地球外知的生命体
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「E. B. E」はこの項目へ転送されています。『X-ファイル』のエピソードについては「E.B.E (X-ファイルのエピソード)」をご覧ください。
地球外生命探査の例。
1.太陽系外惑星を探すケプラー
2.宇宙文明の電波を探すSETIのアンテナ。
3.太陽系の他の惑星を調べる探査車

地球外生命(ちきゅうがいせいめい、英語: extraterrestrial life / alien life、略称:ET)とは、地球大気圏の外の生命の総称である。
目次

1 概要

1.1 ドレイクの方程式


2 太陽系内

2.1 太陽系内の知的生命への期待と観測・探査

2.2 太陽系内の原始的な生命


3 太陽系外

4 脚注

4.1 注

4.2 出典など


5 参考文献

6 関連文献

7 関連項目

概要 1967年に発行されたソビエト連邦の16コペイカ切手。地球外生命の人工衛星が描かれている。

「地球外生命」という語はその生命が知的であるか、知的でないかは問わず用いられる。人間が地球外へ出た場合はこの語に含まれない。

1970年代から天文学者が主に電波望遠鏡を用いて地球外の知的生命の活動の兆候を探索しているが、未だに地球外生命体の存在は確認されていない。

1787年ころ、ラザロ・スパランツァーニが、そもそも地球の生命は地球外から来た、とする説を唱えていた。生命の起源は地球外にあるとする説は「パンスペルミア説」と言うが、こうした説(仮説)は、DNA二重らせん構造を発見したフランシス・クリックも表明している[1]

パーシヴァル・ローウェル(1855年 - 1916年)は火星を観測した結果、その表面に「運河」などの人工的な建造物に見える巨大構造があると信じ、火星に文明が存在する証拠だと著作で述べた。サイエンス・フィクションの分野では火星に棲む、タコ状(いか状)の生命体がさかんに描かれたが、これはイギリス作家H・G・ウェルズが1898年に発表したSF小説「宇宙戦争」によるイメージの定着が発端であるとされる。

1959年、ジュゼッペ・コッコーニ(英語版)とフィリップ・モリソンが、科学雑誌『Nature』で初めて地球外生命体に言及する論文を発表し、「地球外に文明社会が存在すれば、我々は既にその文明と通信するだけの技術的能力を持っている」と指摘した。またその通信は電波で行われるだろう、と推論した。

この論文は自然科学者らに衝撃を与え、一般人も知的生命体がこの宇宙に存在する可能性について大真面目に語り、様々な憶測、様々な空想が語られるようになっていた。

1960年にはフランク・ドレイクオズマ計画に着手した。
ドレイクの方程式詳細は「ドレイクの方程式」を参照

1961年にアメリカの天文学者のフランク・ドレイクドレイクの方程式を示し、画期的なことに、可能性・確率について具体的に数値で論ずることを可能にした。我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数を仮に「N」と表すとするならば、そのNは次の式で表せる、と述べたのである。 N = R ∗ × f p × n e × f l × f i × f c × L {\displaystyle N=R_{*}\times f_{p}\times n_{e}\times f_{l}\times f_{i}\times f_{c}\times L}

ただし、各変数は下記の通りである。

変数定義
R ∗ {\displaystyle R_{*}} 人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数
f p {\displaystyle f_{p}} ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
n e {\displaystyle n_{e}} ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能となる状態の惑星の平均数
f l {\displaystyle f_{l}} 生命の存在が可能となる状態の惑星において、生命が実際に発生する割合(確率)
f i {\displaystyle f_{i}} 発生した生命が知的なレベルまで進化する割合(確率)
f c {\displaystyle f_{c}} 知的なレベルになった生命体が星間通信を行う割合
L {\displaystyle L} 知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)

1961年にこの式を発表した時、ドレイクは各値に関する推測値も併せて示し、 N = 10 × 0.5 × 2 × 1 × 0.01 × 0.01 × 10 , 000 = 10. {\displaystyle N=10\times 0.5\times 2\times 1\times 0.01\times 0.01\times 10,000=10.}

と計算してみせた。つまりそうした文明の数を10個だと推定してみせたのである。これがまた自然科学者らに大きな衝撃を与えた。SFに登場する「タコ状の火星人」などのイメージの影響(悪影響)で、地球外生命を頭ごなしに否定していた自然科学者でも、この理詰めの式を見せられて、自分たちが思っていた以上に存在の可能性があるのかも知れない、とりあえず調べてみる価値はあるのかも知れない、論理的に考えても存在の可能性を期待してもよいのかも知れない、と考えるようになったのである。このドレイクの式の持つ説得力が、賛同者を増やし、地球外生命の探索のための政府予算を組むことにつながった。

生命の起源に関するパンスペルミア説では、そもそも宇宙には生命の種が満ちており、宇宙のあちこちで生命が誕生している、と考えている。
太陽系内
太陽系内の知的生命への期待と観測・探査 ローウェルが描いた火星の「運河」。

以前、太陽系内の他の惑星にも生命が存在しているのではないかと推測されていたことがあった。温度大気の組成や引力の大きさなどを考慮したところ、特に生命体が棲んでいる可能性が高いと考えられていたのが火星であった。火星に知的生命が棲んでいて地球にまでやってくる、といったストーリーのサイエンス・フィクション作品がさかんに書かれた。

パーシヴァル・ローウェル(1855年 - 1916年)は火星を観測して、その表面に「運河」や「人面岩」など人為的な建造物に見える巨大構造などを認め(見えたと信じ)、文明の存在を示すものではないかとする説を著作で唱えた[注 1]。だが、パーシヴァルが見たと思ったものは、自然の地形であったことが、後のマリナーマーズ・オブザーバーなどの詳細研究で解明され、知的な生命体が火星にいないことから、太陽系内には地球人以外に知的生命体が存在する可能性はないようだ、と判断されるようになった。

地球にも熱水噴出孔付近など、摂氏400度を超え、太陽光も届かない過酷な環境でも生物が生きているという事実から、エウロパなど宇宙の星々にも、微生物などの地球外生命が存在するのではと語るNASAの研究者もいる[2]


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