地位協定(ちいきょうてい)とは、二国間における国民の役割や権利などの地位を規定する協定。
外国の軍隊の駐留など複数の国民が濃厚に接触する機会が増加する際に、両者の摩擦を防ぐために予め締結される。
英語では Status Of Forces Agreement
と言い、頭字語の SOFA (ソファと同音異義語)を略称に用いる。日本は幕末から明治維新にかけて、外国人居留地や英仏横浜駐屯軍(イギリス軍、フランス軍)などが日本国内に駐留していたため、外国軍の駐屯は受け身の立場としていた。
その後、日清戦争、日露戦争の勝利を経て併合した台湾、朝鮮半島、他に日本占領下の中国の一部都市に軍事基地を設置した。第一次世界大戦では、日本は日独戦争に勝利をした。そのため戦後のヴェルサイユ条約によって、ドイツ帝国の植民地だった中国の青島や太平洋地域のドイツ領ニューギニアなどは日本の軍事占領下に置かれた。日本の委任統治下となった南洋諸島などに大量の日本軍の軍事基地を設けていた。
日中戦争、第二次世界大戦によって、アジアにおける日本の支配地域は格段に広がったため、アジア各地に日本軍基地が設置され、日本の軍事的影響力が増加した。
第二次世界大戦の結果、在日米軍(アメリカ軍)が日本国内に駐留する主要な外国軍となり、再び受け身の立場として外国軍との地位協定を結んできた。
1990年代以降、日本が再び軍事的に海外へ行く機会が増え、逆の立場で地位協定を締結する例が増加している。
日本に駐留する外国軍に対する地位協定
1954年:日本国における国際連合(事実上のアメリカ軍)の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)
1960年:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)
民間の地位協定
1965年:日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定(日韓法的地位協定)
日本が他国国内に軍事駐留の際に締結した地位協定
1994年:ザイールに駐留する自衛隊との地位協定
2003年:クウェート国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とクウェート国政府との間の交換公文(日本クウェート地位協定)
2009年:ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の書簡(日本ジブチ地位協定)
PKO:PKO地位協定