地図
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「地図」のその他の用法については「地図 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ウィキペディアにおけるページ内に地図を表示させる方法については、「Template:Maplink2」をご覧ください。
イドリースィーによる世界地図。1154年頃に作成されたもので、メッカを中心に南を上、東を左としている。これによりメッカからの方角が分かりやすくなっている。また気候区分を示す線も描かれている。

地図(ちず、: map[1]マップ、chart[1]チャート)とは、地球表面の一部または全部を縮小あるいは変形し、記号文字などを用いて表した図。
概要

地図とは、地球表面の一部あるいは全部の状況を、通常は縮小して、記号化し、平面上に表現したものである[1]。地図は「文化の総合的産物」ともいわれ[2]、「文字よりも古いコミュニケーション手段」と称されることがあるように、表現手法として人類に重宝されてきたものである[3]

地図の具備すべき条件として、(1) 距離、(2) 面積、(3) 、(4) 形の正確さと、(5) 明白さ・理解しやすさ等の要素があるとされる[4]。実用の地図は測量の結果を紙上に展開して地形・地物・説明文字を付して完成させた実測図と、実測図の成果や各種資料により編集原図を作製し製図・製版・印刷を経て出版される編纂図に大別される[4]。ただ、地球回転楕円体扁球)である。平面的な小地域を図化した実測図においては上の条件を実用的な程度にまで満足させることができるが、球面の影響の出る大地域を図化した編纂図においては投影法縮尺などの点から上の条件を満たしきれないため読む際に注意を必要とする場合がある[4]

地図の製作と収集能力を買われ、アメリカ合衆国連邦政府に登用された[5]イザイア・ボウマンは「地図は地理的ないろいろの象徴の中で最も普遍性のある、また最も目立ったものである」と述べ、地理学における地図の重要性を説くと同時に、地理学は単なる「分布の科学」ではないとし、地理学における地図の限界にも言及している[6]。ボウマンの指摘した地図の役割を要約すれば、分布の明示・測定の具象化・関連し合うものを同時に表現することの3点となる[7]

地図では情報の多くが地図記号で表されているが、地図の種類または国ごとに統一され決められている。ただし地形図以外のもの(道路地図やガイドマップなど)においてはこのような規格には沿っていないものが多い。さらに鉄道路線図のように接続関係のみを重視し幾何学的正確性を無視したものもある[注釈 1]

地図のデジタル化が進み地図上に多くの情報をあわせて持つことができるようになっている(地理情報システム(=GIS)参照)。

明確な定義があるわけではないが、江戸や明治時代に作られた戦前の古い地図を古地図(ドイツ語版)と呼ぶ[8]
歴史詳細は「初期の世界地図」、「江戸幕府の地図事業」、および「マッパ・ムンディ」を参照

地図は、文字よりも古くから人類に使われていたと考えられている。また、文字が存在しない文化でも、地図に類するものが使われている場合がある。バビロニアの世界地図(紀元前600年ころ)ブラウ図(1664年)

原始時代の地図は残存してはいないものの、その名残とされるものとしてはタヒチ先住民による木片を用いた立体図やマーシャル諸島の先住民によるヤシ繊維タカラガイを用いた航海用図といったものがある[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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