地獄の辞典
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地獄の辞典
Dictionnaire infernal
『地獄の辞典』1826年版の冒頭。
著者コラン・ド・プランシー
イラストルイ・ル・ブルトン
フランス
言語フランス語
形態上製本
ページ数462

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『地獄の辞典』(じごくのじてん、:Dictionnaire infernal)は、フランスの文筆家コラン・ド・プランシーによって書かれた悪魔オカルト占い迷信俗信、およびそれらに関連した人物のエピソードなどを集めた辞書形式の書籍。1818年に初版が発行された。

『地獄の辞典』という題名ではあるが、副題としてrepertoire universel des etres, des personnages, des livres, des faits et des choses qui tiennent aux esprits, aux demons, aux sorciers, au commerce de l'enfer, aux divinations, aux malefices, a la cabale et aux autres sciences occultes, aux prodiges, aux impostures, aux superstitions diverses et aux pronostics, aux faits actuels du spiritisme, et generalement a toutes les fausses croyances merveilleuses, surprenantes, mysterieuses et surnaturelles(日本語訳:『精霊、魔神、魔法使い地獄との交渉、占い、呪い、カバラその他の神秘学、奇蹟、イカサマ、種々の迷信、予兆、降霊術の事蹟、および概括すればあらゆる奇蹟的・驚異的・神秘的・超自然的な誤った信仰に関する存在・人物・書物・事象・事物の普遍的総覧』[1])という非常に長いものが付けられており[2]地獄についてのみならず世に伝わる俗信や伝承を幅広く取り扱っている。
作品解説ルイ・ル・ブルトンによるベルゼビュートの挿絵ルイ・ル・ブルトンによるバエルの挿絵ルイ・ル・ブルトンによるカイムの挿絵ルイ・ル・ブルトンによるウコバクの挿絵

『地獄の辞典』は、1818年、プランシーが20代のときに発表した作品であり、以後何度も版を重ねたプランシーの代表作かつ成功作である。悪魔学・迷信および占い・人物を3本柱として構成されており[3]、辞書形式で多数の項目が記載されている。項目数は、1863年に発行された第6版では3799項目に至っている[4]

悪魔学に関しては、ヨーハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』や『大奥義書』・『真正奥義書』のようなグリモワールに記されているヨーロッパに伝わる悪魔のみならず、世界各地の精霊、悪魔、魔神妖精、伝承などを紹介している。その情報収集範囲はロシアインド、果ては中国日本[5]アメリカ大陸にまで及び、レーシーガルダカーリー、日本のなどが紹介されている。迷信および占いに関してはとりわけ記述量が多く、世界各地の迷信および占いを紹介している。日本の熊野牛王、山伏、天狗なども紹介されている。占いに関しては、手相、人相、占星術などの記述に多くの紙面が割かれている。人物に関しては、悪魔学者、宗教関係者の紹介だけでなく、著名人物が悪魔と関わった逸話などが多数収録されている。また、キフハウゼンの古城の地下で眠り続けるフレデリック・バルブルース[6]など、歴史上の人物に関わる民間伝承も収録されている。

1818年の初版当時、プランシーは反教権主義に属しており、『地獄の辞典』の初版および第2版ではカトリック教会に対する過激な記述も含まれていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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