地方自治法施行60周年記念貨幣
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1000円銀貨の共通裏面デザイン500円硬貨(プルーフ貨幣)の共通裏面デザイン

地方自治法施行60周年記念貨幣(ちほうじちほうしこうろくじっしゅうねんきねんかへい)とは、日本において地方自治法施行60周年を記念して発行された記念貨幣である[1]
概要

1947年(昭和22年)5月3日に施行された地方自治法が60周年を迎えたことを記念し、2008年(平成20年)以降、47都道府県の図柄をあしらった500円バイカラー・クラッド貨と1000円銀貨を順次発行することが発表された。これはアメリカ合衆国の50州の図柄をあしらった25セント硬貨と類似の企画で、約10年をかけて毎年数県ずつの硬貨を発行された。このシリーズは47件94種類と日本の記念貨幣最多のものとなった。

500円バイカラー・クラッド貨は1ユーロ硬貨と同様の2色3層構造で、銅を白銅でサンドイッチ状に挟み込みできた円板(クラッドメタル)を、ニッケル黄銅でできたリングの中にはめ合わせた(バイメタル)硬貨で、銅は白銅に挟まれているため外から見えない。このような硬貨は日本では初めてのことで、フランスイタリアの技術を基に独自の方法を採用している[注 1]。又、500円硬貨は通常の硬貨のほかにプルーフ貨幣も発行されている。

2008年(平成20年)に発行されたものは北海道が主要国首脳会議開催、京都府が源氏物語千年紀、島根県が石見銀山世界遺産登録が題材とされている。

1000円銀貨は都道府県をあしらった図案を採用し、艶消しのプルーフ仕上げを行った上、彩色されたカラーコインで発行されている。また額面以上の価格で配布されるプレミアム型貨幣であり、造幣局に事前に申し込みをした希望者から抽選で購入者を決定して代金と引換で発送する方法(販売価格には発送費用及び消費税も含まれている)が取られているが、題材として取り上げられた都道府県の住民には全国よりも2倍の確率で当選できるようになっている。

500円バイカラー・クラッド貨は、額面で金融機関において引き換えがされた。これとは別に、500円バイカラー・クラッドプルーフ貨は、1000円銀貨同様、発売価格が額面を上回っており、造幣局に事前申し込みによる抽選により購入者が決定される(通常の貨幣も造幣局で発売されたが、送料やケースの費用などから額面の倍の価格で発売された)。

なお、額面で交換する500円バイカラー・クラッド貨も同様に題材として取り上げられた都道府県分の引き換え枚数が他の都道府県より多く割り当てられている。

日本郵政もこの記念貨幣シリーズとの共同企画として、各都道府県を題材とした80円の記念切手5種類を収めた小型シートを発行した。この小型シートのデザインのうち1種類は記念貨幣と題材が同じであり図案もほぼ同じで、他の4種類は対象都道府県の観光地などがデザインされている。この記念切手をケース入りの記念貨幣と共に特製ケースに組み込んだ貨幣セットが造幣局で販売され、ケースに貨幣が収められた単体のAセット、Aセット+記念切手入り特製ケースのBセット、Aセット+記念切手が入っていない特製ケースのCセットの3種類が500円バイカラー・クラッド貨と1000円銀貨でそれぞれ発売された。

発行スケジュールは以下の通り。

発行年時期都道府県
2008年(平成20年)北海道京都府島根県
2009年(平成21年)上半期新潟県長野県
下半期茨城県奈良県
2010年(平成22年)上半期福井県岐阜県高知県
下半期青森県愛知県佐賀県
2011年(平成23年)上半期富山県鳥取県熊本県
下半期岩手県秋田県滋賀県
2012年(平成24年)上半期神奈川県宮崎県沖縄県
下半期栃木県兵庫県大分県
2013年(平成25年)上半期宮城県群馬県広島県
下半期山梨県静岡県岡山県鹿児島県
2014年(平成26年)上半期山形県三重県愛媛県
下半期埼玉県石川県香川県
2015年(平成27年)上半期山口県徳島県福岡県
下半期千葉県大阪府和歌山県長崎県
2016年(平成28年)福島県東京都

