した。