偽造防止技術

1000円銀貨
貨幣側面に斜めギザが入っている、貨幣の模様の圧印と同時に貨幣側面の周囲に斜めギザ加工を施す技術は、日本の造幣局が独自に開発した技術で日本、アメリカ、イギリスで特許を得ている。貨幣裏面を下に向けると大きな雪の結晶部分に地方自治法施行60周年を記念した「60」の文字が上に向けると47都道府県を示す「47」の文字が浮かび上がる潜像加工が施されている他、微細点加工も施されている。

500円バイカラー・クラッド貨幣
[注 2]
概要にある通り、異なる種類の金属板をサンドイッチ状に挟み込む「クラッド」技術でできた円板を、それとは異なる金属でできたリングの中にはめ合わせる「バイカラー」技術を組み合わせている。貨幣裏面の中央部分に千円銀貨と同じ潜像加工が施されている他、微細点と微細線加工も施されている。貨幣の側面に斜めギザの一部を他のギザとは異なる形状にした異形斜めギザ加工を施しており、この技術も日本が開発した技術である[2]
地方自治法施行60周年記念貨幣一覧
共通項目

材質、組成、重量などの規格や、裏面の図柄は各都道府県分ともに共通となっている。

種類額面材質等組成・品位重量直径周囲図柄(裏面)
1000円
銀貨幣1000円銀貨幣
(カラーコイン)純銀31.1g40.0mm斜めギザあり雪月花
500円バイカラークラッド貨幣 500円バイカラー・
クラッド貨幣:75.0% 亜鉛:12.5% ニッケル:12.5%7.1g26.5mm異形斜めギザあり古銭
500円バイカラー・クラッドプルーフ貨幣 

各都道府県別項目

出典:[3]表面の図柄については、1000円銀貨幣および500円バイカラー・クラッド貨幣のそれぞれで各都道府県別に47種類のデザインが設定されている。

都道府県額面材質等販売申込期間[4]発行日年銘発行枚数図柄(表面)
北海道1000円銀貨幣
(カラーコイン)2008年(平成20年)5月21日 -
2008年(平成20年)6月11日2008年(平成20年)7月平成20年10万0000枚洞爺湖タンチョウ
500円バイカラー・
クラッド貨幣-2008年(平成20年)12月10日210万0000枚洞爺湖と北海道庁旧本庁舎
京都府1000円銀貨幣
(カラーコイン)2008年(平成20年)8月22日 -
2008年(平成20年)9月12日2008年(平成20年)10月10万0000枚国宝「源氏物語絵巻」宿木 三(部分)
500円バイカラー・
クラッド貨幣-2008年(平成20年)12月10日205万0000枚国宝「源氏物語絵巻」宿木 二(部分)
島根県1000円銀貨幣
(カラーコイン)2008年(平成20年)10月14日 -
2008年(平成20年)11月4日2008年(平成20年)12月10万0000枚御取納丁銀牡丹
500円バイカラー・
クラッド貨幣-2008年(平成20年)12月10日197万0000枚銅鐸とその文様・絵画
長野県1000円銀貨幣
(カラーコイン)2009年(平成21年)3月11日 -
2009年(平成21年)4月8日2009年(平成21年)5月平成21年10万0000枚上高地
500円バイカラー・
クラッド貨幣-2009年(平成21年)7月15日183万0000枚善光寺
新潟県1000円銀貨幣
(カラーコイン)2009年(平成21年)5月11日 -
2009年(平成21年)6月8日2009年(平成21年)7月10万0000枚トキ佐渡島
500円バイカラー・
クラッド貨幣-2009年(平成21年)7月15日184万0000枚トキと棚田
茨城県1000円銀貨幣


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